ふるカフェ系 ハルさんの休日

古民家や古建築のカフェを紹介するブログです。

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2017年05月17日 (水)

東京・木場のふるカフェ

今回は、僕のファンである女性店主の方からメッセージをいただき、

東京都江東区木場にやって来ました!

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 木場は江戸時代につくられた運河の町で、材木で栄えた町。

 

ところで、これ、何だか分かりますか?

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(川は埋め立てられて公園になっていた)  

 

正解は、公園の門、じゃなくて、昔の水門。

と、教えてくれたのは、偶然の再会を果たした高山英男さん。

僕のブログのファンなら、覚えていますよね。

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 そう、中野のふるカフェで出会った・・・『感じてみてください』の人です(笑)。

川沿いにたたずむ、いかにも木場っぽいふるカフェ、発見!

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いい感じの木の外壁。カフェの中がどうなっているか、期待感マックス!

 

扉を開けると、香ばしいパンの香りが・・・。

 

 

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店内には木工品や木のオブジェがいたるところに置いてあり、あったかい雰囲気。

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こちらが、僕にメッセージをくださった店主の高橋幸子(ゆきこ)さん。

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正確には、僕のファンではなく、僕のブログのファンでした(笑)。

 

着物姿の常連さんが、しょうが湯を飲んでいたので、

郷に入れば郷に従えということで、僕もしょうが湯を。

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(スパイシーな味がクセになる)

 

店の常連さんであり、地元の材木問屋の旦那衆のみなさんが、

この建物のことを教えてくれました。

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(左から田中さん・柴崎さん・天野さん・鷲田さん)

 

ここは元々、林場(りんば)と呼ばれる材木置き場だったそうだ。

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(この格子のようなものは材木が痛まないように風通しをよくしたもの)

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 (壁の下のコンクリートは昔の川の護岸)

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(2階は住み込みで働いていた若い衆が使っていた)

 

幸子さんがこのカフェをオープンさせたのは2015年。

長年勤めていたパン屋さんを辞めて次の仕事を探していたとき、

たまたま空き家になっていたこの建物と出会ったそうだ。

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多くのビルが建つ中、この建物は昔ながらの木場を今に伝えている。

 

こちらは、材木屋さん3代目社長の馬田勝之さん。

木の良さをもっと子どもたちに知ってもらいたいと、木工体験などをやられている。

店内にある木のおもちゃも馬田さんのところで作ったものだ。

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昔の風景はなくなっても、他人のことを気にかける

おせっかいなところは昔のままだそうだ。

木の温かみを感じられる人たちの思いは、いつまでも変わらない。

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こぼれ話

木場近辺には仙台堀川・小名木川・竪川・大横川といった運河が縦横に走っている。そのうち、木場公園の西側にあって、かつて仙台堀川の支流だったのが福富川。今は埋め立てられて、細長い福富川公園になっている。で、僕がびっくりしたのが公園南側入口の門。1967年竣工の「旧吉岡水門」だ。「銀製ローラーゲート構造」といって、水門扉の両側にローラーが取り付けられた引き上げ式のゲートだった。
今では扉は取り除かれしまっているけど、水門の上の黄色い装置がかつての駆動部分で、ここでワイヤを巻き取って門を引き上げた痕跡はうかがえる。でも、あれでも実は水門としては小規模なもの。江東には多くの「閘門」が建設されていた。これは門をはさんで両側の水位を調節するためのもので、水位を同じに調節して、船が進めるようにしていた。小名木川閘門・小松川閘門といった、全長90mを越える巨大なものあったけど、舟運の衰退で今は埋もれてしまっている。ただ、小名木川を隅田川の方へ進むと、荒川、隅田川と江東内部の河川の水位差をコントロールしている扇橋閘門というのが今でも稼働している。「東京のパナマ運河」なんて呼ばれていて、これはちょっと見もの。水の都・東京の痕跡、機会があれば確かめてみてね。

参考文献
陣内秀信+法政大学陣内研究室編『水の都市 江戸・東京』講談社、2013
久保田稔他編著『運河と閘門 水の道を支えたテクノロジー』相模書房、2011