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これまでの放送

2015.02.20[九州沖縄地方]
九州“おもてなし"最前線〜アジアの観光客をつかめ〜

全国放送決定!
3月5日(木)総合 午後3:15〜3:41[ろーかる直送便]

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旧正月・春節を迎えたアジアの玄関口、九州。中国や韓国から多くの観光客がやってくるが、受け入れる九州の観光業界には課題も多い。急増している中国からのクルーズ船ツアーは低価格化が進む中、コースがワンパターンに。ブログやネットの口コミを見てくる韓国からの個人客は、Wi-Fi環境の不備に不満を抱える。どうすれば外国人観光客の不満を解消し、2兆円ともいわれる経済効果を取り込むことができるのか?ヒントを探る。

ゲスト
九州産業大学商学部部長
千相哲さん


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九州の“おもてなし” 外国人の評判は?

福岡市、大濠公園。観光バスから続々と降り立つ人たちがいます。

「中国の寧波から来ました」。

そう、彼らは中国からの観光客。数年前からここは、ツアーの定番コースなのです。こちらの4人連れ。あれあれ?そっちは子供向けの広場ですよ。こちらの皆さんも、時間を持て余しているようですが…

中国人観光客
「ここはちょっと見るだけで十分だよ」
「福岡のことはよく知らないから、ツアーで連れてこられただけなんだ」

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春節を迎えたアジア。今年も連休を利用してたくさんの観光客が日本を訪れています。

「新年おめでとう!」

九州沖縄を訪れる外国人は、この10年で倍増。家電製品や化粧品が飛ぶように売れています。しかし!喜んでばかりはいられません。九州のおもてなしに満足していない人もいるのです。

中国人観光客
「もっと日本らしいところへ行きたかったわ」。
「滞在時間は8時間ぐらいなの」。

アジアから愛される観光地になるために。きょうの特報フロンティア、九州に求められる“おもてなし"を探ります。

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特報フロンティアです。今日本を訪れる外国人観光客が増え続けています。去年は1340万人。その消費額は2兆円にのぼっています。この経済効果を九州沖縄でどう取り込んでいくのか、私たちのおもてなしが問われています。九州にやってくる海外からの観光客の8割はアジアから。中でも著しく伸びているのが中国からのクルーズ船です。

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就航したのは2008年。当時は富裕層が中心で百貨店などで高額なブランド品などを購入していました。そのクルーズ船の数は、震災や日中関係の冷え込みで一時落ち込みましたが、去年過去最高を記録しました。急増の背景にあるのは客層の変化。富裕層だけでなく今や中間層にまで広がっています。そして、お金の使い方も大きく変化しています。

“低価格”で異変!?中国クルーズ船ツアー

ゲスト
九州産業大学商学部学部長千相哲さん

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日曜日の午前10時。1隻のクルーズ船が博多港に到着しました。上海を出発し、韓国・チェジュ島と福岡に立ち寄る4泊5日の船の旅。およそ5万円、低価格のツアーです。

(ツアーの客)
「福岡は初めてです」。
「こちらの景色を見て、人とも接したいわね」。

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バスに分かれて乗り込み、福岡観光へ出発。まず向かったのは…
「最初は大濠公園です」。

福岡市民の憩いの場、もちろん入場は無料。ここで40分の自由時間です。

(ツアーの客)
「ここはきれいで、とても環境が良いです」。

続いて向かったのは…福岡タワー。しかし、市内を一望する展望台に登った人はごくわずかでした。

(ツアーの客)
「タワーに登る時間がないんです。自由行動は40分しかないから、間に合いません」。

お昼ご飯を済ませて、午後は買い物の時間です。まずは福岡タワーのすぐ側にあるショッピングモール。続いて、中国人に人気の商品を集める家電量販店へ。品物を選ぶ眼は、真剣です。

「これは中国でも買えるの?」
「これは発売して一週間くらいですから中国では買えませんよ」

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市内を観光したのは、6時間。公園とタワーで40分ずつ、買い物に2時間を費やしました。

