妊婦の血液を採取するだけで、胎児に異常があるかどうか調べられる新型出生前検査。昨年4月の導入から1年。従来の方法に比べ、流産のリスクがなく精度も高いため、当初予想をはるかに上回る8000人近くが受診した。しかし、課題も浮かび上がってきている。検査の運用に法的な基準がなく、妊婦や家族への検査結果の説明やカウンセリングが病院任せになっている。妊婦の中には聞きたいことも聞けぬまま出産、中絶の決断をしなければならず、悩む人も少なくない。一方ドイツでは、国をあげた議論の末、検査の運用やカウンセリングについて法整備し、支援体制を整えている。新たな検査方法が次々と開発される出生前検査。日本はどう向き合い、どんな支援が必要なのか考える。
みんなのコメント