急速な高齢化が進む都市。人口減での空き家の増加や、税収減少下での施設維持コストなどの問題に直面している。いま各地で、拡大し過ぎた都市の機能を住民の「身の丈」に合わせて中心部に集約しようというコンパクトシティ事業が盛んだが、行政やディベロッパー主導によるこれまでの「整理」(大手術)は殆ど頓挫してきた。そんな中、首都圏周縁にある埼玉県鶴ヶ島市などが、住民自身によるエリア内の設備のスクラップ&ビルドに取り組み始め、注目を集めている。行政から示された施設整備の予算枠を元に、例えば地域拠点施設の中身そのものを検討したり、新規建設を縮小したり、あるいは空き住居を地域拠点施設に転用したりといった小手術的手法で成果をあげているのだ。人口・財政縮小時代の、住民自身による町の「仕立て直し」を考える。
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