クローズアップ現代

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No.34732014年3月6日(木)放送
日米関係はどこへ ~ケネディ駐日大使に聞く~

日米関係はどこへ
~ケネディ駐日大使に聞く~

日米関係はどこへ ケネディ大使に聞く

ゲストキャロライン・ケネディさん(駐日アメリカ大使)

●着任して3か月半、日米関係をどう表現する?

私は最もすばらしい時期に、駐日大使として就任しました。
最高の歓迎を受けました。
この地域において、今最も魅力的で大変重要な時期だと思っています。

●安倍政権をどのように評価している?

最も重要なのは、安倍総理大臣は、日本経済を再び活性化させ、それによって多くの人に希望を与えたことです。
日本の人々は、今後の見通しと自分たちの将来について大変前向きで、それはとても重要なことです。
アメリカのパートナーとして、安倍総理大臣はぶれることのないすばらしいパートナーです。
このように同盟関係は強力で、安定した強い指導者の下、経済は回復し、女性の社会参画が進み、私たちは宇宙開発や人道支援活動などで協力しているのです。
ですから、この日米のパートナーシップというのは多くの側面があると思います。
そして安倍総理大臣は、経済における希望と明るい見通しを日本社会にもたらしていると思います。
それによって、この地域での建設的な役割を担うことが可能になり、日米が共有する問題について両国が協力して取り組むことはすばらしいことです。

●靖国神社参拝、アメリカはなぜ声を上げる必要があると感じた?

私たちには、一緒に取り組むべき重要な任務があると思います。
それを困難にするものについては失望します。
私たちは自分たちの立場を明確にしたと考えます。
日米は大変親しい友人であり、同盟国です。
多面的なパートナーシップ関係にあり、多くの事柄について協力しています。
そうした前向きな任務から目をそらし、地域の情勢を難しくするような行動は、建設的なことではありません。
なぜなら私たちは前進し続ける必要があるからです。

●アメリカは日本の国内問題に干渉すべきでないという声もあるが?

この地域の情勢は複雑です。
しかしこうした状況だからこそ私が思うのは、私たちは同盟国であり、友人です。
そして強固なパートナーシップを築いています。
友人や同盟国であっても、時として意見の違いはあります。
しかし、だからといって私たちが親しいパートナーではないとか、同盟関係に深くコミットしていないとか、そういうようなことではありません。
私たちはただ、この仕事を一緒にやりたいのです。
その状況を困難にするようなことが起きた場合は残念です。
日米関係というのは、極めて前向きで極めて強固です。
この地域全体、そして日本、アメリカにとって重要なのは、パートナーという意識を持って取り組むことなのです。

安倍政権への警戒感強める米国

半世紀以上続く日本とアメリカの同盟関係。
今、メディアは安倍政権に対して警戒感を強める記事を次々と掲載しています。

“日本の挑発的な動き”

“日本のナショナリズムを非難する”

アメリカの歴史観と対立する動きが、日本で強まっているとしているのです。
さらに4日、アメリカ政府の高官が、歴史認識を巡って冷え込む日韓関係に懸念を示しました。

アメリカ ラッセル国務次官補
「アメリカの同盟国である日韓の緊張関係は、早急に緩和されるべきである。」



さらにラッセル国務次官補は、

“日韓両国は歴史問題に対して、慎重さと自制を示すべき。
今後の安全保障のために、歴史問題に足を引っ張られている状況ではない。”

と表明しました。

“日米の絆を深めたい” ケネディ大使の活動

対話と協力を通じて日米の絆を深めたいと話すケネディ大使。
就任早々向かったのは、東日本大震災の被災地でした。
津波の爪痕がいまだに残る場所や、被災人たちが暮らす仮設住宅を訪れ、話を聞きました。

