平成19年4月9日

「週刊現代」の記事について

「週刊現代」(4月21日号)に「ためしてガッテンに捏造疑惑!」という記事が掲載されていますが、番組でデータの改ざんや捏造をした事実は全くありません。NHKは「週刊現代」に強く抗議し、謝罪と訂正を求めています。

以下に、その経緯をご説明します。

この番組は、昨年4月5日に放送された「常識大逆転!体脂肪の新改善術」です。番組では、食事や運動などの生活改善によって内臓脂肪を減らすことができることや、内臓脂肪がある程度減れば、動脈硬化を防ぐ働きがあるアディポネクチンと呼ばれる物質が血液中に分泌されることをご紹介しました。尼崎市の保健師の指導で2年間、生活改善を続け、血中のアディポネクチンの値が増えた人の例も番組で紹介しました。

週刊誌の記事に書かれている実験は、尼崎市でメタボリック症候群を改善するために行われている生活指導を4人の市職員に受けていただいたものです。その結果、ウエストや体重が減り、血圧、血糖値、中性脂肪値などにも改善が見られました。記事で指摘されているアディポネクチンについては、4人のうち3人の検査結果を「変化なし」と表記しました。これは、変化の割合が測定器の誤差の範囲内だったことなどから「変化なし」と表記したものです。週刊誌では、これをとらえてデータの改ざんや捏造をしたかのように書かれていますが、「捏造」などでは全くありません。

具体的な測定値については、現在、実験に協力していただいた方々のご了解が得られていませんので公表できませんが、数値が変化した割合を示すと、4人のうち1人は+27%でした。また、「変化なし」と表記した3人は-8%、-7%、-5%でした。

この変化率は測定器の誤差とされる±10%未満の範囲内であり、さらに、番組の監修に当たったアディポネクチン研究の第一人者に相談したところ、誤差の範囲内と考えられるという指摘をいただきました。このため、+27%の方は番組で具体的に数値を示しましたが、他の3人の方は「変化なし」と表記しました。誤差の範囲内でしかない変化は、科学的には、「増えた」とも「減った」とも言うことはできないからです。

また、週刊誌には、東海大学大櫛陽一教授の証言として、NHKの番組スタッフが「捏造」を認める発言をしたかのように書かれています。番組スタッフは今年2月に大櫛教授に電話取材をしましたが、そのような発言はしていません。また、番組スタッフは、この番組には全く関わっておらず、実験データを知る立場にはありませんでした。

さらに、週刊誌には、実験の期間は3週間ではなく18日間に縮められたと書かれていますが、これも事実に反します。尼崎市職員に体験してもらった「生活改善」は、実際に2月24日から3月17日まで、3週間行われました。生活改善を開始した時点の血液検査を初日の2月24日(金)に行う予定でしたが、参加した職員の方が急遽、業務の都合で検査を受けることができなくなりました。そのため、週明けの2月27日(月)に検査を行いました。実験最終日の血液検査は当初の予定通り3月17日に行われました。このため、血液検査の間隔は18日間になりましたが、生活改善期間中の検査であり、3週間の生活改善の取り組みの効果を反映したものと考えています。

この期間中、参加者の皆さんは、生活改善に一生懸命に取り組みました。週刊誌の記事の中で「(改善といっても)特別何もしていないんです。散歩もちょっとしたくらい」と答えたというU氏は、実験期間中、通勤を徒歩に切り替え、毎日往復50分程度歩いていました。また、「(実験中も)一時的に階段の上り下りをしただけです」と答えたというF氏は、自宅マンションのエレベーターを使うのをやめ、毎日階段で上り下りしていました。記事が出た後、再度確認したところ、2人は、「週刊誌の記者にも、がんばって取り組んだと答えたのに、なぜあのような記事になったのかわからない」と話しています。

担当ディレクターは、職員の方々が生活改善に取り組む様子を撮影したほか、現地で直接本人に会ったり電話で何度も話したりして、4人のみなさんの状況を継続的に取材しました。記事にあるような「ずさんな取材だった」という指摘は誤りです。

また、週刊誌には、大櫛教授の発言として、被験者が4人だけでは医学的判断ができないと書かれています。しかし、番組は4人のデータだけでなく、これまでの研究の蓄積を踏まえて制作しています。長期間生活改善を続けると体脂肪率が減り、アディポネクチンが増えるということは、大阪大学、東京医科大学などの研究グループが学会発表しています。

番組では、尼崎市で取り組んでいる生活改善を2年間続けてアディポネクチンが増えた例も紹介しています。4人のデータだけによって新しい事実を証明しようとしたわけではありません。

番組でデータの改ざんや捏造をしたかのような記事は、NHKの信頼を大きく傷つけるものです。このためNHKは、「週刊現代」に対して強く抗議し、謝罪と訂正を求めました。

「ためしてガッテン」では、これまでも番組の企画段階から、海外も含むできるだけ多くの研究者の論文を検索し、きちんと裏付けを確認した上で取り上げています。さらに、研究結果についても一人の研究者の考えだけを鵜呑みにするのではなく、複数の専門家にあたって妥当性を検証して紹介しています。この基本姿勢を今後も貫き、視聴者の皆様に信頼される番組作りに取り組んでまいります。

 

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