ふるカフェ系 ハルさんの休日

古民家や古建築のカフェを紹介するブログです。

本放送:毎週水曜 午後11時00分~ NHK Eテレ

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にて放送中。ドラマも合わせてお楽しみください!

神奈川県

2017年08月23日 (水)

神奈川・茅ヶ崎のふるカフェ

 

ここは、神奈川県茅ヶ崎市。降り立ったのは、香川駅。

そばに海はないが、たくさんの畑がある。

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目の前に水着ギャルはいないが、

羽根付きの自転車に乗ったおじさんはいる。

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今回、僕が目指す、太陽のようなカフェは、この石畳の先にある。

 

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爽やかな香りがする、さわら材を使った外観。だけど、どう見ても新しい。

ここ、本当に古民家カフェ?

cafe_chigasaki004.jpgすごい!

広々とした空間に、たくさんの柱と梁(はり)が網の目のように組み合わさっている。

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これは、「相欠(あいが)き継ぎ」だ!

しかも梁が3段も組まれているじゃないか!

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2階席は1回以上に広々とした落ち着いた空間が広がっていた。

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なんと、梁が目線と同じ高さにある。

しかも、曲木(まがりぎ)ではないか!

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この建物は青森にあった築200年の元農家さんの古民家を移築したものだった。

「ここは老舗の蔵元で、昔からあった建物や移築した古民家などを使って、

今はいろいろなお店をやっています」とホールチーフの水島さん。

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(ホールチーフの水島 功さん)

 

この店の歴史が詰まったカレーと、地元の有機野菜を使ったサラダセット。

cafe_chigasaki010.jpg サラダに入っていた生のオクラは、

歯ごたえも粘りっ気もあって、おいしー!

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このカレー、スパイスの中に独特の苦味があっておいしいのは、

廃業寸前になった造り酒屋を救った地ビールが入っているからだ。

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地元が誇る創業145年の造り酒屋を守るために

6代目を継いだ熊澤さんは、

地元・茅ヶ崎が誇れる地ビールを開発したのだった。

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(6代目蔵元の熊澤茂吉さん)

 

熊澤さんは、地ビール開発後、歴史ある酒蔵と地元を結びつけようと

飲食店を作ることを計画。

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茅ヶ崎は自分がやりたいことを表現すると、

いろいろな人たちが協力してくれるそうだ。

「太陽のように光を放つと、そこからいろいろなものがつながっていく。

まさにこのカフェが、そうだよね」と常連客の谷さん。

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(自転車製作職人の谷 信雪さん)

 

あれ、この顔は?と思った人は、

さすがです!羽根付きの自転車に乗っていたおじさんです。

谷さんは茅ヶ崎でオリジナル自転車を作っている職人さん。

 

太陽のように光を放つ人たちは、まだいた。

ギタリストの露木さんと、ボサノバ歌手のMIDORiさんだ。

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(ギタリストの露木達也さん・ボサノバ歌手のMIDORiさん)

 

MIDORiさんは、昨年45歳でデビューしたとき、

このカフェで初ライブをやったそうだ。

 

ここ茅ヶ崎には、昔から個性を尊重する文化や土壌があった。

それが、茅ヶ崎の人たちのチャレンジ精神を育ててきたのだろう。

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やっぱ茅ヶ崎、かっちょいー!

 

 

 

 

2017年05月24日 (水)

神奈川・箱根のふるカフェ

やって来たのは、箱根の宮ノ下。まっ青な空が広がり天気も最高だ!

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江戸時代、4つの湯治場(とうじば)があった宮ノ下は、箱根の中心地だった。

 

歩いていると、いろいろなところにひょうたんが・・・???

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明治時代からは、海外セレブも泊まる高級温泉リゾートとして人気だったそうだ。

 

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(箱根でも随一の老舗ホテル)

 

で、今回目指すのは、元老舗旅館と関わりが深いカフェなのだ!

 そのカフェは、長い、長い坂の途中にあった。

 

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でも、トタンって!どういうこと?

 

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だけど店内は、老舗旅館っぽい雰囲気。古い材木の味わいがたっぷりの空間だ。

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さっそく緑茶と最中を注文したら、ここにもひょうたんが!

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その謎を解き明かしてくれたのは、オーナーの妻である安藤恵美さん。

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豊臣秀吉が小田原攻めしたとき、傷ついた兵士を宮ノ下の温泉で療養させたらしい。

以来、秀吉のひょうたんの馬印のマークは、この街のシンボルとなったそうだ。

 

さて、次はカフェと老舗旅館の関わりを解明せねば。

店内には旅館をイメージさせる建具や調度品があることには、あるが・・・。

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 わからん!そんなときは素直に聞くに限る。

ということでオーナーの安藤義和さんに伺ってみた。

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江戸時代から代々続く温泉旅館だったが、

安藤さんの祖母がお亡くなりになったときに閉館。

そしてこの場所は、その旅館が板金屋さんに貸していた場所だった。

それを安藤さんが手を入れてカフェとしてオープンさせたそうだ。

 

そして昔、旅館の従業員寮だった建物も今、改装中だった。

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(芹澤毅さん(左) 大山哲生さん(右))

 

「建物は、そのオーナーの心意気や思い出そのものなので、

それをもう一度よみがえらせたい」と大工の芹澤さん。

「次の世代の人たちに自分たちの仕事は必要とされているのだ

ということを伝えていきたい」と材木店の大山さん。

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 心意気と心意気がふれあうと、新しいものが生まれるんだな。

 

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 このお土産屋さんは、かつてお寿司屋さんだったそうだ。

小田原、箱根は、小田原漆器や寄木細工などの木工が盛んな地。

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小田原漆器の職人さん、鈴木友子さんにその作品を見せてもらった。

 

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透明な漆(うるし)を使うことで、木目の自然な美しさが出ていて、かっこいい!

