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放送日:2015年6月2日(火)
出演者(ほっ旅人):石井隆広アナウンサー

 三国祭 〜山車に込めた思い伝える〜

福井県坂井市三国町。かつて北前船の寄港地として栄えた港町が1年で最も賑わいを見せるのが、「三国祭」です。
名物は6メートルもある武者人形の山車。毎年、各地区が交代で人形を制作し、6基が町を練り歩きます。


この中で8年ぶりに登場するのが「永代櫻山車」。唯一桜の形をした山車です。桜山車はすべて桜町区の町民の手によって作られます。
寺澤勝恵さんは45年以上桜を作ってきました。細長い紙をねじってこよりにし、花びら型に切り抜いた紙に通せば桜の完成。町民によって2万5千個もの桜が作られました。
かつて、桜町区も人形山車を奉納したことがありましたがその年に大火事が起こりました。それ以来、桜山車の奉納を続け、さらにこの桜は町を守る火除けのお守りとして台所などの火元で大切にされているのです。

 


いよいよ8年ぶりの巡行の日。狭い住宅街を12時間かけて進んでいきます。見どころは張り巡らされた電線をいかによけながら進むか。露店も屋根を跳ね上げて山車が通りやすいように協力します。さらに見せ場となるのが、連続する曲がり角。山車は曳き手がタイミングを合わせなければうまく曲がることができません。
そこで中心となるのが島形将洋さん。小さい頃からいつかは自分が中心となって山車の指揮をとりたいと憧れてきました。島形さんの一声に合わせて全員が息を合わせます。

12時間に及んだ巡行もいよいよ終盤。
桜山車は小屋へ・・・。と思いきや、入るのを惜しんで何度も小屋の前を行ったり来たりをくり返します。
これが恒例の終わり方です。桜山車が小屋に入ると町民からは拍手が起こりました。
町を守るために260年前から続いてきた永代櫻山車。その思いを込めて今年も桜が咲き誇りました。

 

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