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放送日:2015年2月3日(火)
出演者(ほっ旅人):石井隆広アナウンサー

 歴史が息づく街 〜小浜市・西組〜

訪ねたのは小浜市の中心部にある西組地区
室町時代、後瀬山に築かれた城の城下町として栄えました。街には今も歴史を感じさせる町並みが残っています。
山のまわりには寺社仏閣が多くあり、古くから伝わる信仰の心が今でも根付いています。
1月の寒の入りを迎えると毎朝、修行僧たちが、街を巡る姿が見られます。
厳しい修行に励む僧侶へのねぎらいを込めて、街の人たちは100年以上寄付を続けてきました。


町並みの中にも、信仰を大切にする心を感じることができます。
「身代わり猿」と呼ばれる街の人たちが作った人形です。この街で生まれ育った大田麗子さんが案内してくれたのは、「身代わり猿」が根付くきっかけとなったお堂です。このお堂では、370年前から厄除けとして猿の人形を吊るしてきました。小浜藩主、酒井忠勝の孫の健康を祈るため、その干支にちなんだ猿の人形が作られたのです。
災いを受けとめてくれると地元の人たちに大切にされています。


江戸時代から茶屋街のあった西組。かつては100人近くの芸妓たちが宴会に華を添えていました。
今、芸妓がいる店は一軒だけ。ももさんは、店でたった1人の芸妓として、その文化を受け継いでいます。母の真里さんもかつては芸妓。忙しい母を見ながら育ったももさん。幼い頃は芸妓になりたいとは思わなかったといいます。
しかし、一度は違う仕事についたものの、伝統を1人で守る母の姿に惹かれ、30歳の時、芸妓になりました。
街に伝統を灯し続けたいと、ももさんはきょうもお座敷に立ち続けます。
※西組では芸子のことを芸妓と記すため、番組ではその表記を用いています。

料亭の隣には、古民家を改装したというカフェがありました。
改装したのは、かつて旅館を営んでいた、河野泰夫さんが生まれ育ち、今も暮らしている自宅です。
柱や梁は当時のまま。モダンな雰囲気に包まれ、ひそかに若者たちの人気を集めています。
目を引くのはハート形の切り込み。戦後間もない頃に作られたもので、華やかだった街のなごりです。
階段下にある引出しは、母親が使っていたもので、洋服の作り方が記された雑誌や、河野さんが小学生時代に書いた日記が出てきました。河野さんは、古いものだからこそ味わえる魅力があると言います。
時を刻んだ物にだけ宿る温かみ。それを大切にする人々の心に触れた旅でした。

 


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