いま、認知症の人が認知症の家族を介護する、「認認介護」と呼ばれる世帯が増えている。二人暮らしの夫婦が、ともに認知症になることで生活の維持が難しく、火の不始末や介護の放棄なども起きやすい。また、自ら助けを求めることが難しいため、危険が見過ごされがちなのが現状だ。富山県では仲の良い夫婦がともに認知症になり、悲しい事件が起きる。妻が夫を虐待し死なせてしまったのだ。多くの医療・介護関係者が関わりながらもその危険に気付かず、誰も夫婦を助けられなかった。今後、認知症の人が倍増する中、悲劇を防ぎ、穏やかな暮らしを守るにはどうすればいいのか。事件の背景と新たな取り組みから、穏やかに老いるための支援策を考える。
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