2016年5月16日(月)
出演者:食探料理人 野路直美さん/食探案内人 ヶ内芽衣
うまみたっぷりの昆布を、職人が手作業で薄く削り出す「おぼろ昆布」。
その生産量の全国シェア85%を誇る敦賀市では、古くは北前船の時代から、盛んに昆布の取引が行われてきました。昆布の卸と小売りを手掛ける老舗会社の倉庫へ行くと、所狭しと並ぶのは主に北海道産の昆布。
長いものは15メートルにもなるという昆布は、ここから京都の料亭やフランスなどの海外に運ばれていきます。
昆布の流通ルートの拠点となった敦賀では、付加価値をつけるため、加工技術が発達。
一度結んだら離れない、縁起ものの昆布といったものも作られていました。
今回は、市内のおぼろ昆布を作る工房を訪ね、職人の小渡高志さんのもとで食材を調達。
職人が削り出す昆布の厚さは0.02ミリ以下。透けるほど薄い昆布を生み出す秘訣は、「アキタ」とよばれる包丁への工夫にありました。
よく研いだ専用の包丁に、カミソリを斜めに当て、滑らせる小渡さん。すると僅かに包丁の先が曲がり、昆布を引っかけやすくなるのです。
アキタの由来は、アキタさんという職人が考案したから、とも言われていますが、諸説あり、確かなことはわからないそうです。
今回はこの口に入れるととろけ、薄くてもうまみたっぷりの昆布を使い、料理を作りました。
うまみとろける おぼろ昆布包みシューマイ
肉汁をうまみたっぷりの昆布が包み込み、おいしさが何倍にもアップしたシューマイ!
とろける皮の食感も魅力です。
<皮>
<タネ>
<その他>
【下ごしらえ】
・キャベツの芯を取り、葉は一口大のざく切りにし、フライパンに敷く
・キャベツの芯をみじん切りにする
・えんどう豆はさやから出して片栗粉をまぶす
【タネ作り】
・ボウルに豚ひき肉、醤油、紹興酒、しょうが汁を入れ、手早く練り、混ぜ合わせる
・ボウルの端に肉を寄せ、空いた所にキャベツの芯、ねぎのみじん切りを入れる
・野菜だけに片栗粉をまぶしたら、全体をよく練り、混ぜ合わせる
・タネを一口大に分け、両手で丸めておく
【仕上げ】
・広げたおぼろ昆布で、一口大のタネを巻く
・えんどう豆を埋め込み、フライパンに敷いたキャベツの上にくっつかないよう間を開けて並べる
・中華スープと紹興酒を加え、ふたをして強火で1、2分
・蒸気が出てきたら、弱火にして10分間蒸し焼きにする
・お好みで醤油、山うに、からしなどを付け、いただく