最近、大規模な温泉施設におけるレジオネラ菌の集団感染事故が多発している。感染による肺炎で、毎年10人をこえる死者が出ており、現在、厚生労働省は全国で入浴施設の一斉調査が行っている。
調査が進む中で明らかになってきたのは、大規模な温泉施設における衛生管理の予想外の難しさ。こうした施設では循環式という浴槽水を繰り返し循環させて使う方式が多い。この循環式の施設では、レジオネラ菌の温床となる“生物膜”ができやすく、規定通りの塩素殺菌を行っていても、大量の入浴者が入ると菌が増殖してしまうのだ。しかも、塩素を大量に投入すると温泉の泉質が変わってしまうことや、アルカリ性の温泉では塩素が効かないといった問題点も指摘されている。
レジオネラ菌の感染事故を防ぐためには何が必要なのか。温泉施設における感染の実態と対策を探る。
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