再選を目指すオバマ大統領と、共和党のロムニー氏の激しい戦いが続くアメリカの大統領選挙。「公平」な社会の実現を掲げ、巨額の財政支出を伴う政策を推し進めてきたオバマ大統領に対し、ロムニー候補は、「自由」な競争こそが経済を立て直す道だと訴えており、双方の主張は全く相容れない。両陣営は互いを激しく非難する中傷合戦を展開、自らの支持層を固める内向きの選挙戦にひた走っている。この4年間で、国のあり方を巡る分断がかつてないほど拡大したアメリカ。民主・共和両党は妥協の余地のないほど対立しており、ことし議会に提出されたおよそ4,000の法案のうち、成立したのはわずか2%という深刻な事態に陥っている。どちらが勝っても、政治や社会の分断が解消する見通しは立たず、二大政党による議会制民主主義の意義を問う声さえ聞こえ始めている。11月6日に投票が迫った大統領選から、アメリカの行方を探る。
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