大津市で起きたいじめ自殺事件、大阪市で起きた教師の体罰による自殺。学校現場や教育委員会が無責任体質に染まり、当事者能力を失っているという声が以前に増して大きくなっている。そんな中、全国から注目されているのが大阪府だ。松井府知事の意向を受けた中原徹・府教育長が主導する形で矢継ぎ早の改革が進んでいる。去年春に就任して1年。いじめ対応マニュアルを作成して明確な規律を学校内に求めたり、教員の指導力をあげるために教師の点数評価制を徹底したりと、教育長が主導する大胆な政策変更が進む。中でも力を入れるのが、学校現場の現実に即した「新たな公平性」の導入だ。進学高校には、徹底したエリート教育を導入する一方、学力困難者のいる学校では実学重視のエンパワーメントスクール制度で学習内容を差別化。現場や地域では「学校の序列化が進む」「差別的だ」などの異論があがり、傍観者だった保護者にも議論がわきあがっている。教育改革論議が全国でも起こる中、大阪の改革は何を生み出したのか、検証する。
みんなのコメント