井上二郎

2017年10月04日 (水)ハムレット


廊下は走らない。老化が走ってくる。恐怖に走って逃げ回る、そうわたしは井上二郎。

ある日、ピコーンと携帯電話のメール着信音がなりました。見ると、もう何年かぶりの懐かしい名前。
その昔、私がドキュメンタリーの制作で全国を飛び回っておりましたときに知り合った遠くに住むお父さん。もう60、70代かしら。お元気でよかった!とメールを開封した瞬間。

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まさかの「年取ったね」確認メール。台風のニュースで全国放送に出たのを見ていただいたそうで。
読んだ直後の様子です。

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はぁ・・・。分かってはいるんです。そう、おじさんは43さい。加齢臭と戦ったり、鼻毛が白髪になったり、若者言葉の「ディスる(「悪口を言う」という意味。『ディスリスペクトする』から)」を「デスる」と言って「それじゃ重犯罪になっちゃいますよ」と若者に嘲笑されたり。

そうかぁ、まあそうだよな、でもなぁ、と、とぼとぼ歩いていると。
頭から「ジジ、ジジジ」という羽音のような音が。しばらく放置していましたが、なんかもそもそ動くような感覚があり、頭をささっと払うと。
ぴょん。

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コオロギのような虫が飛び出て、着地後絶命しました。

あふれる涙を抑えられませんでした。

もう虫しか寄り付かないおじさん。頭から虫が飛び出るおじさん。人に老けたと指摘され、虫に最期の場所と選ばれる、ああわたしはおじさん。

以上、すべて実話です。

この現状を受け入れるべきか、抗うべきか、はたまた恥を忍んでエステにでも行くか。それが問題だ。
ハムレットならどうするかしら。

そんなこんなでまた一日、年をとるのです。
でも、どうせなら笑いジワでくしゃくしゃになってやるぜ!

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投稿者:井上二郎 | 投稿時間:10時13分 | 固定リンク


2017年10月03日 (火)3か月が突きつけるもの


青ってどんな色?って言葉を覚えたての子どもに聞かれたら、「これだよ」って見せたいような空。

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こんな日は、絶好の何日和?
そう、きょうは「ボランティア日和」!

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もうすぐ3か月が経とうという九州北部豪雨で甚大な被害を受けた福岡県朝倉市。大量の土砂と流木に覆われた地域が広がります。

朝倉にも抜けるような青空が広がっていました。

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前回ボランティアに来たのは7月だったから、2か月ぶりのボランティア。その間何度か被災地取材をして、出会ったボランティアの皆さんから、「もうみんな終わったと思ってるでしょう。でも、これからやけん。これからって、ちゃんと伝えてよ」って託されました。

これから。これから。

そんなことをぼんやりと考えながら、ボランティアセンターで派遣の案内を待っていると「はい、では皆さんには、この3か月まったく手付かずだったお宅に行っていただきます」と社会福祉協議会の方からアナウンスがありました。車に乗り込み移動です。

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道中、隣に座った方とお話しをしていると「毎週ボランティア行ってるんです」とのこと。いろんなつながりも出来て、できる範囲でやってますから、と。とっても素敵な笑顔。

伺ったお宅は、本当に3か月、時が止まったままでした。あたり一面の灰色の土砂。かろうじて建つ骨組みだけの家々。
家の中は土砂と流木と家財が折り重なって、かがまないと家には入れず、立ち上がると天井にすぐ手が届きます。
3か月の時間で泥はセメントのようにかたまり、へばりついた布団一枚出せません。
マスクの隙間から入り込む埃にむせながら、「これから、これから」とつぶやいていました。

手を見ると、新品だった軍手に穴が開いてました。

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でも、この手でかきだした土砂なんて、運んだタンスなんて、ほんのわずかだ。なんにも役に立ててない。「これから。いや、これから、すらも言える状況じゃないかもしれない」。作業時間は終了を迎え、呆然と、ただ呆然として帰ろうとすると。

一緒に片づけしていたそのお宅の親戚の方が、いたずらっぽく話しかけてきました。「皆さんのために泥は片付けんと残しておくけん、またのお越しをお待ちしてます」ですって。みんなでひとしきり、げらげらげらげらお笑い。それで、「ありがとね、うれしかった」と。もう少しでも力になれれば、すいません。

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ボランティアセンターに戻ると千羽鶴が飾られていました。

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集まる気持ちです。「それじゃあ、また」出会ったボランティアさん達と連絡先を交換して、お別れしました。

