2017年08月10日 (木)子どもに広がる"歯の健康格差"


経済格差に伴って健康にも差が出る“健康格差”。いま福岡の子どもたちの間で、“口の中”の健康格差が広がっている。虫歯のある子どもの割合は、この40年で激減した。一方、NHKの調査では、虫歯が極端に多い“口腔崩壊”の子どもが、回答した小中学校の3割以上にいることが明らかになった。
背景にあるのが、共働きやひとり親家庭の増加に伴う“親の余裕のなさ”。福岡市に住むシングルマザーの女性は、仕事を休めず、3歳の娘を歯科に連れて行けずにいたところ、数ヶ月の間に前歯が虫歯で溶けてしまった。専門家は、生活に余裕のない親が増える中、やむをえず子どもの適切な口腔ケアができない“デンタルネグレクト”が広がっていると指摘。乳歯の口腔崩壊は、放置すれば永久歯の口腔崩壊に直結し、一生に渡る健康リスクにつながると危機感を覚えている。
どうすればそうした子どもを守れるのか。新潟県の小学校では、専用の連絡ノートに児童の口内の写真を貼って親の意識を高めたり、全児童に虫歯を防ぐフッ素うがいを行わせたりして、試行錯誤をしている。
広がる歯の健康格差について伝える。

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■「シーラント」や「フッ素コーティング」など虫歯予防を行っている小児歯科
▽Kid’s歯科とび
住所:福岡市城南区鳥飼5-2-30凱旋門ビル1F
電話:092-821-8080

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■子どもの重度の虫歯の治療にあたっていた歯科医院

▽森本歯科
住所:福岡県福岡市東区香椎駅前1-18-45 香椎マーケットビル1F・2F
TEL:092-661-8866


■全身麻酔での子どもの歯科治療を行っている大学病院

▽福岡歯科大学医科歯科総合病院小児歯科診療室
住所:福岡市早良区田村2丁目15番1号
電話:092-801-0411(代表)

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■家庭環境と子どもの虫歯の研究を行っている研究室
▽広島大学小児歯科学研究室
住所:広島県広島市南区霞1-2-3
電話:082-257-5555 (代表)

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■新潟県で学校歯科へのアドバイスを行っている研究室
▽明倫短期大学歯科衛生士学科・専攻科口腔保健衛生学専攻
住所:新潟県新潟市西区真砂3-16-10
電話:025-232-6351

【取材記者の一言】
「口腔崩壊」と呼ばれる重症の子どもの虫歯。子どもたちの痛ましい様子に、「親は何をやっているんだ」と感じる方も多いかもしれません。
しかし、取材で浮かび上がってきたのは、親ばかりを責められない現状です。
一人親家庭や共働き家庭が増加し、家庭環境が変化する中、歯科医院が開いている日に仕事を休めない人や、「ワンオペ育児」で子どもの口の中のケアまで手が回らない人。
経済状況の悪化により、長期間かかる治療費の捻出が厳しいケースも増加しています。
取材を進めるほど、母親ばかりを責めていても問題は解決しないとの思いを強くしました。
ただ、それは子どもには責任のないことです。子どもの虫歯を放置すると、永久歯も虫歯になるばかりではなく、歯並びやかみあわせから日常生活に影響が出たり、最近では、口内細菌が全身疾患を引き起こすこともわかってきています。見た目の問題から就職活動などで苦労したという経験談もありました。
海外では、虫歯予防効果のあるフッ素を水道水に混ぜている例などがあり、日本でも、佐賀県など一部の自治体では、学校現場でフッ素水でのうがいを行った結果、虫歯が激減した事例があります。
フッ素の利用については、賛否両論がありますが、子どもたちに将来にわたる健康リスクを背負わせないために、今、何をすべきか、社会全体で議論する時期に来ていると感じました。

投稿者:ロクいちスタッフ | 投稿時間:19時06分


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