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宮崎に行ってきました。

2022年11月11日 (金)

11月11日(金)放送のはっけんラジオでは、宮崎特集を担当しました。取材のため訪れたのは、京都大学防災研究所宮崎観測所。宮崎市内から川の側道を上っていくこと30分。小高い丘に観測所がありました。

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 お話しいただいたのは、京都大学防災研究所・宮崎観測所助教の山下裕亮さん。今年3月に政府の地震調査委員会が、日向灘で起きる地震の想定を見直したことを指摘し、今後も日向灘の地震について注意深く監視していく必要があると話しています。

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 ―宮崎県沖の地震が注目されているのはなぜ?

 

宮崎県にある日向灘というのは、もともと地震が多いことで知られている。南海トラフの巨大地震の想定震源域に加えられたことで、より注意深く評価されるようになった。

日向灘で津波を引き起こしうるマグニチュード7から7.5程度の地震は、数十年間隔で頻繁に起こっている。近年の地震は通常の日向灘の地震活動のサイクルの中で起こっていることだとみている 。一方、政府の地震調査委員会は、ことし3月に従来の想定を見直した。これまで、国はマグニチュード7クラスの地震までしか日向灘では起こらないとしていたが、 研究や解析が進んでいく中で、日向灘でもマグニチュード8クラスのいわゆる巨大地震というものが起こる可能性に初めて言及していることで、改めて注目されている。

  

―日向灘で起きる地震で警戒すべきところは?

日向灘の地震は、宮崎県の人々からすると、とにかく足元で起こる地震。震源に近いので、強く揺れた後にすぐ津波がやってくる。必ず第1波が最大になるわけではないが、第1波が到達する時間は十数分だと見積もられている。「強い揺れ」と「早く来る津波」に警戒が必要。

 

―日向灘で何が起きているのか?

日向灘の海溝軸と呼ばれるプレートが沈み込み始めるころがあるが、この近辺で起こっている現象がここ10年でよく分かってきた。 プレートの比較的浅い場所で起こる「スロー地震」が起きている。東日本大震災のときには、このプレート境界の浅いところが50メートル以上動いたと言われている。研究者の間でも教科書が変わるくらい意識が変わった地震だった。プレートの浅いところで地震が起きると、断層がちょっと動くだけでも海面がかなり動く。そして、すぐに津波になる。

プレート境界の浅いところは今までほとんど注目されなかったが、津波を起こす点ではものすごく危険な場所である。実際に何が起こっているか、この10年ぐらいやっと研究が進んできたが、まだ10年程度ともいえる。分かってないこともまだまだ多く、観測を継続していろいろな蓄積をする必要があるというのが現状だ。

 

―監視体制は見直されているのか?

日向灘では海底ケーブルによる海底地震観測網の整備が進められている。N-netと呼ばれている。これが完成すれば、海底の観測測器によってリアルタイムでデータが流れてくるので、津波の予測精度が格段に向上し、到達予想時刻の精度も上がることになる。海底ケーブルによる観測網は、東日本大震災以降、東北から整備を進めてきたが、実は四国の西側から日向灘だけ整備が終わっていないのが現状だった。リアルタイムで提供される情報をどのように活用するか、今後、国だけでなく報道機関も含めて具体的な検証が必要だと考えている。

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