
写真は2013年3月7日(木)放送のリハーサル風景
――まずは、20周年を迎えた率直なご感想からお聞かせいただけますか。
よく20年も番組が続いたなと思います。始まった当初は、責任者の方が「だいたい2年くらいの番組だと思っていてください」と、おっしゃっていたくらいですから(笑)。それが20年も続くとは誰も予想していなかったのではないでしょうか。もちろん私も、こんなに長く続くものだとは思っていませんでした。
――国谷さんがここまで長く続けてこられた秘訣とはなんでしょうか。
そうですね、まずは私が健康であったことが最大の理由。自分のまわりの環境、特に家族からのサポートがあったのも忘れてはいけないですね。しかし私の事情はともかく、番組自体が長続きしたのは、やはり制作体制がその理由でしょう。
「クローズアップ現代」(以下、クロ現)を作り上げている現場というのは、NHKの組織を横断するような体制がとられています。報道局や制作局の情報系のセクションだけではなく、全国の放送局や海外総支局、さらに芸能や音楽番組の担当者からも番組提案が送られてきます。番組は、常にフレッシュで多様な目線でテーマが掘り起こされ、新しい動きを先取りするようなものも制作ができてきたと思います。そういう番組を支える、バーチャルプロダクション*ともいえる体制が、番組が長続きした理由の一つかもしれません。
*バーチャルプロダクション
クロ現は、NHKの社会、科学、政治、経済、国際担当はもちろん、スポーツや文化担当、地方局、海外総支局まで、あらゆるセクションからの企画提案により、番組ごとに新たな制作チームが作られて制作される。固定的な制作チームが存在しているわけではない。