ふるカフェ系 ハルさんの休日

古民家や古建築のカフェを紹介するブログです。

本放送:毎週水曜 午後11時00分~ NHK Eテレ

再放送:毎週日曜 午後6時30分~ NHK Eテレ

にて放送中。ドラマも合わせてお楽しみください!

2017年06月28日 (水)

福島・会津若松のふるカフェ

あれに見えるは天下の名城、鶴ヶ城!そう、ここは福島県会津若松

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今回は、会津らしさが詰め込まれたカフェに、いざ参る!

 

でもその前に、せっかく会津まで来たのだから、鶴ヶ城は必見ですよね。

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そして鶴ヶ城といえば、この赤瓦(あかがわら)!

鉄分が入った釉薬(ゆうやく)がかけられた瓦は、水が染み込まず、

凍っても割れないのだ。

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古い建物にカフェのマークを発見!

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この建物の屋根、鶴ヶ城と同じ赤瓦。しかも片方にだけ傾いている片流れだ。

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でも、奥の建物は山型の切妻(きりづま)屋根。うん?どういうこと・・・。

 どうしても気になったので、お邪魔しちゃいました。

まず、目に飛び込んで来たのは、華やかな模様の会津漆器。

どうやら漆器屋さんらしい。

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さらにその先には、観音開きの扉と、住まいを兼ねた座敷蔵(ざしきぐら)が!

cafe_aidu_07.jpgなるほど、お店と蔵をつないでいたから、屋根の形状が違ったのか。

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お目当のカフェは、漆器屋さんの奥にありました!

 

店内は天井が低くて、不思議と安心できる空間。

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元々ここは、250年前に建てられた漆を扱う作業蔵だったそうだ。

漆はホコリや紫外線を嫌うので、密閉された空間に小さな窓が1つだけ。

今回は謎解きをする前に、店主の満山さんがすべて教えてくれた。

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 (店主の満山順一さん)

先ほどの漆器のお店と座敷蔵、そしてこのカフェは中でつながっていて、

満山さんの家は江戸時代中期から続く老舗の漆器店なのだ。

 

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注文したのは、日替わりランチ。カツは馬肉のカツで、この日の特別メニュー!

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(満山の妻・美智子さん)

馬肉のカツは会津の郷土料理で、

戊辰戦争で傷ついた兵士の体力回復のために振る舞われたという歴史があるそうだ。

 

コーヒーは自分で豆をすりつぶす。かつて、会津藩士たちがそうしたように。

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店内には漆器がたくさん置かれていた。

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中でもこれは、江戸中期に作られたとても貴重なお椀。菊の図柄が華やかだ。

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店内に会津漆器の職人さんたちがいたので思い切って話しかけてみた。

こちらの若い女性たちは、塗師になるために修行まっ最中だそうだ。

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(左から、塗師の菊地遥香さん・青柳彩子さん・原田麻衣さん)

そして、彼女たちの親方である冨樫さんと、蒔絵師の山内さん。

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(蒔絵師の山内泰次さん(左) 塗師の冨樫孝男さん)

会津漆器はこれまでいろいろな窮地に陥ることもあったが、

逆境に立ち向かう会津魂によって、その技は今も大切に受け継がれているそうだ。

 

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これは、起き上がり小法師。転んでも、転んでも起き上がる、まさに会津魂を

表現したような郷土玩具だ(店主の満山さんに1ついただいちゃいました)。

 

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その姿をカフェに変えて、時代の流れに立ち向かいながら今も残る古い蔵や、

どんなときも伝統の技を絶やさないように後世に残そうとしている職人のみなさん。

ピンチをチャンスに変える会津魂を教えてもらった旅でした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2017年06月28日 (水)

千葉・野田のふるカフェ

千葉県野田市関宿地区へ。

ここに「こんもりしたカフェ」があると聞き訪れた。

目指すカフェに着いてみたら、小高い丘の上に棟の蔵がそびえていた。

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これは珍しいと思っていたところ、その正体は、

水害を防ぐために生まれた「水塚」というものだった。

2階からはスカイツリーの眺望も堪能!