 

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最後に、義和さんのお父さん、安藤紀之さんにもお目にかかることができた。

「300年続いた旅館にピリオドを打ったのは残念でしたが、

残された資産を時代に応じて生かしてくれているので、

私としては賛成ですね」と紀之さん。

 

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 旅館からカフェに形は変わっても、おもてなしの心は、

いつも人をあったかくしてくれる。

うん、なんだか僕も元気をもらったぞ!

 

 

 

 東京から電車で30分。ここは、神奈川県大和市の中心地、中央林間

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で、今回向かったのは、築50年のアメリカ人向けに作られた一軒家カフェ!

お目当てのカフェに向かう途中には、

「ランチハウス様式」と簡素なたたずまいに素朴な色合いの

米軍ハウスが目に飛び込んできた。

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で、目的のカフェ・・・あれ?外観は、思いっきりジャパンではないか!


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でも店内は、奥まで真っ白のホワイトハウス。


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きっとここは、かつてのリビング。うん、間取りもアメリカっぽい。

しかも、店に置かれた、古い小物や家具がいい味を出している。

 

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まさに、古き良きアメリカって感じだ!

キッチンには、アメリカ料理には欠かせない、立派なガスオーブンが鎮座。


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オーダーしたのは、アメリカ伝統の家庭料理、ミートローフ。

かわいらしい盛り付けは、もはやメルヘン!


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オーブンで焼いた肉のうまみが、口の中でジュワーと広がって、もう最高!

ところで、この建物。
トイレとお風呂が一緒だったり、アメリカの住宅らしさが
随所にあるけど、米軍ハウスとしては狭い気がする。それは、なぜか?

cafe_rinnkann_011.jpg(床のタイルがレトロでしょ)

 

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(奥の小部屋は、もともとクローゼットだったのだ)

もともとは米軍の人たちのために建てられたけど、
その後には日本人も使うと考えた大家さんが
アメリカ的であり、日本的でもある建物にしたのではないか?

と、僕に教えてくださったのは、神奈川大学教授の内田青蔵さん。


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先生、ご教授ありがとうございました!

 

1967年に建てられたこの米軍ハウスは

2010年に空き家になり、取り壊しの危機を迎えたそうだ。そのとき、


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(右:眞鍋三保さん 左:畠山有香さん)

眞鍋さんは友人の三ツ本さん、畠山さん、

そして長岡さんらの助けを借りて、カフェとして再生することを決意。

cafe_rinnkann_015.jpg(三ツ本ひとみさん)

 

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(長岡進さん)

 

資金も少なかったので、地域のペンキ屋さんや大工さんに
手伝ってもらいながら、ほとんど自分たちの手で半年間かけて改修したそうだ。

日米の文化がこの地で出会い、和洋折衷の米軍ハウスが生まれた。
それを見ながら育ってきた地元の人たちの歴史や憧れが
いっぱい詰まった、ふるカフェでした。


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シーユーレイター!アイルビーバック!

 

 

 

横浜駅から電車で20分の郊外の街、緑区中山。ここに築60年、庭付き一戸建てのカフェがある。

屋根は青の光沢が美しく、昭和30年代の民家でよく使われていた青緑瓦。内部には天井板を剥がして空間の広がりを見せている。棚の板を剥がして窓から光が入る工夫も。

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ここ中山は、かつては徳川家の旗本に年貢を納める大農村地帯。昭和に入っても横浜におろす農産物の供給地だった。今でも緑区は面積の10%が経営農作地で、春はキャベツ・冬は大根の生産が盛んだ。自家菜園をする人も多く、このカフェの野菜も全てシェフが育てた有機野菜。というわけで地元で撮れた野菜を生かした水キムチを堪能!

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なぜ戸建ての一軒家が空き家になっていたのか? そもそも中山周辺に一軒家が多く建てられたのは、高度経済成長期に起こったマイホームブームのため。都心や横浜へのアクセスがよく自然も多いため人気の街だったが、1990年代からマンション志向が高まり、一戸建てに空き家目立ち始めた。
だがここ最近、中古物件が見直されるようになって移住者が再び増えるようになり、店主たちは空き家だったここを中山や古民家の魅力の発信基地にしようとカフェとしてオープンしたのだった。

2016年12月21日 (水)

神奈川・小田原のふるカフェ

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 舞台は「神奈川・小田原」。新幹線こだまで東京から35分。通勤圏としても人気の城下町、小田原に「80年前の商家のカフェ」があると聞き、訪れたハル。到着したカフェは、元は昭和初期の建具屋だったという、生活感あふれる建物。それが現代的な形で絶妙なおしゃれ感覚をかもすカフェになっていた。

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レトロ気分あふれるカフェの売りは、小田原産の玄米を使ったランチ。食事を堪能し店長と会話していくうち浮かび上がってきたのはこのカフェが「小田原で数少ない貴重な古民家」という事実だった。歴史ある小田原の街だが、実は関東大震災と太平洋戦争中の空襲により市街は壊滅。現在の町のほとんどは戦後生まれたものだった。そんな中でも生き延びていた80年前の貴重な建物が朽ち果てようとしていた時、隣町出身で設計士である現在のオーナーが再建を決意。地元の廃材などを使いながら復元させたのだった。