皆さん、いかがだったでしょうか。

(ツアーの客)
「もっと日本らしいところに行きたかったわ」。
「もっと日本の人々と、交流したかったですね」。

夕食は、クルーズ船に戻って船の中でとります。そして、夜8時。上海に向けて出航しました。

中国からのクルーズ船が九州にやってくるようになったのは、2008年。当時のツアー価格は、ひとり10万円から100万円近く。利用客は富裕層が中心でした。クルーズ船は、大きな経済効果をもたらしました。ツアーを企画する中国の旅行会社は、日本の旅行会社に十分な代金を支払って、船を下りてからの観光を委託。富裕層は、観光スポットやレストラン、百貨店などで贅沢にお金を使いました。

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しかし、ここ数年で状況に変化が。格安ツアーが次々と登場したのです。最も安いもので5泊6日、1000元。日本円にして、およそ2万円です。ツアーの価格が下がったことで、日本の旅行会社が受け取る代金も大きく目減りしました。ツアーの参加者はいまや中間層が主流に。訪れる観光スポットは限定され、使う金額も少なくなっているといいます。

日本の大手旅行会社です。かつては中国からのクルーズ船ツアーを多く受け入れていました。しかし、低価格のツアーでは採算があわないため、中国からの依頼を断るケースが増えています。

(旅行会社訪日マーケティング担当 山田育照さん)
「非常に低価格の希望をされる傾向にあるということですね。我々としても、その金額では難しいという判断せざるを得ないことも結構今出てきてるかなと」

福岡を代表する繁華街・天神でも、クルーズ船の客が訪れることはほとんどなくなりました。天神では6年前、クルーズ船の増加を見越して、観光ガイドのサービスを開始しました。一時は買い物の案内に年80回利用されたこともありますが、去年はわずか2回でした。

(福岡観光案内所所長 竹石明弘さん)
「また天神に多くの外国の方が来られるっていうのは喜ばしいかなと思ってますので、できればぜひ来てほしい」

クルーズ船の経済効果を呼び込むためには、どうすれば良いのか。観光客を誘致する団体では、短い時間でも福岡の魅力を体験できるツアープランを作成しました。

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「こちら文化体験のモデルコースなんですが、博多人形の絵付け体験をして頂く」

こうしたモデルコースを、先月、中国の旅行会社に直接売り込みに行きました。しかし、ツアーの代金は一人につき5000円近く上がる計算で、実現の目途は立っていません。

(福岡観光コンベンションビューロー 川口英仁さん)
「どうしても価格の部分とか色んな部分で、すぐさまこのモデルコースを取り入れて頂くというのはなかなか難しいかも知れないが我々も営業活動を地道に続けていきたい」。

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スタジオには、観光がご専門の九州産業大学商学部学部長千相哲さんをお迎えしています。千さん、クルーズ船での観光ツアー、その変化と現状をどうご覧になりましたか。

2008年には富裕層が来られたということですけども、2010年から、中間層まで拡大するいわゆるビザの発給要件を緩和したということで、今は150万から200万円までの年収の方も、訪日が可能になっていることと、クルーズ船の船舶が大型化していることで、中間層も気軽に海外旅行をできるようになったという風に思います。

参加者からはどんな声が届いているんですか

福岡市のデータを見ますと「満足した」という答えは8割以上を占めています。

高いですね。

ただし、満足はしているけれども、これといった印象はない。ここに大きな問題を抱えているんではないかと思います。

印象が薄い。その印象を深めてもらうために受け入れる側の日本側はどうしていったらいいのでしょう。

そうですね、その限られた時間にきちんと福岡らしさとか九州らしさを伝えるのは難しいと思うので、地域全体がホストであるという意識をもっていい印象を彼らに伝えると。それと同時に普段のですね彼らが日本を先進国であると、あるいは空気のよさとか水のおいしさとか普段日常的な様相を彼らにもっと伝えるのが必要ではないかと思います。

私たちにとって日常のものが受けるというわけですか。

そうですね、彼らも当然5年後10年後には個人の旅行者になって、再び福岡を選んでもらいたいという気持ちがあるので、そのためには彼らがあこがれている日本の文化をもう少し丁寧に説明する必要があるんではないかと思います。

リピーターになってもらう、ツアー客から個人客へと。そうした個人旅行者が多いのが韓国です。海外旅行の経験が豊富でツアーではなく個人で訪れます。彼らを取り込むにはどうすればいいのか。そのカギはインターネットです。

なぜ?福岡・天神に韓国人が大行列!

