部下の叱り方やほめ方を教える研修が全国各地で人気を集めている。若手とのつきあい方を見失った管理職が増えているためだ。上司が軽く注意したつもりでも、それが原因で会社を辞める若者が後を絶たず、厚生労働省の調べによると“パワハラ”に関する部下からの相談件数は、この10年で6倍に増加している。しかし一方で、“ほめる”だけの、厳しさのない職場では、人材が育たないと危惧する企業も増えている。叱るのか、それとも、ほめるのか。上司の苦悩の背景には、成果主義の導入、年功序列の崩壊、雇用形態の複雑化など、会社の構造が変化し、これまでにないコミュニケーションが企業社会の中で求められていることがある。部下の指導に悩む管理職や、新しい人事システム導入を試みる企業の取材を通じて、現代に求められるコミュニケーションのあり方を探る。
みんなのコメント