さらに、特産品の枝豆を生かした絶品料理に

しょうゆだけをかけて食べるぶっかけそば。

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店主は、妻のためにカフェオープンを思い立ったとのこと。

そんな夫婦愛秘話にも心が温まる思いがした。

 

 

 

 

 

 

2017年06月14日 (水)

茨城・土浦のふるカフェ

いかにも城下町って感じのこの場所は、茨城県土浦でございます。

fulucafe_tsuchiura001.jpgそして向かうは、お城の敷地にたたずむ、ふるカフェ!

 

川は流れていないのに、通りに橋の欄干?ということは・・・・

fulucafe_tsuchiura002.jpg「感じてみてください」の高山さんのメールで聞いてみたら、

やっぱり暗渠(あんきょ)だった。

 

お城、キターーーーーーーーーー!

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でも、カフェが見当たらない。

探して、探して、見つけたのは、昼寝中のおじいちゃん・・・。

fulucafe_tsuchiura004.jpgと思ったら、その隣がカフェでした!

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入母屋(いりもや)造りの格式高い様式の外観だ。

fulucafe_tsuchiura006.jpgきっとここは、二間だったところを一つの大きな空間にしたんだな。

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おっ、窓からはしっかりお城が見えるではないか。

fulucafe_tsuchiura008.jpg床脇、床、書院がすべて揃った書院造りの床の間。

fulucafe_tsuchiura009.jpgしかも、床の間と縁側の仕切りに採光窓として障子や欄間を入れた平書院だ。

fulucafe_tsuchiura010.jpgさりげなく凝った作りがそこかしこにある。

でも、どうしてここが、お城の敷地なのか?

その答えは、店内にあった古地図と

fulucafe_tsuchiura011.jpgなんと!

「感じてみてください」の高山さんのお友だち、木塚さんが教えてくれた。

fulucafe_tsuchiura012.jpg木塚さんが指しているところが、この場所で、

この辺りはは多計郭(たけぐるわ)と言って、

かつてお城の武士の住居や蔵などがあった場所。

つまり、昔はお城の敷地内だったってことだ!

 

謎が解けてスッキリしたところで、お店のオススメ、

れんこんカレーを。

fulucafe_tsuchiura013.jpgれんこんのシャキシャキした歯ごたえが、なんともいいアクセント!

そしてデザートは、しょう油とお餅のワッフル。

みたらし団子のようなおいしさでした。

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先ほど縁側でお昼寝していたのは、

このカフェの常連さん、小宮威彌さん。

fulucafe_tsuchiura015.jpg土浦の隣のつくば市が、筑波学園都市として整備されたり、

つくば万博が開かれ急発展するにつれ、ここ土浦は徐々に衰退。

そこで、土浦を元気にしたいと、

2014年に店主の工藤さんがこのカフェをオープンさせた。

ちなみにこの建物は、昭和11年に建てられたものらしい。

 

土浦をもっと元気にしたい!そう思っている人は工藤さんだけではなかった。

実家が江戸時代から続く酒店という矢口祥子さんは、

fulucafe_tsuchiura016.jpg手描きの新聞を土浦の活性化のために配っている。

fulucafe_tsuchiura017.jpg自家焙煎の珈琲店を営んでいる松本正さん、由美さんご夫婦は、

fulucafe_tsuchiura018.jpg地元の飲食店や農家を集めたマルシェ(市場)を月に一度開催している。

 

土浦を愛する工藤さんのカフェには、

土浦の魅力をもっと発信したいと願う人たちが集まってくるのだ。

店も人も魅力的だなと思って横を見ると、

fulucafe_tsuchiura019.jpg寝ちゃっていました。

気持ち良さそうな小宮さんを見てたら、僕も縁側でゴロンとしたくなっちゃった。

2017年06月07日 (水)

栃木・日光のふるカフェ

世界文化遺産の街、栃木県の日光にやって来ました! 

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今日、向かうのは江戸時代に建てられた、世界遺産の中にあるふるカフェ。

これは、期待しないわけにはいかないでしょう!

