2019年11月11日(月)
出演者:食探案内人 北川玲子キャスター
「アマダイ」の魅力を発見するシリーズ第2回。赤い姿と、白身の濃厚な味が特徴の、「アマダイ」。
大きなものは「若狭ぐじ」と呼ばれ、一匹1万円を超えるものもあり、京料理では欠かせない高級食材です。
そのため、家庭料理で使うには、手が届かないと思われがちですが、地元ではお得に買える場所があるんです。港近くの若狭小浜お魚センターを訪ねました。早速、アマダイを発見。数百円のものから千円ちょっとのものまで、大きさにもよりますが、ブランドの「若狭ぐじ」よりは、お手頃な値段で手に入ります。どうしてこんなに安いのかというと、その理由の一つが、わずかなうろこのはがれや傷み。ブランド向けのアマダイは、はえ縄漁でとるのが普通ですが、他にも底引き網にかかって傷がついたものは安いんです。また、はえ縄でとったものでも、ブランドの若狭ぐじにならない500gより小さいものは、安くなり狙い目です。
この手頃なアマダイで、家庭で簡単にできるレシピをプロに習います。
まず、教えてくれたのは、水産加工会社の浜田治清(はまだ・はるきよ)さん。アマダイの加工を30年手がける、浜田さん。その中で重要なのがアマダイの塩ふり。身のやわらかいアマダイは一塩すると崩れにくくなり、うまみも増すと受け継がれた技です。そんな浜田さんおすすめは、レンジで2分でできる「アマダイの酒蒸し」。調味料は、塩・塩昆布・酒・白だしの4つだけ。それを合わせてレンジで温めるスピード料理です。身がやわらかいため早く火が通り、短時間でもアマダイがふっくら仕上がります。塩こんぶと酒がアマダイのうまさを引き出します。
続いては、イタリアンでおしゃれにアレンジ。地元の食材をよく使うという、杉崎由浩(すぎさき・よしひろ)さんのお店を訪ねました。作るのは、クラムチャウダーならぬ、「アマダイチャウダー」。牛乳としじみでソテーしたアマダイを煮る料理。日頃から牛乳料理を作る杉崎さんは、アマダイと牛乳の相性のよさに気づきました。牛乳のまろやかさや甘みがアマダイの甘さを引き立てるんです。さらに、牛乳が魚のうまみを包み込むと杉崎さんは話します。味は、飽きずに毎日でも食べられほどさっぱりしていて、牛乳がアマダイのうまみを包みこむ優しい味でした。
手頃な値段で手に入る、アマダイ。家庭でもいろんな味で楽しめる可能性を感じました。
「アマダイの酒蒸し」
「アマダイチャウダー」