|

残念ながら、うつ病は1週間程度で治るものではありません。数ヶ月〜数年の長期戦の覚悟が必要です。「あわてず、あせらず、あきらめず」という姿勢でのぞみましょう。

患者さんは心身ともに不調であるため、回復期には、自分のイライラを家族にぶつけたり、攻撃的になりがちです。これはうつという病気がさせていること。攻撃的な言動に振り回されないようにしましょう。

うつ病は右肩上がりの直線でよくなっていくわけではなく、一進一退を繰り返し「三寒四温」の回復です。よくなったと思っていてもまた悪くなってしまうことの繰り返しです。悪くなっても底まで落ちるのではなく、以前よりは1ステップは回復しています。症状の変化に一喜一憂しないようにしましょう。また、患者さんは悲観的になりがちですが、支える家族は「回復を信じる」ことが大切です。

まじめで誠実な患者さんは、「病気のために迷惑をかけることが申し訳ない」と、退職や離婚を口にします。これは、悲観的なことしか考えられない症状のためです。できるだけ大事な決定は回復するまで待ちましょう。

患者さんは「死にたい」とよく口にします。家族はそうした言葉を聞くと動揺してしまいがちですが、そうしたSOSのサインを受け止め、傾聴することが大事です。また、不自然な行動がみられたときには、急いで主治医に相談し受診をすすめてください。

- いつもと違う行動(ギャンブルや株式投資、アルコールや薬物の乱用)をとる
- 感情が不安定になり、ささいなことで怒ったり、激しく口論したりする
- 投げやりな態度が目立ち、身なりに構わなくなる
- 不自然なほど明るく振る舞う
- 自殺の計画(遺書の用意、自殺手段の用意)を立てる
- 別れの用意(大切なものを誰かにあげる、思い出の場所に行きたがる、手紙や日記を処分する)をする、など

患者さんの病気だけに目を向けていると、家族が疲れ果て燃え尽きてしまうことになります。自分の限界を知って、自分だけで問題を抱え込まないために、まわりの人に助けを求めるようにしましょう。
|