福岡、天神の商業施設です。午前11時。まだ客もまばらなレストラン街に…大行列ができていました。手にしているのは、韓国語のメニュー。

(韓国人観光客)
「これを2つください」

伊万里牛で作るハンバーグが看板メニューのこの店。今、韓国からの個人旅行客が急増しています。どうしてこの店にやって来るのでしょうか。

(韓国人観光客)
「ブログやネットにたくさん書かれている有名店なんですよ」。
「ブログで検索したらここが勧められていました」。
「ブログにこの店が美味しいと書いてあったんです」。

5年前、店がオープンした頃に書かれたブログです。

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(ブログの文章)
「100%伊万里牛を使っています」
「柔らかくて 肉汁たっぷりでした」

韓国では人口の7割がブログを利用しています。ブログを見て店に来た人が自分でも新たにブログをアップ。この店のことを書いた記事は加速度的に増え、これまでに一万件を超えました。

(ハンバーグ店店長 小山亮平さん)
「日本人よりも(ブログの)情報量と使用量が多いというので、これだけ来るとは正直思わなかったですね」

アジアの客獲得大作戦!鍵はネット

ブログの活用は、留まるところをしりません。長崎に降り立った二人の韓国人。

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ネペルさんとイレネさん。人呼んで、“パワーブロガー"です。二人が書くブログは、一日一万回以上読まれています。

そんな二人を日本に招待したのは、九州を中心に展開する大型の量販店です。

ここでは今年から、外国人を対象に免税のサービスを開始。観光客の誘致に積極的に乗り出しています。

そこで、パワーブロガーの力で韓国の人が来たくなるような記事を書いてもらおうというのです。

(量販店免税担当 喬さん)
「ブロガーさんに宣伝して頂いて、皆さんの反響を見て、人気商品をどんどんアピールしていこうと思っております。」

ネペルさんが手に取ったのは、日本ではおなじみのチューハイでした。

(パワーブロガー ネペルさん)
「韓国でも人気なのよ。必ず買って帰る定番のお土産ね」。

旅先での観光地巡りも、読者をひきつける重要な材料です。

(ネペルさん)
「おお“めがね"だ」。

ネペルさんのブログ。
「長崎の名所、眼鏡橋です!」

ブログには続けて、大型量販店に立ち寄ったと書いてあります。

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「知り合いが良いディスカウントストアを紹介してくれました」
「人気のチューハイが100円!他の店だったらもっとするわよ」

(パワーブロガー ネペルさん)
「こうしたブログを旅行前にみんな参考にしているの。ブログはとても便利なツールなのよ」。

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ブログやネットの情報をもとに旅先を決める、韓国の人たち。そこで障害となるのが、日本のネット環境です。日本を訪れた外国人がインターネットを利用する場合、通常「Wi-Fi」という、無線でネットワークに接続するサービスが必要です。

観光庁が外国人旅行者に行ったアンケートによると、そのWi-Fiが整備されていないことが、最も困ったことに挙げられました。

中でも九州は、Wi-Fi整備に取り組んでいる市町村の割合が15%。全国で最低です。

実際、九州を代表する観光地・太宰府でも…インターネットにつながりません。

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「(ネットを)見ることができない」
「あまりつながらない。東京や大阪の方がいい」

