ふるカフェ系 ハルさんの休日

古民家や古建築のカフェを紹介するブログです。

本放送:毎週水曜 午後11時00分~ NHK Eテレ

再放送:毎週日曜 午後6時30分~ NHK Eテレ

にて放送中。ドラマも合わせてお楽しみください!

2017年9月

今回訪れたのは、東京都大田区池上

池上といえば、本門寺。まずはお参り、お参り!

cafe_ikegami_001.jpg

 

ここが築84年、現代の寺子屋のようなカフェ。

この存在感と美しさに、僕は今、感動しちゃっています!

 

cafe_ikegami_002.jpg

しかもこの屋根、弓状に少し沈んでからグッと上がっている照り屋根だ!

cafe_ikegami_003.jpg

(照り屋根は、神社やお寺などのよく使われている)

 

カフェに入ると、そこにはノスタルジックな空間が広がっていた。

cafe_ikegami_004.jpg

奥には、ガラス戸から光が差し込む気持ちいいスペースになっていた。

cafe_ikegami_005.jpg

この建物はかつて、本門寺から屋号をもらった、

参拝客や近隣の人々に愛されていたおそば屋さんだった。

cafe_ikegami_006.jpg

(おそば屋さんだったころのメニュー)

 

2階にはガラス窓に囲まれた広々とした座敷が広がっていた。

cafe_ikegami_007.jpg

背が低かった昔の人があぐらをかくと、

ちょうど本門寺が目線の先に見えるように設計されているそうだ。

cafe_ikegami_008.jpg

(障子の組子は、本門寺の上にかかる雲のイメージだ)

 

まだまだ探索は足りないけど、まずはそぼろ丼で腹ごしらえ。

肉の旨味と深みのある味付けは、

どことなく家庭的な味で、泣きたくなるくらいうまい!

cafe_ikegami_009.jpg

 

どういうわけか、子どもたちがカフェに次々にやって来て、

2階へと上がって行く。

今どきの子どもたちは、学校帰りにカフェに寄るのか?

cafe_ikegami_010.jpg

この疑問は、古民家マニアの僕には解決できそうにないので、

店長でオーナーで社長の輪島さんに聞いてみた。

cafe_ikegami_011.jpg

 

2階は通称、寺子屋。子どもたちの自習室になっているそうだ。

 店長の輪島さんは、おそば屋さんが閉店したあと、

この建物を残したいと町の人たちと相談して、

2015年にカフェをオープンした。

そして地域の子どもたちのために2階を自習室として解放したそうだ。

cafe_ikegami_012.jpg

(店長の輪島基史さん)

 

こちらは、先代のおそば屋さんの店主の真野さんと娘のみさ江さんだ。

cafe_ikegami_013.jpg

(前そば店店主の真野保和さんと娘のみさ江さん)

 

みさ江さんの話によると、この建物の一番最初の店主は、

1階でそば屋、2階で旅籠(はたご)を営んでいたそうだ。

 この建物を残してくれた町の人々に僕は心から感謝したい。

そして忘れてはいけないのが、この建物を残そうと

最初に人々に呼びかけた、中島さんだ。

 

cafe_ikegami_014.jpg

(茶道の先生をやられている中島恭名さん)

 

中島さんは、戦中の空襲でも焼けないで残ったこの建物を

戦争反対の思いとともに、子どもたちに残したいと思ったそうだ。

 

夕方6時になると、ゴーン、ゴーンと本門寺の鐘の音が聞こえてきた。

cafe_ikegami_015.jpg

町の歴史、建物の歴史。それを受け継いできたのは人であり、

これから受け継ぐのもまた人だ。

cafe_ikegami_016.jpg

 これまで僕は、たくさんの古民家を訪れた。

そして、そこではいつも魅力的な人たちが出迎えてくれた。

ふるカフェを訪ねるということは、

あたたかい人とふれ合うということなのかもしれない。

なーんてね。

 

 

 

 

 

2017年09月20日 (水)

山梨・富士吉田のふるカフェ

 

降り立ったのは、富士山駅。ここは、山梨県富士吉田

cafe_fujiyoshida_001.jpg

 

でっかい鳥居の向こうには、日本一の山、富士山だ!

