COP10で取り上げられた「生物多様性」。農業にも、生き物の複雑なつながりを生かす取り組みが始まっている。中でも、植物の体内に入り込む微生物「エンドファイト」は、植物の成長を早めたり、病気や虫から植物を守る効果があることがわかり、肥料や農薬に代わるものとして期待されている。研究者や企業も、より効果的なエンドファイトを求め、探索に乗り出した。ニュージーランドでは、国を挙げてエンドファイトの普及に乗り出している。主要な牧草の8割にエンドファイトが使われ、害虫の被害を大幅に軽減、牛乳の生産量が3割増加するなど大きな効果をあげている。日本でも、北海道で稲にエンドファイトを導入する試みが始まり、病気の被害が農薬を使わずに軽減するなど、減農薬の切り札として期待が高まる。続々と見つかる不思議な微生物「エンドファイト」を使った、次世代農業の可能性に迫る。
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