あれから3か月。僕に出来ることを考える時間が続きます。

投稿者:井上二郎 | 投稿時間:10時37分 | 固定リンク


2017年09月14日 (木)びっくりしたなぁ、もう


この夏、観光地でソリのような遊びをやった際、安全のためヘルメットをかぶりました。

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こうしたものを装着すると、必ず「大~成~功」と言ってしまう、元祖どっきりカメラ世代の井上二郎です。あの番組、びっくりし過ぎて時々喧嘩になってましたね。どうでもいいですけど。

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いや生きていると日々驚かされます。最近「びっくりしたなぁ、もう」と口をついて出たのは。

その一。
「先輩、せ・ん・ぱ・い」。素敵な笑顔で呼びかける後輩。さわやかトーテムポールこと小宮山晃義アナウンサー

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私と同じくらいの身長ながらなぜか腰の位置がぜんぜん違うな、と妬みに満ちた視線を送っておりましたが、なんと!
「さっき健康診断行ったら、去年よりまた1センチ身長伸びて、189センチになってました!」
ええっ!!30超えてまだ伸びてるの?!このペースなら2028年に2メートルじゃん!・・・にしても、こっちとら年取ってきて年々縮んできてるというのに・・。びっくりしたなぁ、もう。そして悔しい。ねたましい。

その二。
家の近くの橋にて。穏やかな日差し。穏やかな川の流れを、やや微笑んで見つめるわたくし。この穏やかな微笑み、誰か見てくれないかしら・・好感度あがりそうだな・・・などとよこしまな思いに満ち溢れて歩いていると、ええっ!!ええエイ!!・・いや、ほら、エイ。

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川を悠然と泳ぐ「エイ」。

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まさかこんなところにエイが・・。いやちょっと大事件だと思い、大相撲の勢関が塩を取りに行くくらいのスピードで(分からない方、すいません)会社に行って少し調べたら、まあ時々あることらしいですね。川にエイが出没するのは。しかし、びっくりしたなぁ、もう。

その三。
ことしある調査会社のリサーチで、「『子どもが尊敬する人』の項目で、初めて『母親』が『父親』を抜いた」という記事を目にしました。
これはいかん。父親の沽券問題勃発。なんとか「お父さんすごい」を見せねば・・。しかし勉強はもはや追いつけず、流行の歌も分からない。ようし、じゃあこれで目に物見せてやろうではないか。
釣り。

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オヤジの尊敬回復の定番レジャーです。
釣れそうなポイントを探すそぶりを見せつけ、えさも豪快に手づかみで扱う様子も見せつけ、いざ仕掛けを投入!
ちゃぽん。
・・10分後。30分後。1時間半後。2時間後。

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天気晴朗なれども魚おらず。各員いっそう眠気退治せよ。びっくりするほど釣れず、出るのはあくびばかり。

と、そこへ。ええっ!!「ぼく釣れたよ!」

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ええっ!えっ!あ、あそう・・。よかった、ですね。
その後も威厳は見せられず。自分のあまりのふがいなさに一番びっくりしたなぁ、もう。

びっくりどっきり。だから人生はおもしろいのかも。そんなことを言い聞かせながら、また日々を生きています。

投稿者:井上二郎 | 投稿時間:14時10分 | 固定リンク


2017年09月08日 (金)ゴールデンスランバー


そろそろ書こうか書くまいか。
夏休みはとうの昔に終わってしまった。

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長い長い「ゴールデンスランバー」。

甘く見ていました。こやつを。

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仕事を始めればおのずとブログを書くだろうとたかをくくっておりましたが、こやつの易きに流れる性格。だらけにだらけてもう9月になってしまいました。「ブログ書いてください」。「ブログやめちゃったんですか」。沢山のお手紙をいただきました。すいません。

ぼんやりと福岡の街を見つめていた8月のひと月。

みんなでヒーローに手をたたく街。

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みんなで伝統を受け継ごうとする街。

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みんなで少しのお金でわいわい楽しめる街。

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みんなで住みやすくしようと力を合わせる街。

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みんなで亡くなった命に手を合わせる街。

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あらためて、いい街だな。

家へと続く道。
故郷へと続く道。

「黄金のまどろみ」から目を覚まそう。

この夏、この街でいろいろあって少し疲れていましたが、もう一度、また元のとおりに書き始めようと思います。

投稿者:井上二郎 | 投稿時間:10時31分 | 固定リンク


2017年08月02日 (水)できるかな


「でっきるかな、でっきるかな、はてはてフフー」。(フフーで良かったでしたっけ?ホホー?)
好きだったなぁ、のっぽさんとゴン太くん。出来るかな?と言いながら、できる範囲の材料で思わぬものができちゃう楽しさ。

