今、高校生たちが厳しい就職難に直面している。求人数が前の年のおよそ半分に激減し、内定率の下げ幅は過去最大を記録(昨年11月末現在)。生徒たちは「働きたくても働けない」状況に陥っている。求人の「質」も変化している。なかには定期昇給がないうえに、健康保険や失業保険にも加入できない「名ばかり正社員」とも言える求人まで現れている。内定を得られず、働くことの意欲を失ってしまう生徒も少なくない。こうしたなか注目されているのが、独自の工夫で雇用を生み出そうとしている地域だ。山形県の西置賜地域では、厳しい景気の冷え込みの中でも、例年通りの高い就職内定率を維持しようと模索している。地元の町工場の技術者たちが高校教育の現場に参加し産学連携で若者たちを育てているだけでなく、景気変動の影響を受けやすい製造業などの「外需型」産業から、食品や農業などの「内需型」産業へのシフトを目指す取り組みも始まっている。日本の将来を担う若者たちの雇用をどう確保していくのか。高校生の就職難の実態とその解決策を探る。
みんなのコメント