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 聖地・日光の表玄関、神橋(しんきょう)。何とも品のある朱色だ。

日光に来たら、やっぱり東照宮は訪れないとね。

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これ、国宝の陽明門。最近、44年ぶりの大修復が終わったばかり。

 

回廊にあった極彩色(ごくさいしき)の鳥の彫刻。鮮やかな青が印象的だ。

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目指すカフェ、発見!でも、意外と質素な佇まい。これといって特別な感じは・・・。

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ところが、一歩店内に入ると特別感、満載だ!

 

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赤い壁は、世界最古の顔料、ベンガラではないか。

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屋根裏が丸見えの天井は圧巻だ。

この建物は一体何だったのか?

そろそろ謎解きといきますか!でも、その前に・・・。

 

パンが器になったクラムチャウダー、いただきまーす!

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ふたを開けると、中には湯波(ゆば)が入っていた。

ちなみに、京都などでは“湯葉”だけど、日光では“湯波”と書くそうだ。

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クリームスープの香りと、波打つような湯波、うーん、おいしい!

 

ムムム、かつて囲炉裏があった形跡を発見!ということは、誰かが住んでいたのか?

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その答えは、店主の若林隆幸さんが教えてくれた

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江戸時代は、すぐ隣にある神社の社務所として使われ、

明治以降は二荒山神社の歴代の神主さんが住んでいたそうだ。

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ここの最後の住人であり、かつて11年間住んでいた

二荒山神社の神主さん、斎藤芳史さんにもお会いすることができた。

斎藤さんが出ていったあと、ずっと空き家になっていたのを、

若林さんご夫婦が神社から借り受け、2016年にカフェとしてオープンさせたのだ。

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そこへ、さらなる情報を教えてくれる美女が登場。これって、運命?

(だって、二荒山神社は縁結びで人気の神社なのだ!)

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なんと、店内の赤い壁のベンガラは、神橋と同じ顔料を使っていて、

壁の青は、東照宮の彫刻と同じ青い顔料を使っているそうだ。

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 美しいだけでなく、古い建物にも詳しいなんて・・・僕と気が合うに違いない。

と思ったら、彼女(伊原実穂さん)の仕事はなんと文化財修復師だった!

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世界遺産を守り抜いている伝統の技術が今、カフェに形を変えて輝きを放っている。

そしてここは、日本や海外のお客さんと世界遺産をつなぐ、とっておきの場所なのだ。

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あとで分かったことだが、伊原さんはかわいい子供たちを持つ人妻だった・・・。

縁結びの神様、そりゃないでしょう・・・。

2017年05月31日 (水)

東京・浅草のふるカフェ

 

今回の舞台は、活気と下町人情にあふれる東京は浅草

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今では世界中から、この江戸情緒を感じに大勢の人たちがやって来る。

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目指すは、奥浅草の“ひっこみじあん”なカフェ。

“ひっこみじあん”っていうのがちょっと気になるが、

まあ、行ってみますか!

と、思ったら突然の雨。でも、ここは下町人情あふれる浅草。

親切なおばさまが傘を貸してくれた上に、道まで教えてくれた。

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あった!

うん?建物が奥まったところにあるから、“ひっこみじあん”ってことか?

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木造モルタル一軒家。飾り気のない外観も“ひっこみじあん”?

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店内の中央には渡り廊下。その両側は、かつて部屋だったはずだ。

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頭上には、昔はあった2階の床板をはがした開放的な吹き抜けが。

fulucafe_asakusa_008.jpg 思っていた雰囲気とちょっと違うぞ。お店の人は黙々と働いているし、

お客さんも自分たちの世界に閉じこもっているって感じ。

どこに行ったんだ?浅草の陽気な下町人情は!

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2階も1階と同じ造りで、真ん中に渡り廊下があって、

その両側に部屋があった形跡が・・・。

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廊下の突き当たりには洗面所。そしてその右にはかつてトイレだった場所が・・・。

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間違いない!ここは、戦後すぐに建てられた共同住宅、アパートだったんだ!

 

建物の謎を解明したところで、注文した甘酒と黒豆を堪能。

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黒豆の上にのっているクリームには甘酒が入っているそうだ。

さっぱりしてて、あとをひく味。器のおちょこも、かわいい!

