『地震学は敗北した』。東日本大震災発生後、はじめて開かれた10月の日本地震学会のシンポジウムは、異例の“敗北宣言”で幕を開けた。世界最高水準を自負してきた日本の地震学は、なぜマグニチュード9.0の大地震を予測できなかったのか。研究者に動揺が広がっている。阪神・淡路大震災の後、大地震の長期予測に向け、力が注がれた地震のメカニズム研究。大陸の下に潜り込むプレート境界面にある“固着していて地震の時に大きくずれる部分(アスペリティ)”の研究が進み、地震が発生する場所と規模については、ほぼ実用的な予測が出来る“はず”だった。しかし、今回の大地震は、場所も規模も研究者の予測を大きく外れるものだった。今、地震学者達は、地質学や測地学など異分野とも連携した新たな模索を始めている。来る大地震にどのように向き合うか?再起に向けた取り組みを見つめる。
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