2019年2月22日

ニッチでも 自分が欲しけりゃ あたるでしょ @吾妻謙


伊達市の両面刺し子の布を使った、会津伝統の「山袴」。

会津若松市のセレクトショップが、新たに商品化しました。

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東京の展示会で、バイヤーの評判を聞きます。

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出展したのは、関昌邦さん・千尋さんご夫妻。

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会津若松市のセレクトショップには、会津漆器や会津木綿といった会津の伝統工芸品が並びますが、

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ちょっと普通と違います。

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カラフルな漆器のカップや皿には穴があけられ、革ひもがつけられています。

「会津漆器を、もっとカジュアルに使ってほしい」と、アウトドア用品として売り出しました。

その評判が口コミで広がり、人気商品となっています。

 

漆器店の3代目の関さんは、

「伝統に裏打ちされた優れた品に、新しい価値を加えて売り出そう」というビジョンがあります。

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その中で、風呂敷やランチョンマット、ハンカチとして店先に並んでいた

「両面刺し子の布」で、会津伝統の作業着「山袴」を作りたいと、関さんはひらめきました。

 

この布は、伊達市の織物職人、大峡健市さんが機械で織っている「両面刺し子」です。

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その高い技術は、いま、海外からも注目されています。

去年10月、関さんたちは、大峡さんの布でパンツを作りたいと、伊達市の工場を訪ねました。

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その時の大峡さんの指摘が「刺し子を、アウトドアパンツに使ったら引っかかる」という点でした。

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複雑な柄を、糸で描く刺し子は、

「アウトドアでは、枝などに引っかかって糸がほつれてしまい、不向きだ」というのです。

 

しかし、関さんたちは「刺し子は、元々破れたり、端切れをつなげたりして生まれた技術。

そんなストーリーも織り交ぜて展開すれば、うまくいくはずだ」と考えます。

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そこで、布はシンプルな刺し子にして、

おしゃれ、かつ着心地の良いデザインになるよう、試作を繰り返しました。

これは、取材の際に履かせてもらった、試作品の1つ。

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「ジャケットでも合うんじゃない」なんて言われながら履きましたが、動きやすさは抜群です。

コーディネート次第では、かなりおしゃれに着こなせるのではないでしょうか。

 

漆器店が展開するアパレルですが、

そこには「服」ではなく「道具」として長く使ってほしいという思いが込められています。

太さの違う木綿の糸を織って作られた丈夫な布は、修理をしながら長く着られます。

関さんたちは、それを「自分用に育ててほしい」と言います。

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「漆器も修理を繰り返せば、何年でも使い続けられる」

「良い品は、道具として価値が下がらない。それが分かれば、山袴も気に入るはず」

「自分が欲しいのに、売っていない、ならば作ってしまえばいい」

「たとえ少数でも、自分と同じ感性の人がいるなら、きっと売れますよ」

ニヤリと笑う関さんに、かなり共感する吾妻でした。

投稿者:吾妻 謙 | 投稿時間:16:45 | 固定リンク


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