 

黒豆のやさしい甘さにメロメロになっていたら、

この建物の大家さんが、伯父さんとお兄さんを連れてやって来た。

fulucafe_asakusa_014.jpg(大家の松村七雄さん(右) 兄の松村輝彦さん(中央) 伯父の川村仁さん(左))

 

そして、なんと、伯父さんの川村さんは、かつてこの共同住宅の住人だったのだ!

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薄い板1枚の壁だったので、当時は隣の部屋の話し声まで聞こえたそうだ。

でも、お互いにそれを聞こえないふりをした。

そう、聞こえても、聞こえないふり・・・。

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相手をおもんばかる“ひっこみじあん”も立派な人情だったのだ!

 

店主の室伏将成さんと妻の志保さんは、かつて共同住宅だったこの建物を、

ほぼ手作業で1年かけて改修。2015年にこのカフェをオープンさせた。

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「僕はお客さんに長居してほしいと思っている。

そして、今日はじっくり自分と向き合おうっていうお客さんがいると、

お店にもいい空気が流れるんですよ」と将成さん。

水がセルフサービスなのも、お客さんのペースで時間を過ごしてほしいから。

最初、そっけないカフェだなと思っていた自分を殴ってやりたい気分だ。

 

閉店後、お客さんとして来ていた俳優の奥居元雅さんも交えて映画の上映会になった。

このノリは、やっぱり下町。

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見えないところでお互いを思いやる浅草の人たち。

本当の人情って、さらっとしていて、ほんのり甘いものなのかもしれないな。

 

 

 

 

 

 

 

2017年05月24日 (水)

神奈川・箱根のふるカフェ

やって来たのは、箱根の宮ノ下。まっ青な空が広がり天気も最高だ!

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江戸時代、4つの湯治場(とうじば)があった宮ノ下は、箱根の中心地だった。

 

歩いていると、いろいろなところにひょうたんが・・・???

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明治時代からは、海外セレブも泊まる高級温泉リゾートとして人気だったそうだ。

 

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(箱根でも随一の老舗ホテル)

 

で、今回目指すのは、元老舗旅館と関わりが深いカフェなのだ!

 そのカフェは、長い、長い坂の途中にあった。

 

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でも、トタンって!どういうこと?

 

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だけど店内は、老舗旅館っぽい雰囲気。古い材木の味わいがたっぷりの空間だ。

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さっそく緑茶と最中を注文したら、ここにもひょうたんが!

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その謎を解き明かしてくれたのは、オーナーの妻である安藤恵美さん。

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豊臣秀吉が小田原攻めしたとき、傷ついた兵士を宮ノ下の温泉で療養させたらしい。

以来、秀吉のひょうたんの馬印のマークは、この街のシンボルとなったそうだ。

 

さて、次はカフェと老舗旅館の関わりを解明せねば。

店内には旅館をイメージさせる建具や調度品があることには、あるが・・・。

fulucafe_hakone010.jpgfulucafe_hakone011.jpgfulucafe_hakone012.jpg

 わからん!そんなときは素直に聞くに限る。

ということでオーナーの安藤義和さんに伺ってみた。

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江戸時代から代々続く温泉旅館だったが、

安藤さんの祖母がお亡くなりになったときに閉館。

そしてこの場所は、その旅館が板金屋さんに貸していた場所だった。

それを安藤さんが手を入れてカフェとしてオープンさせたそうだ。

 

そして昔、旅館の従業員寮だった建物も今、改装中だった。

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(芹澤毅さん(左) 大山哲生さん(右))

 

「建物は、そのオーナーの心意気や思い出そのものなので、

それをもう一度よみがえらせたい」と大工の芹澤さん。

「次の世代の人たちに自分たちの仕事は必要とされているのだ

ということを伝えていきたい」と材木店の大山さん。

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 心意気と心意気がふれあうと、新しいものが生まれるんだな。

 

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 このお土産屋さんは、かつてお寿司屋さんだったそうだ。

小田原、箱根は、小田原漆器や寄木細工などの木工が盛んな地。

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小田原漆器の職人さん、鈴木友子さんにその作品を見せてもらった。

 

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透明な漆(うるし)を使うことで、木目の自然な美しさが出ていて、かっこいい!