何が出来るかな。いま自分は何が出来るのかな。

疲れと夏バテで体調があんまり良くなかったここ数日。今ボランティアはちょっとしんどいかも、と思った私ははて何が出来るのかしらん。

やっぱりもりもり食べて元気になろうということで、こちらに伺いました。
「三連水車の里あさくら」。九州北部豪雨で甚大な被害を受けた朝倉市の農産物直売所です。

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この直売所も土砂の流入で閉鎖され、先月25日、二十日ぶりに営業を再開しました。

今も、直売所の周囲は泥や流木に覆われています。

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隣接する公園も、一面の土砂と流木。

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でも、この日も沢山のお客さんが詰め掛けていました。

あれも、これも、どれも。
この災害を乗り越えて収穫された恵みの野菜。

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この災害に立ち向かいながら出荷した地元の皆さんの思い。新鮮な野菜の数々に、力をもらいます。

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たくさん買い物をして、さてこれ今晩何にして食べようかしら、などと考えていてそういえば。
夏といえばカレーか?天ぷらにしてざるそばなんか夏っぽいよ。夏といえば・・・。夏、夏、夏ココナツ。

くだらぬ話をしながら、たどり着いた「夏といえば」は「稲川順二」さんでした。やっぱり怪談話は欠かせませんよね。
そしたらそうそう、思い出したんです。なにやらこのあたりで最近妙な化け物が出るとの噂を。その名は「フーヒョーヒガイ」。なんでも実体はないのに人を遠ざけようとするたちの悪い化け物だそうで。
よし、退治してくれよう。

足を伸ばして朝倉市の観光名所「秋月」にて。

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筑前の小京都と呼ばれ、桜の時期や秋の紅葉時は色彩の美しさに惹かれて多くの観光客で賑わいます。私も去年の秋に伺いました。

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災害以来風評被害への懸念が広がっていて、あるお店はお客さんが10分の1にまで減ったということです。
ではご覧いただきましょう。今のこの美しい町並みを!息づく伝統を!

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どうだ!!フーヒョーヒガイめ!名物のカレーパンを食べて戦いの疲れを癒します。

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できるかな、できるかな。できたかどうか分からないけれども、できる範囲でできることを。
186センチののっぽさんは、またなにかやっちゃおうと思ったのでした。

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投稿者:井上二郎 | 投稿時間:10時20分 | 固定リンク


2017年07月20日 (木)2週間 思うこと


この2週間、たくさんの数字を読んだ気がしている。

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「亡くなった人はこれで○人となりました・・」。
「○人が行方不明となっています・・・」。
「避難生活を送っているのは○人で・・・」。

亡くなった方、行方が分からない方、避難生活を送る方。壊れた家の数、被害を受けた街の数。ボランティアにかけつけた人の数・・・。

紙に書かれた数字を、声に出して伝えている。

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でも。
1人の人には家族がいて、仲間がいて、つながりがその何倍もあって。
傷ついた心に涙を流しあう人々と、再び立ち上がる気持ちに喜び合う人々。

1棟の壊れた住宅には、何年何十年という思い出が詰まっていて。
柱の一本、机の一脚、タオルの1枚にも、暮らしが宿っている。


きょうもぼくは、「○人が・・」といい続けている。
でも。
数字以外の存在を、そこにつながる沢山の温度を、強く強く意識しようと思う。


2週間と1日目が、当たり前にやってくる。

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投稿者:井上二郎 | 投稿時間:10時40分 | 固定リンク


2017年07月18日 (火)いま、何が出来る


掻けども掻けども掻けども掻けども。
泥と土との格闘に終わりは見えない。

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息が上がる。目に汗が流れ込む。それでも土砂は、目の前にある。


ぼくの好きだったホタルの町は、壊れてしまった。

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ぼくの好きだった焼き物の町は、息をひそめている。

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長い長い道のりは始まったばかり。
浸水被害はほかの災害と比べても復興に人手がかかる。だからボランティアの人手が必要だ。

