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NHK福岡放送局では、地域の様々な現実を元にストーリーを組み立て、住む人たちの息づかいやその土地の空気感を伝える「福岡発地域ドラマ」を平成14年度から制作し、地域の「魅力」と「今」を描いてきました。
7本目の制作となる今年度の舞台は黒木町。テーマは「親子の愛」です。気持ちのすれ違う親子が、黒木町での暮らしの中で、町が守り大切にしてきたものによって癒されてゆく姿を描きます。
執筆依頼の連絡を受けた時点で、福岡局制作のドラマの存在を知らなかった。
小さな町の小さな物語を好む私には、とても素晴らしい企画だと思えた。
実際に東京から飛行機で飛び、福岡・黒木町を取材させてもらって、更にその思いは強まった。
美しく厳しい自然の中、『伝統』や『しきたり』に縛られ、『今』を生きる人々の『生活』。
『過疎』という現実と、故郷という『誇り』。
書かせてもらうからには、単なるご当地ドラマではなく、そんな全てがぎっしり詰まった物語にしたいと思った。
幸い、黒木町の人形浄瑠璃保存会の皆さん、お茶農家の皆さん、山村留学生受け入れ家族の皆さん、学校関係者の皆さんも快く取材に応じて下さり、快調に筆が進んだ。
今、ドラマの完成を楽しみに待ちながら、しみじみ思うことは、町というのは、その『土地』のことではなく、そこに住んでいる『人たち』のことだということ。
『人』の素晴らしさを改めて思い知らされた取材旅行だった。
羽原大介
福岡県南部、美しい川の流れやどこまでも広がる茶畑に彩られた山間の里、黒木町。町の中でも特に山深い地区にある笠原小学校に、臨時教師として2学期から赴任してきた若い女性教師・ひかりが主人公。ひかりが担当することになった6年生のクラスには、一人の山村留学生・亜矢がいた。亜矢は町に来て数ヶ月経つが、いまだに学校や里親になじめず、心を開こうとしない。ひかりは、亜矢が博多で働く母親との間に問題を抱えている事を知る。ひかり自身、あるわだかまりが解けないままに母親を亡くしていた。ひかりは亜矢の笑顔を取り戻すため奔走する。
そのうち、笠原小学校の伝統である人形浄瑠璃の公演が迫ってきた。ひかりは、すれ違う母子の愛情を描いたこの人形浄瑠璃に取り組むことで亜矢と母親を救おうとする・・・