東日本大震災では、家族や知人に安否情報を伝えることがいかに難しいかが浮き彫りとなった。携帯電話やメールがつながりにくい状況で、ソーシャルメディアとともに注目を集めたのが、GPSの「位置情報」だ。スマートフォンなどの携帯端末に入れた自分の現在地を示すアプリで、家族と安否を確認し合いながら、地震発生後の不安を乗り切った人たちが多くいたのだ。GPSは、支援物資の輸送でも威力を発揮した。車の位置情報を活用する研究を続けてきたホンダは、被災地を走るユーザーのカーナビデータをもとに通行可能なルートをすばやく公開。さらに、メーカー各社の情報を統合した道路マップも作られドライバーの大きな支えとなった。「ライフライン」として機能し始めたGPS。さらに今、被災地では、復旧・復興に生かそうと市民を巻き込んだ様々な「地図作り」が進んでいる。災害時の新たな情報ツールとして期待が高まるGPSの可能性を探る。
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