各地が記録的な大雪に見舞われるなか、「除雪作業の遅れ」による市民生活の混乱が目立っている。原因のひとつが、除雪や土砂の除去など地域の災害復旧を担う建設業者が、長年の建設不況で疲弊していること。自治体と「災害協定」を結ぶ全国の建設業者の数は、この10年で3分の2に激減、災害対応に必要な重機を自社で保有する業者も減っているのだ。12月には全国建設業協会が国交省に「除雪の遅れは氷山の一角。全国で“災害対応空白地帯”が生まれている」と業界への支援を訴えた。こうした中、石川県七尾市では、この冬から重機を市が直接リースするなど2億円をかけて建設業者の負担を減らす対策を始めた。その一方で住民組織が農家などの所有する重機をリストアップし建設業者だけに頼らない防災態勢を作ろうという地域も現れた。これまで建設業界が担ってきた「災害対応力」が揺らいでいる現状と、今後について考える。
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