 

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最後に、義和さんのお父さん、安藤紀之さんにもお目にかかることができた。

「300年続いた旅館にピリオドを打ったのは残念でしたが、

残された資産を時代に応じて生かしてくれているので、

私としては賛成ですね」と紀之さん。

 

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 旅館からカフェに形は変わっても、おもてなしの心は、

いつも人をあったかくしてくれる。

うん、なんだか僕も元気をもらったぞ!

 

 

 

2017年05月17日 (水)

東京・木場のふるカフェ

今回は、僕のファンである女性店主の方からメッセージをいただき、

東京都江東区木場にやって来ました!

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 木場は江戸時代につくられた運河の町で、材木で栄えた町。

 

ところで、これ、何だか分かりますか?

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(川は埋め立てられて公園になっていた)  

 

正解は、公園の門、じゃなくて、昔の水門。

と、教えてくれたのは、偶然の再会を果たした高山英男さん。

僕のブログのファンなら、覚えていますよね。

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 そう、中野のふるカフェで出会った・・・『感じてみてください』の人です(笑)。

川沿いにたたずむ、いかにも木場っぽいふるカフェ、発見!

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いい感じの木の外壁。カフェの中がどうなっているか、期待感マックス!

 

扉を開けると、香ばしいパンの香りが・・・。

 

 

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店内には木工品や木のオブジェがいたるところに置いてあり、あったかい雰囲気。

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こちらが、僕にメッセージをくださった店主の高橋幸子(ゆきこ)さん。

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正確には、僕のファンではなく、僕のブログのファンでした(笑)。

 

着物姿の常連さんが、しょうが湯を飲んでいたので、

郷に入れば郷に従えということで、僕もしょうが湯を。

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(スパイシーな味がクセになる)

 

店の常連さんであり、地元の材木問屋の旦那衆のみなさんが、

この建物のことを教えてくれました。

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(左から田中さん・柴崎さん・天野さん・鷲田さん)

 

ここは元々、林場(りんば)と呼ばれる材木置き場だったそうだ。

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(この格子のようなものは材木が痛まないように風通しをよくしたもの)

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 (壁の下のコンクリートは昔の川の護岸)

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(2階は住み込みで働いていた若い衆が使っていた)

 

幸子さんがこのカフェをオープンさせたのは2015年。

長年勤めていたパン屋さんを辞めて次の仕事を探していたとき、

たまたま空き家になっていたこの建物と出会ったそうだ。

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多くのビルが建つ中、この建物は昔ながらの木場を今に伝えている。

 

こちらは、材木屋さん3代目社長の馬田勝之さん。

木の良さをもっと子どもたちに知ってもらいたいと、木工体験などをやられている。

店内にある木のおもちゃも馬田さんのところで作ったものだ。

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昔の風景はなくなっても、他人のことを気にかける

おせっかいなところは昔のままだそうだ。

木の温かみを感じられる人たちの思いは、いつまでも変わらない。

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2017年05月10日 (水)

京都・吉田山のふるカフェ

 

またもやって来ました。千年の都、京都! 

cafe_yoshidayama_001.jpgなぜか等間隔で座る鴨川のカップルや、京都大学を横目に、

cafe_yoshidayama_002.jpgcafe_yoshidayama_003.jpg  
  いざ、大正末期に建てられた、茶の湯にゆかりのある山荘カフェへ!

 

カフェは吉田神社の奥、吉田山の上にあった。


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 圧倒的な存在感。そして、よ〜く見ると、

建物の土台は基壇(きだん)と言われる石垣に、鴟尾(しび)と言われる屋根飾り。

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(格の高い寺院によく使われる基壇(きだん))

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(飛鳥時代に使われていた屋根飾り)

さらには、清水寺と同じ懸造り(かけづくり)だ!

