1人暮らし高齢者の「孤独死」や働き盛りの「突然死」、乳幼児の「不審死」など、死因が不明な「異状死」の数が急増している。その数は犯罪に関わるものも含めてこの10年で3割増の17万件、実に亡くなる人の7人に1人の割合だ。ところがその死因を究明しようにも解剖などを行う医師の数は不足し、全国各地で深刻な事態を招いている。青森県ではただ一人の担当医師が3月末で退任し、一時解剖ができなくなる事態に陥った。鳥取大でも法医学分野の医師が退任し影響が出始めている。NHKのアンケートからは「過酷な労働環境」や「大学の人員削減」など、解剖医を取り巻く厳しい現実が浮かび上がっている。国は、死因究明を推進する体制づくりを進めてきたが、解剖率は先進国の中でも低いままだ。多死社会を迎え、今後も増え続ける「異状死」にどう対応すれば良いのか。課題と対策を考える。
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