日中関係が冷え込む中、先月末、1人の日本人経営者が中国に招かれ、2000人の企業家を相手に勉強会を開いた。招かれたのは、日本航空再建にも寄与した京セラ名誉会長の稲盛和夫氏。その経営哲学に一部の中国企業家たちが熱烈な関心を寄せているのだ。背景にあるのは、中国経済の「変調」。成長に陰りがみえる中、かつて成功の方程式だった“もうけるには手段を選ばず”というやり方に限界を感じ、儒学にも通じる稲盛流の思想に経営のヒントを見つけ出そうと懸命の模索を始めている。どこに活路を見いだすべきか、日本との関係はどうするのか。政治との距離に翻弄されつつ、揺れる中国人企業家たちをドキュメント、転換期を迎えた中国企業社会の実像を描く。
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