「おばんです。」

「どんどん波が上がってきたんです。」

「被災する前は197世帯あったんですけれども、その中で(津波で)流されなかったのはたった9世帯で、あとはすべて、みんな流されてしまったというような…。」

アメリカ キャロライン・ケネディ駐日大使
「ここに来るまで、本当の意味で被害の大きさを理解できませんでした。
みなさんの勇気と苦難をはね返す力を尊敬します。」

次に訪問したのは被爆地、長崎でした。
父親のケネディ元大統領は、部分的核実験禁止条約の締結など、核軍縮に取り組みました。



ケネディ大使自身も20歳のとき広島を訪れ、核廃絶に強い関心を抱いてきました。
この日、被爆者の男性たちと交流し、平和のために尽くす思いを新たにしました。
そして先月には、アメリカ軍普天間基地の辺野古への移設で揺れる沖縄へ。
しかし…。

「基地はこれ以上いらない!」






沖縄県内の移設であることや、環境面への影響などから根強い反発も。
ケネディ大使はアメリカ軍関係者の案内で、移設先となっている名護市辺野古の沿岸部を視察。
移設に反対する名護市長とも会談し、対立する意見にも耳を傾けました。

名護市 稲嶺進市長
「辺野古の海の生物多様性、サンゴやジュゴンの話をしたら、非常に関心をもって聞いていただいた。」




アメリカ キャロライン・ケネディ駐日大使
「米政府は沖縄の人たちや日本政府と共に(基地負担の軽減に)取り組んでいきます。」

安倍政権の歴史認識 アメリカは

●アメリカ大使館は一部の発言について「非常識」だとコメントしたが?

アメリカ大使館のコメントのとおりです。
友人や同盟国にも意見の違いはあるでしょう。
意見が食い違う点があれば、そのように言うことが重要だと思いますし、われわれはこれからもそうしていくと確信しています。
しかし、全体的な関係を見て、そうした事柄を見ていかなくてはならないと思います。
日本とアメリカの関係は、極めて強固で前向きなパートナーシップであり、この地域の人々の幸せのために取り組んでいるのです。
そしてこの関係が、安定と経済的繁栄をもたらしているのです。
経済的なリーダーシップが、過去50年間において実現してきた多くの発展の土台となってきたのです。
そうした背景を捉えたうえで、問題を見る必要があると思うのです。
歴史は複雑です。
オバマ大統領が引用したキング牧師のことばのように、歴史は正義に向かっており、それこそ私たちが目指したいと思っていることです。

●日韓関係の悪化はアメリカの国益にどんな影響を及ぼしている?

友好関係にはさまざまな側面があります。
おっしゃられたように、韓国と日本は、アジアにおけるアメリカの最も緊密な同盟国です。
両国とも民主主義国であり、言論の自由があり、法治国家です。
こうした事柄について議論することが重要ですが、日米韓の3か国が協力することができ、また協力していくと思います。
良好な関係は3か国の国益にかなうことであり、それゆえに3か国が共に目指していくことだと思います。
日本と韓国が、あらゆるレベルで対話を続けていく道を見つけることを望んでいます。
両国は経済面での対話や協力が多く行われており、ビジネス上の結び付きも深いです。
防衛協力もあり、観光客の往来も多いです。
個人や専門家のつながり、さらに家族のつながりもあります。
両国の政治家の意見が異なっても、個人レベルの交流は続いていくでしょう。
ですから、こうしたつながりや対話は続いていくと思います。
日韓の国民は意見の相違を乗り越える方法を見つけていくでしょう。
それは3か国の国益にかなうことであり、アメリカはそのためにできる支援はなんでもしたいと思っています。

●具体的にどのような支援ができる?

日韓両国は緊張緩和のプロセスを主導すべきです。
同盟国であるアメリカも、支援はなんでもしたいと思っています。
オバマ大統領は、多くの問題に積極的に取り組んでいます。
日韓両国が関係を改善すれば、オバマ大統領もその成果を歓迎すると思います。

●中国が大国化する中、日本との同盟強化はアメリカの国益にかなう?

