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脳もビックリ! 集中力アップ大作戦
2007年08月29日放送
まずは手品をご覧ください。6枚のトランプのカードの中から、1枚だけ好きなカードを選び、集中して覚えてもらいます。そのカードは、次に見せた5枚のカードの中から消えてしまいました! 実はこの手品、「ひとつのことに集中すると、それ以外のことが意識できなくなる」という、集中力の特性を利用したトリックなのです。
スポーツ、仕事、勉強などに欠かせない「集中力」。でも、やらなければならない仕事や勉強となると、つい気が散って集中できないものです。
そこでガッテンが集中力を徹底研究。頭の中のスイッチがオンになると、たちまち脳が勝手に集中する仕組みを大発見! 仕事の効率がなんと50%近くもアップするという驚きの結果になりました。
オープニングの手品のトリック
実は、最初に見せた6枚のカードと、次に見せた5枚のカードには、共通するカードは1枚もありません。つまり、最初の6枚の中でどのカードを選んでも、次に見せた5枚の中には決して存在しないのです。
「1枚だけ集中して覚えなさい」と言われた段階で、私たちの脳はその1枚だけに意識を集中してしまい、それ以外にどんなカードがあったか、意識に上らなくなってしまったのです。
「お見事!集中力を手中に」
2つの集中力大実験
驚異の集中力を発揮する暗算チャンピオンに協力してもらい、計算に集中する脳の活動を実験で調べてみました。いざ計算を始めると、やおら大音響とともにサンバ・ダンサーズが乱入するという仕掛けです。ところが、こんな環境にも関わらずチャンピオンは見事な集中力を発揮しました。そして、その脳の中では驚くべき事が起きていたのです。
今度は、マジック界の大御所コンビに協力してもらって別の実験です。NHK内にしつらえた喫茶コーナーに、打合せと称して招いたお客さんの目の前で、手品をしてもらいました。すると、集中しようと思っているわけでもないのに、気づくとお客さんは手品に意識が釘付けになりました。近くにサルの人形を置かれたり、小野アナウンサーのお面をつけたウェイトレスが通っても、まるで気づかないほど集中しています。
集中力は簡単に生まれる。しかし…
このように、人は簡単に集中してしまうことがわかりました。実は、計算に集中していた暗算チャンピオンも、目の前の手品に集中させられてしまったお客さんも、脳の中では同じ「集中状態」が起きていたのです。
ということは、集中する脳の仕組みを知れば、鍛錬や積み重ねなどなくても、誰でも集中できるはずです。しかし、暗算チャンピオンのように集中できないのはなぜでしょうか? それは、“集中力のお邪魔虫”が、私たちの集中力を途切れさせてしまうからなのです。では、“集中力のお邪魔虫”とは何でしょうか?
「発見!これが集中力のお邪魔虫」
30~40代の4人の男女に、日頃の集中力を試す「集中力グルグルゲーム」に挑戦してもらいました。小さなピンポン玉をひしゃくに乗せ、渦巻き状の細い溝に沿って、落とさないようにゴールまで運ぶゲームです。しかも会場にはラジオ番組の音を流し、その音に気を散らさずにどれだけ集中できるかを競ってもらいます。
ここで登場したのが「お邪魔ボタン」。このボタンを押すと、押された人だけが、たちまち集中力が切れてしまいました。
実は会場に流れていたラジオ番組は、すぐ横に隠されていたブースから流されていたニセモノでした。お邪魔ボタンを押すと、ラジオのDJが参加者の名前や個人情報を話し始めたり、娘さんが番組に登場したりして、それに反応した参加者だけがたちまち集中力を途切れさせてしまったのです。
“集中力のお邪魔虫”の正体は「自分に関係のある情報」
自分に関係(または興味や関心)のある話、知っている人の声などを耳にすると、集中していても脳が自動的に反応してしまい、集中力が途切れてしまいます。こうした耳から入ってくる「お邪魔虫」=「気になる雑音」は、排除するのが難しいものです。
しかし、サンバの騒音の中でも集中できた暗算チャンピオンの脳活動に、お邪魔虫を排除するヒントがありました。
集中するほど、脳は働かなくなる
暗算チャンピオンの脳活動を見ると、最初サンバによって集中力を乱されていた状態と、その後の、いつもの集中力を発揮できた状態では、脳活動が異なっていることが分かりました。
- サンバで気が散っている時は、脳の広い部分が活発に活動していました。
- 計算に高い集中力を発揮している時は、脳のごく一部以外は、活動が低下している状態でした。
つまり、集中すればするほど、脳は働かなくなっていたのです!
集中するほど働かなくなる脳の仕組み
脳はその場所によって、計算、記憶、見る、聞く、運動など、担う機能が異なります。
何かに頑張って取り組みたい時、人は頑張って脳のパワーを高めようとします。しかし、集中できていない状態では、そのパワーがさまざまな機能に分散してしまい、集中したい機能に注がれるパワーがあまり上がりません。
逆に、頑張って脳全体のパワーを上げるのではなく、集中したい機能以外に使われるパワーを消していくと、その分のパワーが特定の機能に注がれ、たとえば“計算だけに集中する状態”が生まれるのです。
「頑張って脳のパワーを上げようとしても、集中できない…」
→ 不要なことに脳を働かせないことによって、自然に脳が集中状態になる!
