ものがたり

会津地方

刈屋晃吉さん

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モリモリ秋の福 ブナの森

 

福島の秋を味わい尽くす旅。

向かったのは、県内でもいちはやく秋が訪れる奥会津。

目指すは、とっておきの紅葉スポット。

案内してくれるのは、只見の森を知り尽くす刈屋晃吉さん、75歳。

 

 

 

只見町の外れ、山深いところにある「恵みの森」は、ブナを中心とした落葉広葉樹の森。

川の底が平らな一枚岩なので、小学生からお年寄りまで、沢歩きをしながら、

ブナの森を存分に楽しむことができる。

紅葉の時期はまるで「錦」のように色鮮やかに輝くブナの森の美しさを堪能することができる。

 

 

 

紅葉から落葉の時期にかけて、この沢でしか見ることができない摩訶不思議な現象もあるという。

それが「沢ムカデ」(秋ムカデ)。

清流を流れてきた落ち葉が、石や木の枝に引っかかり、タテに長く重なったものだ。

長いものは1メートルにもなるという。

刈屋さんが子どもの頃、このブナの森を父親と一緒に歩きながら教わったものだ。

 

 

 

 

刈屋さんは、森とともに生きる知恵を先人から受け継いだ「森の人」だ。

秋になれば、巨大なマイタケ探して山の中を縦横無尽に歩き回る。その姿はまるで忍者。

 

危険な急斜面を素早く進む「スゴ技」も見せてくれた。

草や低木をつかみ、遠心力を利用してどんどん進んでいく。

ただし、1本ではなく必ず2本以上の草木をつかまなければならない。

これは、父親から伝授された「山の掟」であり、命を守るための極意。

「父には暇があると山に連れていかれ、山のルールや掟を教えられた」と刈屋さん。

 

 

 

 

父親から受け継いだ「森の掟」が、かつて、ブナの森を守ったことがあった。

戦後、国がブナなどの広葉樹を伐採し、スギなどへの植え替えを進めていた。

現在「恵みの森」があるブナの森にも伐採計画が持ち上がる。

これに対し、反対の声をいち早くあげたのが若き日の刈屋さんだった。

その原点には、

「森がなくなると山の恵みが受けられなくなる」という父親の教えがあった。

 

 

 

 

刈屋さんをはじめ、町内外の多くの人が「反対」を訴え続けた結果、

「恵みの森」の伐採は原則禁止に。森は守られた。

刈屋さんは「40数年間みんなとやってきて、森を守れてよかった。大変な宝を残せた」と語る。

 

いま、只見の森に魅力を感じ、移住してくる人も。

去年、夫婦2人で東京から移り住んだ写真家の鈴木澄雄さんもその1人だ。

刈屋さんは、父親から受け継いだ技と「森の掟」を、鈴木さんにも伝えようとしている。

 

 

 

 

愛する只見の森をもっと好きになってもらい、森を一緒に受け継いでいってほしい。

刈屋さんの願いだ。

 

 

 

 

 

「恵みの森」の情報は
コチラ

 

 

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