妊娠で悩むあなたへ... 産前産後支援センターが開設
予期せぬ妊娠、親に言えない、どうしたらいいかわからない…。
妊娠にまつわる悩み、
ひとりで抱え込んでいませんか?
10月、福岡市に妊娠中から産後まで支援する
新しい施設ができました。
全国的にも珍しい施設の取り組みを取材しました。
(報告 米山奈々美)
【切実な声】
「若年妊娠」、「経済的困窮」・・・
10月、福岡市に開設した
産前・産後母子支援センター
「Comomotie」(こももティエ)に
寄せられた切実な声です。
開設から1か月の間に集まった相談は22件。
そのおよそ半数が25歳以下の若者でした。
センターには看護師や保育士の
専門スタッフ3人が常駐しています。
電話やメールなどで匿名でも相談に応じるほか、
病院や役所などへ同行する支援もしています。
支援コーディネーターの佐藤さんは
「彼女が妊娠してしまった」という男性からの連絡も含め、
想像していた以上の相談が寄せられているといいます。
「ニーズとしてはですね、高いのかなというのは
すごく感じています。
このコロナの影響で1人で抱え込んじゃってとか、
誰にも言えなくてっていうのも
あるのかなっていうのも感じています」(佐藤さん)
【出産前から滞在可能】
特に、家族やパートナーのサポートがなく
経済的に困窮している人や、
未成年など出産や子育てに
困難を抱える人は、
出産前からセンター内に滞在できます。
今まで、出産前にこうした理由で入所できる施設は
なかったということですが、
このセンターでは出産前から出産半年後まで
切れ目なく支援し、子どもが1歳半になるまで
状況確認などのアフターケアも行います。
さらに、就労支援も受けることができます。
企業と連携して実践的な接客講習や
社会人としてのマナー講習のほか、
資格の取得支援も行っています。
【利用者は・・・】
このセンターに身を寄せている
20代前半の女性が、手紙で心境をつづってくれました。
「夜泣きが大変。
すごいってきいてたけど、やっぱりすごかった」(利用した女性)
女性はことし4月新型コロナウイルスの影響で
仕事を解雇されたと言います。
妊娠中で新しい仕事は見つからず、
家賃が払えなくなりました。
家族とは疎遠で、パートナーは当時、未成年。
養育環境が整わないため、
出産直前にセンターに入り、
先月末に男の子を出産しました。
「子の1歳の誕生日までには彼と子どもと3人で暮らし、
安定した生活を送りたい」(利用した女性)
女性は、支援を受けながら、
自立に向けて一歩ずつ歩き始めています。
妊娠や生活の不安などから
病院の受診が遅れていた女性。
センターと出会いサポートを受けることで
1人で抱え込まなくてよくなりました。
支援にあたっている佐藤さんによると、性は、
「今回Comomotieと出会うことによって
本当に助かったし、ありがたかった。
他の人たちもそれを知ってもらいたい」と
話しているということです。
【若者とつながるために】
一方で、妊娠で悩む若年層は、
母子手帳をもらいに行けなかったり、
病院に行けなかったりすることで行政による把握が難しく、
支援が十分に届いていないのが現状です。
センターでは、若い世代とつながるため、
ツイッターでの広報に力を入れています。
会議では、どのような言葉で訴えれば、
悩んでいる人に届くのか意見が交わされました。
「検索しやすいキーワードの方がいいのかなと思うから、
『生理が来ない』とか。親に相談できない子とかも
いるから『親』のキーワードは
あってもいいかなと思うし」(佐藤さん)
センター長の大神嘉さんは、
今後、LINEなども活用し、
支援につなげたいとしています。
「とにかくSOSを出さないというか、
出すエネルギーがそもそもなかったり、
つながらない、公的支援が受けにくい、
そういった方々に手をさしのべることが重要だと思います。
赤ちゃんの未来を、そんな簡単に終わらせたくない」
【支援拡大を】
厚生労働省の調査では、
虐待を受けて死亡した子どもの
およそ40%が0歳児でした。
センターでは支援を通じて
虐待の芽も摘むことができればと考えています。
Comomotieのような
取り組みが全国に広がって、
悩みや困難を抱える妊婦の
支援につながってほしいと感じました。
▽Comomotie(こももティエ)の相談窓口はこちら
電話 :092-400-0780
メール:comomo@fukubo.or.jp
24時間無料で相談を受け付けています。
電話は、月曜~土曜(8:30~17:30)で専門職員が対応しています。
投稿者:ロクいちスタッフ | 投稿時間:16時01分 | カテゴリ:WEBいち! | 固定リンク