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傷ついて目の前が真っ暗なはずの家主さん。
「お茶がありますので休んでください」
「何もなくなったけど、トウモロコシゆでましたので・・」
本当にいいんですよ、本当に。
一緒にやらせてもらってるだけだから。

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九州北部の多くの被災地では、いま、少しでも多くの人手を求めています。
一日でも早い復興のために。いま、何が出来るだろう。

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投稿者:井上二郎 | 投稿時間:11時37分 | 固定リンク


2017年06月13日 (火)○リンピック


「Road to 2020」。東京オリンピックに向けて、いよいよ盛り上がってきましたね。我がロクいち福岡でも、東京に向けてひた走るアスリートをご紹介するコーナーが出来ました。

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そうなるともう黙っていられない男、井上二郎。オリンピック、ぼくも出場したい。入場行進したい。「ちょうきもちいい」とか言いたい。
何とかもぐりこめないかと思考をめぐらすこと40秒。はじき出した答えは「世の中に不可能はないかもだが、それはまちがいなく不可能」

でっ、でも、でもですよ。あったんです!わたくしが参加できる「リンピック」があったんです!頭が「オ」ではなく、こちら。

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そう、「『ガタ』リンピック」!有明海の広大な干潟を利用して、泥まみれの中さまざまな競技が行われるという、あの「ガタリンピック」。もう出るしかないでしょう。

会場は異様な熱気と盛り上がりです。

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泥の中を老若男女がひしめき合う。近代オリンピックの父・クーベルタン男爵もびっくりの光景が広がっていました。
さまざまな競技が用意されているこの大会。

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世界を飛び越えて宇宙からも参加です。

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いや、それにしてもみんなすごいですよ。泥はこんなにクリーミー。

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でもそんなのをものともせず突き進みます。

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沢田教一のような光景ひろがる。

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健闘をたたえあう姿はもはや前衛芸術のやう

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なぜそこまでするのか。そう、そこに「泥」があるから。

さあ、わたくしです。出場種目はこちら。

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「人間むつごろう」。動物と仲良くなるスピードを競うわけではございませんのよ。有明海の名物魚「むつごろう」のように、板に乗って干潟の上を這うようにして進む競技です。
出場に向け気持ちを高めます。緊張の夏、日本の夏。

そしていよいよこの大舞台での勝負を迎えました。もうわたくしの目の前にはスタジアム、そして大歓声と手拍子と無数の日の丸が浮かんでいます。

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「ようい」。鼓動、ドキン。「スタート!!・・・・」

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ああっ!遅れたか・・!ガンバレニッポン!!

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そして、ゴォォォール!!!・・・。

ご覧ください。43さい、激闘。

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おぢさん、がんばりました。
若者たちにはだいぶ遅れましたけど、なんとか完走です。ああ、楽しかった。

「この議案の意味は?」「この仕事の効率は?」「このスケジュールの見通しは?」日々追われているこんな言葉たちを泥の中に埋め込んで、ゲラゲラげらげら大笑い。「オリンピックは平和と青春の花園である」と言ったクーベルタン男爵は、もしかしたらこんな光景見てたんじゃないかしら、なんて。みんな笑顔のシャワー行列。

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金メダルの代わりに、ゆっくりした気持ちと、そして強烈な日焼けをもらった一日でした。

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投稿者:井上二郎 | 投稿時間:10時26分 | 固定リンク


2017年05月18日 (木)宝物


第16代アメリカ合衆国大統領エイブラハム・リンカーン曰く。「人は、40歳を過ぎたら自分の顔に責任を持たねばならない」。どんな人生を送っているのか、人の生きざまが顔に刻まれるということ。

わたくし、井上二郎の顔。
ご覧ください。

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・・・・。平坦なにやけ顔。刻まれるような人生ではなかったんでしょうか。これから頑張ろうと思うわたくし。

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実はこれ、とある高名な方に描いていただいた似顔絵なんです。
その方とは、こちら。

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漫画家の蛭子能収さんです。ヘタウマ漫画の巨匠、「無意識過剰」と称される異能の方。息子の結婚式で、『今日の式は中の下くらいのレベル』と新郎父として挨拶し、相手方親族を大激怒させてみたり、その土地の名物を勧められても「魚嫌いだから俺カレーください」と言ってみたり等々、エピソードには事欠きません。生きにくい世の中、このむき出し感がたまりません。私の大大大好きな方の一人です。(ゆえに最近の「いい人」とか「かわいい」的な風潮には少なからず違和感を感じておりますです)
その蛭子さんのインタビューを「ロクいち福岡」で放送いたしました。

