8月29日に発表された南海トラフでの被害想定。しかし、その想定に組み入れられていない重大なリスクがある。東日本大震災で131件も発生した「津波火災」だ。東日本震災の分析からは、防災関係者を驚かせる事実が浮かび上がってきた。安全であるはずの多くの避難場所が、津波火災に襲われやすいというのだ。津波火災が起きやすい場所もわかってきている。さらに、発火原因の調査からは「自動車」が燃え出す新たなリスクもみえてきた。各地の消防への調査では「車両火災」が津波火災の32.3%を占めるという結果が出ている。かつてない数の車が燃えた事実を受け、仙台市消防局などでは、発火のメカニズムの解明が始まっている。津波火災をはじめ、震災の最新の研究から明らかになってきた「複合災害」のリスクにどう備えるか、予測や対策が困難とされる津波防災の最前線を検証する。
みんなのコメント