プロ野球パリーグの千葉ロッテマリーンズが今シーズン、勝ち星を重ねている。96年以来Bクラスを続けたチームが突如優勝圏内だ。しかし大型トレードを敢行したわけではない。昨年から指揮をとるバレンタイン監督の絶妙の人材活用術を背景に、ほとんどの選手が成績を伸ばしているのだ。従来の日本の野球常識の根底を覆す奇策と人心掌握策の数々。「選手が失敗したときこそ信頼の言葉を」「好調な選手ほど休ませろ」「自分の喜怒哀楽は武器として使え」選手の自主性を大切にする一方で、厳格な門限を設置するなど厳しい側面をもっている。さらに、かつての主力で今は力が落ちたベテランに、目立たないが価値のある仕事を与え、それを納得させて働かせる。「敗戦処理のピッチャーが誇りをもてるチームこそが強い組織」。それは、日米両プロ野球での豊富な経験をもとに作り上げたマネジメント術の集大成だ。「ベストの人材が揃わなくても勝てる。ベストのプレーを現有戦力から引き出せばよい」と語るバレンタイン監督。野球界だけでなく、日本中の管理職必見の「バレンタイン流人材活用術」の秘密を徹底分析する。
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