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その際、「スタジオのキャスターの似顔絵を・・」とお願いしていただいたのが先ほどの絵。

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相方の林田アナの絵も実に味わい深い

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宝物。ありがたい限りです。願わくは汗も描いていただきたかった。スイマセン、贅沢なお願いでした。

しかしながら、「人生ってわからない」と、蛭子さんのお姿を見るにつけ思うのです。

学生時代にいじめを受け、看板屋、ちり紙交換、セールスマンなどを経て漫画家として活動するも、収入は低かったと言います。それが今や知らない人がいないほどの人気者。テレビのバラエティ番組には引っ張りだこ、映画にも主演するほどです。苦労を重ねていた蛭子青年は、後々こんな人生が待っていると思ったでしょうか。

そうそう、私、以前店主を務めていた「知恵泉」という番組から、店内改装にあたって額や小物に書けるような「ことば」を寄せてもらえないかというお話を頂きました。

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よし、初代店主ここにありを見せてやろう、イイこと書いてやろうとうんうん唸って、まあ出ない出ない。
で、アタマにずっと浮かんでいたのが「人生ってわからない」ということ。
で、こんな言葉を贈りました。

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「迷子が拾う宝あり」
分からないことをあれこれ悩んだり計画ばかり立てたりしても、歩いてみればわからない。まっすぐ歩いてるつもりだったり、思わぬ分かれ道に出くわしたり、よくわからない道で迷い込んだり。そのつど目の前の景色を一生懸命見つめるしかないんですよね。
自分自身も、まさかアナウンサーになって皆様の前でおしゃべりをするなんて、夢にも思わなかったし。
迷って迷って、迷って歩いて振り返ったら、抱えきれない宝物を背負ってた。

蛭子さんからもらった宝物を見つめながら、あらためてそんなことを考えていました。

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投稿者:井上二郎 | 投稿時間:17時08分 | 固定リンク


2017年05月16日 (火)呼ぶ男


もうこのネタで押すのは嫌なんです。というか、そろそろ本当に怒られそうで怖いんです。でも、告白します。

そう、それは連休前半のこと。休み前の気象情報では、連休前半がお天気が良いとお伝えしました。

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気象情報は当たり、3日は最高のお出かけ日和の休日となりました。

あの男が出かけるまでは。

出ました。この顔あの男。

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どこにでも現れる中年、井上二郎。福岡県東峰村の伝統的な焼き物、「小石原焼」の陶器市があると聞いてやってきました。

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小石原焼、ご存知でしょうか。

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「飛び鉋」という独特の模様。日常使いの器として作られたものですが、「用の美」と言われる実用の美と、そぎ落とされた洗練の美が際立つ、私の最も好きな器の一つです。
そんな小石原焼のおよそ50の窯元が集まる地区で大陶器市があるとなれば、行くしかないでしょう。普段の2割引きほどの商品が目白押しらしいし。
あれもこれも目移りして困っちゃう。

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うららかな日差しの中で、たくさんの人が訪れていました。

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とその時。

ゴロゴロゴロ・・・。

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おお神よ、雷様よ、高木ブー様よ。なぜわたくしの行くところ行くところに雨雲を遣わせたもう。両手をあげて抗議のわたくし。

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しかしこんな写真、あります?どう見ても私の立つ局地的に黒雲が広がっているではありませんか。雲よ、あっちへ行ってくれ。筋斗雲なら呼びたいが、豪雨雲はお呼びでないのよ。ほら、あっちへ・・・。

あっち・・・・。ポツ、ポツ。

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いや、だからあっ・・・・。・・・ズァアアアアア・・・・。

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「・・、もういや・・、なにがお出かけびより・・。なんとか・・してよ・・」。妻、涙の訴え。
そして僕は途方に暮れる。

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お詫びに欲しいって言ってたお皿たくさん買うから許してください。

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・・・んにゃ、待てよ。これって「お詫び」の対象なのか??釈然としない思いがレジの後に湧き上がる。

ま、でもいいか。
素敵な器に囲まれて、きょうは何を食べようかしら。暮らしを彩る仲間が加わりました。

投稿者:井上二郎 | 投稿時間:11時00分 | 固定リンク


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