いま、中国の日系メーカーの工場で、賃上げを求めるストライキが続発している。中心となるのは「新世代農民工」と呼ばれる20代の若者たち。低賃金で我慢強く働く、かつての「農民工」とは大きく変わっている。急速に広がる経済格差、単純労働で先の見えない不安に若い労働者は苛立っている。携帯メールで、賃上げ情報を教え合い、新たなストを誘発しているのだ。様変わりする労働者に、日本企業は戦々恐々。いまや中国は“世界の工場”だけでなく、“市場としての価値”が高まり、人件費の安いアジアの国に移転するわけにはいかないのだ。豪華な社員寮、心の悩み相談室などを作ったり、労働者も出世できる人事制度改革を行い、ストを防ぐ手だてに追われている。豊かさを求める中国の若者たちと、日本企業はどう向き合うか。対策を探る。
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