ガンなどの終末期の患者のケアを担うホスピスや緩和ケア病棟が次々と開設されるようになっておよそ20年。 “痛み”を取り除く「体」のケアの手段がようやく確立した今、QOLを高める次の段階として “食のチカラ”が「心」のケアのために積極的に利用され始めている。大阪の淀川キリスト教病院は去年11月、独立したホスピスを設立し、末期がんの患者に週に1度、希望する食事を叶える「リクエスト食」という取り組みを始めた。多くの患者が要望する食は「若い頃食べたバッテラ」や「お母さんに作ってもらった卵焼き」など一人ひとりの人生と深く結びついたもの。こうした食が死と立ち向かう人に大きな力を与えている。「食べて治す」「食べて癒す」ことに力を入れ始めた終末期医療の最新の取り組みを伝える。
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