では、どうすれば「気になる雑音に脳を働かせない」ようにできるのでしょうか? 鍛錬や積み重ねがなくても、“2つのポイント”でそれが可能になるのです!
「集中力大幅アップの秘策とは?」
あるゴム成形メーカーの工場を訪ねました。生産されるたくさんのゴム製品を毎日厳しく検査しているのが、品質保証部の女性職員たちです。小さな傷も見落とせない、高い集中力が求められる仕事です。
ここでの悩みの種は、職場内の雑音。ある製品の検査目標は1時間に800個ですが、集中力が途切れてなかなか目標を達成できません。
ところがガッテン流の集中術を伝授すると、雑音がまるで気にならなくなり、作業の能率が大幅にアップしました。
音をもって音を制する
協力していただいた2人の女性職員には“ある音”をイヤホンで聞きながら作業してもらったのです。その音とは、聞いても脳が働かない、自然の音でした。
自然の音のように、一定で変化のあまりない「環境音」は、聞いていても脳が働きにくいのです。そこで、環境音を聞くことで、その他の気になる雑音を覆い隠してしまえば、余計な雑音に脳が働かなくなり、自然に集中状態になりやすいのです。
こうした“音をもって音を制する”技術は、すでに実用化もされています。たとえば、都内のあるオフィスでは、フロア全体に“気になる雑音をかき消す音”を流す装置を取り付けています。天井裏にあるスピーカーから、ゴーッというノイズ音が流れているのです。この音によって、離れたところで行われている打合せの話し声がかき消されて内容が聞き取れなくなるため、気にならなくなるという仕組みです。
「紙とペンだけで集中力が持続する!?」
人の集中力は、疲れや慣れなどでも途切れてしまいます。それを防いで、集中力の持続をグーンと高める、“もうひとつの方法”があります。
先ほどのゴム成形メーカー工場で働く女性職員たちは、自然の音を聞きながら作業することで、職場内の雑音はまるで気にならなくなりました。しかし、長時間作業していると、やはり集中力は途切れやすくなるものです。
そこで登場した秘密兵器は、なんと「紙とペン」。自分で“あること”を紙に書くだけで、集中力がグーンと持続するのです。
実際に、検査の間に集中力が途切れそうになるたびに、“あること”を書いた紙を見てもらったところ、1時間で目標の800個をはるかに上回る個数を検査し、なんと先ほどの1.5倍の成果になりました。
2人の女性職員の集中力を驚くほどアップさせた紙の内容は、こういうものでした。
- 「10分間に130個以上検査する」
⇒ 1時間800個の目標を、小刻みな目標に書き換える - 「クリアできたら定時に帰れる」「クリアできたら旅行に連れて行ってもらえる」
⇒ 自分のやる気を高める言葉「集中ワード」を書く
しかも、ワープロで印刷するより、手書きのほうが効果的です。ある目標をワープロで印刷した紙を見た場合と、同じ目標と集中ワードを自分で書いた紙を見た場合で、脳の反応の違いを調べたところ、自分で書いた紙を見たほうが、脳が反応しやすいという結果になりました。
このような脳の反応は「自分で決めた目標を実行しようとする、強い意識の現れ」と考えられます。
専門家の解説
「脳を余計なことに働かせない」「小刻みな目標と集中ワードによって、脳を活性化する」。これらがいわば“車の両輪”として働くことで、高い集中力が発揮・維持されます。
前頭前野は脳の前頭葉の一部で、計画を立てたり、それを計画通りに実行するよう、脳の各部署に指令を出す役割を担っています。立てる目標は、達成度を確認しやすい「小刻みな目標」であるほど、前頭前野は活性化されやすくなります。
「集中ワード」には、こんな言葉
次のような集中ワードが、脳の集中スイッチをオンにする役割を果たします。
- 自分への「ごほうび」
例:「達成したらおいしいものを食べに行く」 - 自分への「はげまし」
例:「がんばれ!」「絶対合格!」
その他の集中力をアップするポイント
- 集中する前は…
- 自分が興味や関心のあるものは、身近に置かない
- 好きな音楽を聞いたり、深呼吸をするなど、リラックスして「集中エネルギー」を高める
- 集中ワードを口にしたり、あるいは自分が集中できた時の直前にやっていたこと(コーヒーを飲む、入浴する、など)をするなど、「集中儀式」によって、脳の集中スイッチをオンに!
- 集中している間は…
- 休憩を定期的に入れて、消費された「集中エネルギー」を再び補充する
今回のまとめ「ガッテン流集中力アップ術」
- 「環境音」で気が散る雑音を消す
- 「小刻みな目標」と「集中ワード」で脳を活性化

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