ふるカフェ系 ハルさんの休日

古民家や古建築のカフェを紹介するブログです。

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2017年06月28日 (水)

千葉・野田のふるカフェ

千葉県野田市関宿地区へ。

ここに「こんもりしたカフェ」があると聞き訪れた。

目指すカフェに着いてみたら、小高い丘の上に棟の蔵がそびえていた。

gaikan_noda1.png

これは珍しいと思っていたところ、その正体は、

水害を防ぐために生まれた「水塚」というものだった。

2階からはスカイツリーの眺望も堪能!

さらに、特産品の枝豆を生かした絶品料理に

しょうゆだけをかけて食べるぶっかけそば。

soba_noda.png

店主は、妻のためにカフェオープンを思い立ったとのこと。

そんな夫婦愛秘話にも心が温まる思いがした。

 

 

 

 

 

 

こぼれ話

関宿は、江戸川が利根川から分かれるところ。支流が合流したり枝分かれしたりして、洪水頻発地帯だった。そのような場所に建てられたのが水塚だ。水害から守るため、母屋とは別に、高く盛土した上に建てた避難小屋だ。3つの分類があって、ひとつは家族が寝起きする住居式。重要な家財道具を収納する厚い土壁をもった土蔵式。そして米や味噌を貯蔵する倉庫式。水が引くのが長くなると、ここで生活をすることになるため、中には床の間や調度品が設えられ、普段の生活が営めるようにもしてあった。1階に米や味噌を収蔵し、2階に家財道具と使い分けたりして、住居式・土蔵式・倉庫式は適宜組み合わされることがあった。関東平野では、他に荒川流域の水屋も有名だ。建物の全体的な構造は利根川流域とほとんどかわらないけど、外壁の仕上げが違う。荒川は土壁に漆喰塗がほとんどだが、利根川流域の水塚は、土壁の上に高さ2mほどの腰板を張ったり、全体を板で覆う。板張りにするのは、風の強いこの地域では、雨や風が土壁に染み入ると弱くなってしまうかららしい。
関東平野の水塚に対して、規模の大きいものは濃尾平野を流れる木曽川、長良川、揖斐川流域の輪中地域。水害から集落を守るために、周囲をぐるっと堤防で囲った集落だ。このあたりでは水塚は「水屋」と呼ばれる。尾張藩が名古屋城築城にあわせて、木曽三川の東側に50kmにわたる巨大な連続堤を建設した。明治以降の治水工事によって洪水は激減し、水屋は水防建築としては使われなくなったが、物置として使われている。荒川・利根川流域では、母屋の奥に盛土して立っていることが多いけど、木曽三川地域では、屋敷全体を高く盛土して、さらにその周囲を丸石を積み上げて石垣を構える。これを「ごんぼ積み」という。さらにそこから水屋を1m以上嵩上げして作る。
石垣は積むのもたいへんだが、それだけに土地の人々もたやすく壊そうとはしない。大きな洪水がおこるたびに石垣は高く高くなっていった。仰ぎ見るように反り返り石垣と、さらに高いところにそびえる水屋が、独特の景観を形成している。
近くに行くことがあれば、今回のカフェと比較してみてね。

参考文献:渡邉裕之・畔柳昭雄・河合孝・高橋裕『水屋・水塚 水防の知恵と住まい』LIXIL出版