2018年12月 7日

松明し その火が思い 昇華さす @吾妻謙


須賀川市で420年以上続く火祭り「松明(たいまつ)あかし」。

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戦国時代に須賀川城が伊達政宗に攻め込まれた際に命を落とした武士の霊を慰めるために始まったと伝わり、毎年11月の第2土曜日の晩に行われています。

この祭りが、俳句の季語になりました!

地域行事が新たに季語になることは珍しいんです。

地域の行事は、出版社が発行する歳時記に収録されることで、「季語」となり、広く句に詠まれることになります。先月発行されたこちらの歳時記。

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角川書店編『俳句歳時記 第五版 冬【大活字版】』(KADOKAWA)に松明あかしが初めて収録されたのです。

松明あかしを季語にしたいというのは、須賀川の俳句愛好家にとって長年の夢でした。

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その取り組みを進めてきた須賀川の俳句愛好家団体

「桔槹(きっこう)吟社」の森川光郎代表に、私、10年前にインタビューしていたんです。

その時に森川さんは「松明あかしは子どもの頃から親しんできた。須賀川の俳人たちは

それを句に詠んで季語にする活動を続けているが、なかなか成就しない」と話しました。

森川さんたちは平成20年、当時、現代俳句協会名誉会長だった故 金子兜太さんを

松明あかしに迎えて句を詠んでもらいました。

それが平成26年、句碑になり、祭り会場にたてられました。

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「五七五のリズムじゃないが、ぴたりと松明あかしの本質をつかんでいる。

聞いた瞬間、アッと思った。これは兜太先生にしか詠めない句だ」と森川さん。

こうして、著名人を迎えてアピールするとともに、

地元では盛んに松明あかしを季語として詠んだ句を発表し続けました。

「た、い、ま、つ、あ、か、し」は7音。この他に季語を入れると残りは5音くらいに。

この7音が季語なら、残り10音で表現がグッと広がるといいます。

こうした地道な活動が、歳時記の編集委員に届いたと、森川さんたちは喜びます。

私も季語になったと聞き、久しぶりに森川さんに電話をおかけしました。

すると、元気な森川さんの声が!御年92歳。

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早速、お話を伺いに行きました。

「小さい時からの悲願が成就した!喜びにたえない」と森川さんも高揚していました。

本当にうれしい再会です!!

同時にこんな話も。「歳時記を見て、松明あかしを見に来る人が増える。これからが大事。

須賀川の俳人も肝に銘じて詠んでいかないと。これからどんな俳句が登場するか刮目(かつもく)して待っていて欲しい」。そう、季語になったここからがまたスタートなんです。

貴重な時に立ち会えて、感慨深いです。

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俳人の皆さん、来年の11月9日(土)まつりを見て、新しい句を生み出してください!

投稿者:吾妻 謙 | 投稿時間:18:59 | 固定リンク


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