トップページ > ニュースザウルスふくい > ほったび


ホットな旬の話題を発掘し、「ほっ」とする旅の情報をお届けします

放送日:2015年10月6日(火)
出演者(ほっ旅人):石井アナウンサー

 “旅する文庫”で作る秋の思い出

福井県内には、読書と旅を同時に楽しめる取り組みがあります。
訪れたのは、3年前にオープンした古民家を改装したカフェ。店の真ん中に、およそ100冊の本が並べられた本棚が置かれていました。
これは「タビスル文庫」。読書と旅を同時に楽しめる仕掛けです。
村上春樹など人気作家の小説や、ビジネス本など、店長が読み終えた古本を、誰でも自由に借りることができます。



「タビスル文庫」に参加するお店や施設は、県内に30か所以上。旅人は読みたい本があれば無料で借りることができます。何冊借りてもいつ返してもOK!
ただし、借りた店とは違うところまで旅をして返すのがルールです。本をきっかけに様々な場所を旅してもらい、地域の活性化に繋げようと、まちおこしに取り組むNPOが2年前に始めました。
石井アナウンサーが興味を持った本は、銀座のベテラン理容師が書いた本。
読むと髪を切りたくなった石井アナウンサー。
本を置くお店をホームページで探すとなんとヘアーサロンのお店が!早速本を借りて、旅にでました。



次に訪れたのは港町、敦賀市です。ヘアーサロンで貸し出している本はすべて小説。
その数は300冊以上!中でも目を引くのは歴史小説。真田昌幸や新撰組など、自らの力で時代を生き抜いた人物の小説が20冊ほど並んでいました。
店長の森田聡さんは、お店を経営する中で、小説に登場する歴史上の人物に自分を重ね合わせてきたといいます。
そんな森田さんが社会人3年目の悩める石井アナウンサーに紹介してくれたのは、「新撰組」の短編小説。隊員たちが様々な悩みを抱えながら生き抜く姿が描かれています。

本を愛する森田さんから、また1冊を借りて、旅を続けます。



最後に訪れたのは、南越前町今庄です。北陸と関西を結ぶ宿場町として栄えた趣のある地域です。
訪ねたのは、300年以上続く酒造会社。中にある本棚には、有名な海外の小説など、およそ60冊が並べられています。

ここでこれまでに借りた本を返し、新しい1冊を見つけます。
代表の京籐禎子さんは訪れた旅人に、お酒の魅力や地域の歴史を伝えようとしています。その理由は、変わりゆく地域の実情にありました。この町に住む人が減り、今庄の風情や活気が失われてきているのです。本をきっかけに訪れた人に、今庄の良さを知ってほしいという京籐さん。ここで日本酒の本を新たに貸してくれました。

本をきっかけに県内を巡った旅。1冊1冊が、新たな出会いと思い出をもたらしてくれました。


過去の放送はこちら