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(斜面に立つ建物を支える伝統工法)

 

客席のある2階へ上がると、床にも、天井に組まれている梁(はり)にも

ヒノキが使われ、美しい光沢を放っている。

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この建物は元々、お茶席のときに食事を楽しむ食堂棟で、

近くには8軒の茶室があったそうだ。

それらを建てたのが、カフェオーナーの谷川次郎さんの祖父、茂次郎さん。

孫の谷川さんは、残っていた2軒の茶室を修繕し、食堂棟をカフェにしたのだ。

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(カフェオーナーの谷川次郎さん)

 

茶の湯にゆかりのカフェということで、お抹茶をオーダーしました。


cafe_yoshidayama_011.jpg上品な甘さが口の中で広がる落雁(らくがん)をいただき、
そこにお抹茶のさわやか苦味がさらに広がり、ただ、ただ、うまい!

 

ラッキーなことに、たまたま来店されていた

藪内(やぶのうち)流のお茶の先生である小澤翠さんが茶室を案内してくれることに。

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そこには、雅な文化を具現化した小宇宙が・・・。

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天井には、曲がり木が絡み合い、床柱にはアカマツの虫食い丸太が

さりげなく使われている。


cafe_yoshidayama_015.jpg           cafe_yoshidayama_016.jpg

 
小澤さんは、吉田山の風雅な文化を今に伝えるこの茶室で
お茶の稽古(けいこ)や一般体験会を行っているそうだ。

 

カフェに戻って、ランチをいただいた。
このときの月替りメニューは地元の湯葉を使ったあんかけ丼と、筑前煮などだ。
cafe_yoshidayama_017.jpgまるでオムライスのような湯葉丼は、かつおだしが絶妙なふんわりとした食感。
そこに、つぶつぶのあられとショウガが、いいアクセントに。

僕の後ろのテーブルでは、
京舞のなかでも篠塚流のみなさんが、舞で使う扇子を選んでいた。
cafe_yoshidayama_018.jpg(家元の篠塚瑞穂さん(中央)・瑞桜さん(左)・梅晃さん(右))

 

ここで、急展開のサプライズが!

京舞を見たことがない僕のために、なんと、梅晃さんが舞ってくださったのだ。


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京都・吉田山には、茶室や京舞を今に復活させた、風雅を愛する心があった。


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また、寄らせてもらいまひょ!


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2017年05月03日 (水)

群馬・桐生のふるカフェ

東京から電車で2時間半。群馬県の桐生市にやって来ました!

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桐生は、ちょっと路地に入ると蔵や町家がある風情のある街だ。

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(ノコギリ屋根。明治や大正時代によくあった工場の屋根)

 

何か音が聞こえると思ったら、ここは桐生織の工場だった。

「西の西陣、東の桐生」と言われるほど、桐生は昔から織物産業の中心だったのだ。

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なんだ、これは!年季の入った古民家ではあるが、なんか変・・・。

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(コンクリートの丸いオブジェは、井戸を横にしたもの)

 そして、店内に入ると、もっと変!

無数の民芸品で埋め尽くされた不思議な空間だった。

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cafe_kiryuu_007.jpg(家の中に、庭?)

 それでは、探検といきますか!

半地下あり、2階あり、中2階あり、見れば見るほど、違和感だらけだ!

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いろいろな空間が迷路のようになっていて・・・迷子になってしまいました!

 

何が何だか分からない僕に、常連客の山鹿さんが教えてくれました。

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(常連客の山鹿英助さん)

 

初代当主で料理人だった小池魚心さんが、

「家の中に家を作る」というコンセプトのもと、

古民家を徹底的に改造して作ったのが、このカフェだったのです。

 

そして、僕がオーダーしたスパイスのきいた本格的なカレーが登場。

これは昭和12年にこのカフェがオープンしたときからのメニューで、

レシピも当時のままだそうだ。

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(辛いルーの中からじっくり煮込まれた玉ねぎの甘さが、たまりません!)

 

 

こちらは、二代目店主の妻、小池敏子さん。

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そして敏子さんの計らいで三代目店主の一弘さんに

魚心さんの部屋を見せていただくことに。

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(このカフェの生みの親、小池魚心さん)

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(これは、魚心さんが描いたこのカフェの設計図)

 

 

さらなる驚きが、このカフェにはあった。

なんと、20世紀の世界的な巨匠、棟方志功が描いた壁画があるのだ!

