中通り
温泉は永久に不滅です
人里離れた天栄村の山奥に「温泉博士」と呼ばれる人がいる。
二岐地区に江戸時代から続く温泉宿の主人佐藤好億(よしやす)さんだ。
取材にうかがうと、いきなりクイズを出された。
「この “お湯の年齢” は、何歳か分かりますか?」
“お湯の年齢”…??? 初めて聞く概念にとまどう。
佐藤さん自身も、ある出来事をきっかけに調べてもらうまで、考えたこともなかったと言う。
温泉は、水の「循環」のたまもの。
大地に降り注いだ雨や雪解け水は、長い年月をかけて地中深くに染み込む。
その水が地下のマグマによって温められ、断層の割れ目を通って地表に出てくるのだ。
水が浸透し続ければ、温泉は枯れることがないのだ。
二岐温泉の場合、この「水の循環」のカギを握るのは、周囲にあるブナの原生林。
幹周りが2メートル。樹齢200年の大木が群生。1本で2~3トンの保水力がある。
このいわば「自然のダム」によって、温泉の元になる地下水がふんだんに作られてきたのだ。
ところがおよそ50年前、周囲のブナ林が開発のために伐採され始めた。
ブナが無くなると、雨は地表を流れ、地中に浸透しなくなった。
「温泉が枯れてしまうのではないか…」
佐藤さんは仲間と共にブナの保護に立ち上がった。
二岐温泉の “湯の年齢”=「水齢」を調べてもらったのは、この保護運動の中でだった。
研究機関に調査を依頼すると、なんと45~47歳程度だという分析結果が出た。
「びっくりしたね…。半世紀も前に降った雨水が、今の温泉になってるなんて…」
佐藤さんは、改めて、いまブナ林を守ることの大切さを知った。
保護を訴えること2年。
開発を進めていた国が折れ、伐採はストップした。
「湯守の一番の責任は、周りの環境を変えることなく次の世代に渡すこと。
新しいことをしないことが、一番大事」と語る佐藤さん。
大学で学んだのは経済学で、地質など温泉に関係する学問に詳しかったわけではない。
しかし、二岐の風土と人の中で育ち、自然の循環を生まれながらに知っていた。
温泉は、こうした “在野の科学者” たちによって守られている。
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