2020年06月01日 (月)梅雨を迎える植物たち
気象予報士の吉竹です。
梅雨入り前の青葉若葉のすがすがしい季節です。
閉園中だった福岡市植物園が再開されましたので、
久しぶりに園内を散策してきました。
前回行ったのが、桜が咲くころでしたので、2か月ぶりです。
すっかり緑が濃くなり、初夏の花たちが季節の移ろいを
実感させてくれます。
アジサイ(紫陽花)が色づき始めていました。
紫陽花は6月にかけての雨の季節に似合う花。
私は涼しげなブルー系の色が大好きです。
色づいているところはガクに相当する部分。
真花とよばれる本当の花は、このガクの部分のさらに内側に小さく咲きます。
紫陽花は色が次々に変わりますので別名「七変化」とも。
アマチャ(甘茶)です。
アジサイに似ていますね。
アマチャはアジサイの変種で、
このアマチャの葉っぱを乾燥して煎ずると甘いお茶になります。
お釈迦さんの誕生日にあたる4月8日の「花まつり」に、
お釈迦さんの像にこの甘茶をかけて誕生をお祝いします。
ヤマボウシ(山法師)です。
比較的背の高い木、この葉っぱの上のところに白い花が並びます。
街路樹でもよく植えられており、
遠くからでも山法師の白い花が目立ちますね。
真ん中にある丸い部分に花が咲きこれをお坊さんの頭に、
そして4枚の白い部分(花ではなく総苞片といいます)を
お坊さんの頭巾に見立てています。
よく見るとそう見えますね。
秋になると、小さい赤いゴルフボールのような実がつきます。
ハナイカダ(花筏)の実です。
気を付けてよーく見ないと、通り過ぎてしまいます。
桜が咲く時季に、葉っぱの真ん中に小さな花が咲きます。
雌雄異株なので植物園では雄と雌、2本の木が並べて植えられています。
5月下旬になると葉っぱの上に、小さい実が付きます。
そして、夏になるとこの緑の実が黒に変わります。
葉っぱを船に、実を船頭さんに見立てて「花筏」。
すてきな呼び名です。
ウツギ(空木)です。
幹が空洞なのでこの名前がついています。
別名、卯の花ともいいます。
卯の花とはおからのことで、
おからのように白い花ということですね。
丁度、この卯の花が咲くころに天気がくずつくことを
「卯の花腐し(くたし)」ということがあります。
湿度が高くなり、卯の花を腐らせるような梅雨のはしりという意味です。
5月下旬は晴れてすがすがしい日が多かったのですが、
福岡県など九州北部の梅雨入りの平年日は6月5日。
いよいよ梅雨前線が北上する気配を見せており、
今年ももうすぐ雨の季節を迎えます。
気温、湿度とも高く、蒸し暑い日が増えてきます。
時節柄、健康管理にはくれぐれも注意してお過ごしください。
投稿者:吉竹顕彰 | 投稿時間:11時22分