“今世紀最悪の人道危機”とよばれるシリア難民。今月、210万人を超え、その数は膨らみ続けている。今、祖国を逃れた彼らが強いられているのは「希望なき漂流」だ。収まることのない内戦。そこに追い打ちをかけているのが、化学兵器の廃棄に合意し、国際社会から「お墨付き」を与えられたかのようなアサド政権の存続だ。難民の中でも、アサド大統領に反発する人々は、国に帰るという希望を打ち砕かれ、周辺国の難民キャンプで、先の見えない厳しい冬を迎えようとしている。さらに、密航の危険を冒し、ヨーロッパを目指す人々も増えている。国際社会の動きに翻弄され、さまよい続けるシリア難民。その現実を中東、ヨーロッパでのルポを通して伝える。
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