 

cafe_fujiyoshida_002.jpg

目指すカフェは、この提灯(ちょうちん)の奥、細くて長〜い道の先にある。

 

cafe_fujiyoshida_003.jpg

 

玄関が2つあるが、カフェの入り口は左側なので、くれぐれもお間違いなく。

 

cafe_fujiyoshida_004.jpg

 

ここがカフェ?って感じだけど、ここはまだカフェスペースの入り口なんだ。

 

cafe_fujiyoshida_005.jpg

神棚の右側には富士山が祀られていた。

これって、富士山が神様ってこと?

cafe_fujiyoshida_006.jpg

 

カフェスペースは、入り口のザ・日本家屋という感じから一転、

モダンな山小屋のような雰囲気だ。

cafe_fujiyoshida_007.jpg

 

職人の高度な技術が必要とされる麻の葉の組子。

作者は木工職人でもあるこのカフェのご主人だった。スッゲー!

cafe_fujiyoshida_008.jpg

 

カフェスペースの奥には、古民家好きにはたまらない部屋があった。

そして、そこには・・・・

cafe_fujiyoshida_009.jpg

 

まさに芸術品と言うべき組子があった。

この家の家紋をモチーフにしたものだ。

cafe_fujiyoshida_010.jpg

 

ここは、450年前から続く御師(おし)一族の家だ。

御師とは、江戸時代、富士山登山する人の寝食(しんしょく)を世話したり、

安全を祈願する神職のこと。

と、教えてくれたのは博物館の学芸員をやられている布施さんだ。

cafe_fujiyoshida_011.jpg

(学芸員の布施光敏さん)

 

僕がオーダーしたのはデザートの盛り合わせ。

このカフェには外国人観光客も多く訪れ、

その中には小麦粉を摂らない人もいるので、デザートは米粉で作っているそうだ。

cafe_fujiyoshida_012.jpg

 ご主人の大鴈丸(おおがんまる)さんは、この家の十八代目当主だが、

御師は曽祖父の時代に廃業。そして、2016年9月にゲストハウスを兼ねた

カフェとしてオープンさせたそうだ。

cafe_fujiyoshida_013.jpg

(店主の大鴈丸(おおがんまる)一志さんと妻の奈津子さん)

 

富士吉田には、富士山以外にも誇るものがある。

吉田のうどんだ!

高校でうどん部に所属し、吉田のうどんの魅力を

全国に発信している中野くんと渡邉さん。

cafe_fujiyoshida_014.jpg

(ひばりが丘高校うどん部部長の中野李希矢さん、渡邉えりさん)

 

うどん部があること自体がすごいが、そこで開発した新作うどんを

常連客の渡邉(一史)さんも交えて試食させてもらった。

太い麺と、しょう油と味噌を合わせたダシが、うまい!

cafe_fujiyoshida_015.jpg

ちなみに、吉田うどんではない!吉田“の”うどん、だ。ここ、重要です(笑)。

 

「今度は、うちに宿泊して富士山登山にチャレンジしてみてください」と大鴈丸さん。

あたたかな富士吉田の人たちとふれ合って、

いつか僕もチャレンジしてみたいと思った。

cafe_fujiyoshida_016.jpg

富士山のてっぺん、待ってろよー!

cafe_fujiyoshida_017.jpg

 

 

 

 

 

2017年09月13日 (水)

長野・上田のふるカフェ

東京から北陸新幹線で1時間20分。

長野県上田市にやって来ました。

上田と言えば、真田。真田と言えば、真田ハル!