こうした中、佐賀県では去年、観光業者にWi-Fiの活用の仕方を教えるセミナーを始めました。

「Facebookを普段からやってらっしゃる方、どれくらいいますか?こうしたものが今、非常に流行っている」

(旅館経営者)
「お客さんもやっぱりWi-Fiが出来る部屋っていう問い合わせが多いからね」

この温泉街では去年、補助金も活用しながらWi-Fiを整備しました。温泉街が負担したのは200万円、訪れた外国人は、前の年と比べ倍増。効果が出始めています。

(武雄温泉旅館組合理事長 田中隆一郎さん)
「韓国とか中国とか、常にどこでも入るんですよ。それだけ進んでいる中で、日本に来たら不便だということがよく言われていたもんで一つ方策としてはこのWi-Fiというのが重要な位置を占めてくるんじゃないかな」

ゲスト
九州産業大学商学部学部長千相哲さん

海外の観光地と比べて、日本のネット環境というのはそんなに悪いのですか。

私は先日、私のいる大学の学生と台湾に旅行に行ってきました。だいたいどこにいってもWi-Fiがつながっていると。それに比べて外国人の方が九州にきてですね、つながらないという声が結構あります。韓国も台湾もどこにいってもつながるというのが現状ですし、旅行先で若い人たちが旅行に集中してほしいと思いながらもですね、若い人にとっては、Wi-Fiがつながらないということは不便であるし落ち着かないと。

落ち着かないというと?

自分たちの行動を常にアップして友達に伝えたい、知らせたいということもあるだろうし現地で撮った写真をですね友達に紹介したいとか、それはそのタイミングでやりたいということなので、その場所でWi-FiがつながらないとどこかWi-Fiがある所を探し回らないといけないと。落ち着かないというのはそういうところにあると思います。

旅行に集中できなくなってしまうわけですね。韓国ではそれほどブログに対する関心度、信頼度は高いんですか。

韓国では97%の人がスマートフォンを所持していると。旅行する人も、だいたいの人がほとんど100%近い方がスマートフォンを持って日本に来られますけれども、韓国では普段なんの問題もなく使えたスマートフォンが日本に来てつながらなくなると、彼らにとってはこれを不便と感じると。あと韓国人の旅行者はですね、ブログを参考にいろんな観光情報をキャッチしていますので韓国でのブログに対する信用度といいますかそれは極めて高い情報源。旅行者にとっては信頼できる情報源となっています。

そのためにWi-Fiがつながる環境を整備していく、その整備をした上で私たちはどんな風に活用していくといいのでしょう。

先ほどVTRでハンバーグのことがありましたけれども、あれは韓国人のブロガーによるですね情報の提供ですけれど日本側が積極的に若者にはやってるものであったり、人気のあるスイーツであったりゲームであったりそういうものを日本側が積極的にブログなりインターネットを通して情報を発信することは、かなり違った意味で、韓国人が提供するのではないので日本的なものをもっと体験できると韓国人の旅行者にとってもかなり魅力的じゃないかと。そういう使い方は結構あると思います。

韓国人のブロガーが発信するのと、日本側が発信するの何が違うんでしょう。

韓国人ブロガーが発信する内容というのはずっと日本に滞在するわけではないのでそれほど十分な情報があるわけではないと。積極的に日本側がランキングとかもあるしはやりも時代によって変わっていくので、その情報を韓国のブロガーに伝える必要もあるのかもしれませんけど日本独自で発信する内容も必要ではないかという風に思います。

日本がアジアで愛される観光地になっていくために、クルーズ船の寄港地はあまたあります。そういったところとライバルとなってこれから戦っていくわけですよね。どのように戦っていけばいいのでしょうか。

海国の特に競合地となっているシンガポールとか香港とかですね、そういうクルーズ船用のターミナルを整備したりしてますけれども日本ではまだそこまで至っていないと。ただ日本側の先進的なところに憧れているので、そういう普段のですね、まぁ特別ではないけれど日本人にとっては当たり前のことをですね積極的に発信すればですね、もっと外国人の心に響くもの、彼らの心をつかめるんじゃないかという風に思います。

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