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しかし、この壁画が発見されたのは今から10年ほど前だったという。

熱烈な棟方志功のファンだった魚心さんは、店の壁に絵を描いてもらった。

ところが、その絵が気に入らなかった魚心さんは、

その日のうちに漆喰(しっくい)で塗りつぶしてしまったのだ。

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(地元新聞記者の蓑﨑昭子さん)

 

しかーし、2008年、地元新聞記者の蓑﨑さんが

三代目の一弘さんにお願いして、絵をよみがえらせた。

『花なら何でも好きという人は、花の美しさがわからない人だ』by魚心さん

世間の評価かどうあれ、自分の美意識にあわないものは、

そばに置きたくなかったのだろう。魚心さん、かっこよすぎます!

 

こちらは、金子さんと、新井さんご夫婦。

魚心さんも造詣が深かった桐生織について話を聞かせてくれました。

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(衣料品店 店主の金子由美彦さん)

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(染織史研究家の新井正直さんと、アクセサリー作家の求美さん)

 みなさん、桐生の織物文化に深い愛情をもつ人たちでした。

 

今回のカフェは、ただのカフェではなかった。

小池魚心という偉大なマルチクリエーターが、

こだわって、こだわって、こだわり抜いて作り上げた、ひとつの作品なのだ。

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魚心さんと会って、話を聞いてみたかったなあ・・・。

 

 

 

2017年04月26日 (水)

東京・中野のふるカフェ

やって来たのは、東京・中野
ちょっと高い建物に上ると、もうすぐそこに新宿副都心が見渡せる。
だって、新宿から電車でたった4分ですから。

 

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しかし、こんなにぎやかな場所に、
築およそ70年!二軒長屋を改築したカフェなんて・・・

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ありました!

二軒分の長いスペースをうまく利用して、

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いい感じのテラスになっている。
出迎えてくれたのは、店主の嘉山隆司さん。

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店内は、二軒を仕切る壁が取っ払われて1つの空間に。

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長屋にもともとあった障子は、なんと天井に!

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老朽化を逆手にとったアイデアがいっぱいだ。

そして、ラッキーなことに、長屋を改築した中西さんを
店主の嘉山さんが紹介してくれた。

cafe_nakano_007.jpg(中西道也さん)

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空き家だった二軒の長屋を2010年に中西さんがカフェに改築したのだ。

「古い建物の古さを残すのは、自然を残すのと似ているところがある」

と中西さん。名言だな。

 

オススメのカレーは店主の嘉山さんが半日かけて作ったもの。
スパイシーだけど玉ねぎのほのかな甘みもあって絶妙なおいしさだ!

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テラスで何かを眺めている人がいたので、話しかけてみると、

「見ているのではなく、感じている」と意味不明な答えが・・・。

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 (高山英男さん)

よくよく話を聞いてみると、カフェの前の通りは暗渠(あんきょ)で、
通りの下には桃園川という用水路が流れているとのこと。その流れを感じていたのだ!
ちなみに暗渠とは、上からフタをして覆い隠された川や水路のこと。

 

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だから、通りがクネクネしていたのだ!
そして僕が入ってきた入り口は、かつて川沿いの縁側だったところだった。

もう1つ、忘れられない出会いがあった。
それは、児童文学者の森ひさしさん、御年99歳!
戦後から中野に住む、このカフェの常連客だ。

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森さんからは、戦後の中野がどんなところだったのか?
貴重な話をたくさん聞かせてもらえました。

店主の嘉山さんと妻・明美さんには、もう1つの顔が・・・。
区役所でケースワーカーとして実績を積んだ嘉山さんは
今でもお客さんの様々な相談に乗っているそうだ。
そして、明美さんは・・・

cafe_nakano_013.jpg(沖縄芸術大学研究員の肩書きを持つ明美さん(中央))

琉球音楽の専門家なのだ。
この日は、お仲間と沖縄の歌と踊りを披露してくれました!


ユニークで人情あふれる人たちが集い、絆を深める場所。
ひょっとすると、昔の長屋もこんな感じだったのかも。

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