じゃなくて、大河ドラマの『真田丸』。


ueda01.jpg

そして、同じ真田を名乗る者として、上田城は外せない!

ueda02.jpg

真田の地で僕が訪れるのは「うだつが上がらないカフェ」だ。

ueda03.jpg

ちなみに「うだつ」とは、江戸時代中期に富を象徴する飾りとして

流行した防火壁のこと。これが「うだつが上がらない」の語源なのだ。

ueda04.jpg

やって来たカフェとお隣の造り酒屋には「うだつ」が上がっていない。なぜだ?

ueda05.jpg

(「うだつ」はないが、なぜか煙突があった)

 

店内に入ると、焼きたてのパンの香りが・・・

あれ?どう見てもパン屋さん!

ueda06.jpg

と思ったら、カフェはパン屋さんの奥と2階にあった。

ueda07.jpg

 

隠れ家風のいい感じのカフェじゃないか。

古民家マニアにはたまらない雰囲気だ。

 

ueda08.jpg 趣のある中庭。そこは、お隣の造り酒屋の蔵とつながっていた。

そしてこのカフェスペースもかつての蔵だった。

ueda09.jpg

2階は畳敷きの屋根裏風カフェだった。

ueda10.jpg

古い梁(はり)が残っていたり、色も材質もバラバラな梁がつなぎ合わされている。

ueda11.jpg

(建築士の荻野道明さん)

 

このカフェを設計した荻野さんによると、

この建物はお隣の造り酒屋さん専属の大工さんが住んでいたところ。

廃材を組んだのは、もろみ仕込みの樽を作る大工さんだったそうだ。

ueda12.jpg

(店主の甲田幹夫さん)

 

店主の甲田さんが、蔵のひとつと大工さんの家だったスペースを借りたのが13年前。

そして、荻野さんが古い柱や梁をそのまま生かして

現在の形にリノベーションしたのだ。

 

かつて小学校の教師だった甲田さんがパンづくりをはじめたのは33歳のころ。

甲田さんの酵母のパンづくりに欠かせないのが

「保命水」と呼ばれる地元柳町の天然水だ。

ueda13.jpg

で、いただいたのが、

甲田さんが作ったカンパーニュというフランスの田舎パンと、ミネストローネ。

ueda14.jpg

かめばかむほどしっかりパンの味がする酵母パンを、

オリーブオイルやミネストローネに漬けて食べると、もう最高!

 

だが、浮かれている場合ではない!どうしても知りたい謎が残っている。

どうして、こことお隣の造り酒屋さんには「うだつ」がないのか?

 

その答えを教えてくれたのは、

ueda15.jpg

(創業350年を誇る造り酒屋の杜氏、岡崎美都里さん)

 

このあたりの建物は、

江戸末期に上田が養蚕(ようさん)で栄えたころの建物で、

「うだつ」を上げる家が多かったが、

美都里さんのところは江戸初期から造り酒屋をしていたので

周りとは建物の様式が違うのだ。

だから、「うだつ」が上がっていない!ってことらしい。

 

帰りに僕は、パンを買った。しかも、元チャンピオンから買った。

ueda16.jpg

(店員の堀田智子さんは、岐阜県の元柔道チャンピオンだ)

 

このカフェには、自分の手で夢をつかんだ店主がいた。

そしてそこに、夢を追いかける若者たちが集まっていた。

ueda17.jpg

煙突からの煙は、たくさんの夢をのせて上田の大空へ立ちのぼっていた。

 

 

 

2017年09月06日 (水)

山梨・甲州のふるカフェ

 

今回はぶどう、そしてワインで知られる山梨県甲州市へ。

かつて甲州街道の宿場町、駒飼宿だったところにある、築300年の古民家カフェへ。

yamanasi001.png

訪ねてみると、昔は「はたご」として利用されていた古民家で、

見事なはりに長い時間をかけて付いたススなど、

古民家好きのハルさんはメロメロに。

さらに、お酒に弱いハルさん、せっかくならと飲んでみたワインにもメロメロ。


聞けばこのカフェは、東京でカレー店を営んでいた夫婦が移り住んできたとき、

手作業で夫婦が一年がかりで改修した建物だった。

yamanasi002.png

近年、地元が世界に誇るぶどうを生産する農家は減ってきたが、

この地の魅力にひかれて移り住む人も少なくない。

このカフェでも、フランスから来た旅行者が、仕事をすることで宿と食事を得ている。

地元の人々の優しさにふれ、とても気に入ったという。

そんな地元の歴史と現状にふれながら、ハルさんは地元でしか味わえないという、

ぶどうの新芽をいただくことに。

yamanasi003.png

芽欠きといって、生育の途中で芽の数を絞る際にとれるぶどうの新芽に、

三たびメロメロに。