強力な日米関係は、多くの理由からアメリカの国益にかなうことです。
強力な日米関係は、この地域全体の経済的繁栄と、平和と安定にとって土台となると思います。
地域関係は一つの側面ではありますが、ほかにも多くの側面があると思います。

●中国と関係を構築する過程で歴史認識に関わる言動は妨げになる?

強固な米中関係は日本にもメリットをもたらし、強固な日米関係は中国にもメリットをもたらします。
アメリカにとっての国益は、隣国どうしが協力し、対話を促進し、域内のすべての国々と協力することです。
人々の暮らしを改善させることを妨げるような事態を回避することです。
それこそが私たちが目指していることです。

沖縄の基地問題 どう解決する

●基地問題の解決の見通しについて、どう考える?

沖縄を訪れる機会を得られたことはとても幸運でした。
私は沖縄については、これまで多くのことを聞いたり読んだりしてきましたので、地元では意見が大きく割れていることも知っていました。
だからこそ、現地を直接訪れて、土地の様子や雰囲気を理解することが重要だと思ったのです。
沖縄では知事と名護市長にもお会いし、市長の情熱と決意に感銘を受けました。
確かにこれは難しく複雑な問題です。
アメリカ政府は、在日アメリカ軍基地が与える負担を、できるだけ早く減らすことに真剣に取り組んでいると思います。
私自身も、この問題がいかに重要か、その理由を理解しています。
実際に沖縄に行けば、その理由ははっきり分かります。
私たちは、日米の同盟関係の強化を図りながら、基地が現地に与える負担を減らしていかなければなりません。
どちらも重要です。
沖縄では難しい問題があることも理解しています。
沖縄の皆さんが、子どもたちのためによりよい未来を求めていることも知っています。

●日本の女性の地位向上のため、どんな支援をしたいと思う?

まず私は、女性の社会参加の問題を政策の中心に据えた、安倍総理大臣の判断を歓迎しています。
こうした動きによって、女性の問題に関わる議論が始まってきているように思います。
もちろん、これは女性だけの問題ではなく、男性や企業の問題でもあります。
ですから政府にも、果たすべき役割があるのは、間違いありません。
私は、強い女性が多くいる家庭で育ちました。
私が成人したころは、ちょうど女性が仕事でも家庭でも、自分の目標を追求できるようになった時期でした。
こうしたことは私の人生にとって重要です。
日本に来てからも、才能と活力にあふれたすばらしい女性にたくさんお会いしました。
日本の女性が持つ可能性をすべて発揮できれば、すばらしい成果が生まれると楽しみにしています。

●日本での任務において、ケネディ・スピリットをどう生かす?

私は、ことば、そして人の思いが力を持っていると信じています。
すべての市民には自分の国や社会について学び、自分の考えを表明する権利があるのです。
アメリカには、「民主主義の最高機関は市民である」ということばもあります。
より多くの人が議論に参加すれば、新しい発見があります。
私の父、ケネディ元大統領は、好奇心が旺盛だったと母からよく聞かされました。
私もその血を受け継いでいるのです。

●特に取り組みたいと思っていることは?

やるべきことはたくさんあって、一つだけ選ぶことはできません。
でも一つ重要だと思っていることがあります。
私の父は第2次世界大戦のとき、太平洋戦線に赴きました。
それから時がたった今、両国関係は驚くほどの進歩を遂げたことが分かります。
パートナーシップの構築という意味で、世界の見本となるものだと思います。
この時期に日本に着任したことは本当に光栄です。
両国の関係を、私の子どもや孫のために、強固なものにしていきたいと思います。
これまで数え切れないほどの人たちが、現在のような強固な日米関係の維持に努めてきました。
今では日米の友情はとても強いものですから、これを大切にし、それを維持するために時間を費やすべきだと思います。
それぞれの人々が、お互いの国を訪れて、相手の国のことを学ぶことが重要です。
そうすることで、このすばらしい同盟関係を維持することができるはずです。

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