2017年08月26日放送放送内容まるわかり!

誰がどこで引き受ける? どうする"核のゴミ"処分

先月、国は原子力発電所から出る高レベル放射性廃棄物、(=「核のごみ」)の処分場の選定に向けて、科学的に候補地となりうる可能性がある地域を示した初めての全国地図を公表。今後、説明会を開くなど自治体や住民へ働きかけていく方針です。 国は、地下300メートルより深く埋めることで安全は確保されるとしていますが、不安の声も少なくありません。社会の納得を得ながら議論を進められるのか? 専門家とともに考えます。

今週の出演者

専門家

近藤 駿介さん 原子力発電環境整備機構(NUMO)理事長
竹内 純子さん 国際環境経済研究所 理事・主席研究員
伴 英幸さん 原子力資料情報室 共同代表
水野 倫之 NHK 解説委員

ゲスト

カンニング竹山さん(タレント)
三田 寛子さん(女優)

今週のグラフィックレコーディング

グラフィックレコーダー
山田 夏子さん


首藤 アナウンサー
VTRにも出てきましたこちらの地図なんですが、
科学的特性マップといいます。濃い緑と薄い緑に塗られたところは、科学的に見て核のゴミの処分場の候補地となりうる可能性がある地域を示しています。
ゲストおふたり、竹山さんと三田さん、お住まい、東京でいらっしゃいますよね。

カンニング竹山 さん
そうですね。

首藤 アナウンサー
東京もですね、見てみますと、緑のところ、23区内でもあるんですよね。どうご覧になりますか?

三田 さん
東京とかは都会ですから、ものすごく多いエネルギー使ってるわけだから、何らかの形でみんなが協力できるっていうことを漠然と考えますけど、どうなんですかね。

カンニング竹山 さん
でも、自分の住んでる町は、本当は言っちゃいけないのかもしれないけど、嫌だっていうのが本音ですよね。

首藤 アナウンサー
街の声もほとんどそうでした。そもそも国はいったい何のためにこの核のゴミマップを発表したのか。核のゴミってそもそもいったいどんなものなのか。田中アナウンサーのプレゼンで教えてもらいます。


プレゼンテーション

田中 アナウンサー
おはようございます。難しい話ではあるんですが、

私たちにとって電気って身近ですよね、なくてはならないものですし。

竹山さんの模型を作ってきました。

三田 さん
似てる。

カンニング竹山 さん
よくできてるなあ。

田中 アナウンサー
竹山さんもね、使うでしょう、テレビ見たりね。

カンニング竹山 さん
もちろん、毎日使ってますよね。

田中 アナウンサー
欠かせませんよね。火力発電、風力発電、水力発電など、さまざまあるんですが、今回のテーマ、核のゴミが出る発電所というのは原子力発電所です。

ではこの原子力発電がどのように電気を作るのか、ざっくりと説明しますね。
電気を生むにはタービンが回るということが必要なんですが、タービンを回しているのは蒸気です。蒸気はどうやって発生するか。お湯を沸かして発生します。お湯はどうやって湧かすの? 核燃料棒でお湯を沸かします。
この核燃料棒って、核分裂を起こしてものすごく熱くなるのでお湯が沸く。蒸気が出て、タービン回してというのがざっくりとした説明です。
この核燃料棒の原料ってなにっていうと、自然のものです。

山から取ってくるウラン。ウランの鉱石を加工します。この核燃料棒の最小の単位が、高さ1センチ、直径1センチのペレットと呼ばれるものです。

これ。
竹山さんのような一般的な家庭で、これがあればどのくらいの期間、家の電気がもつと思いますか?

首藤 アナウンサー
これ1個で?

カンニング竹山 さん
小さいの1個で?

田中 アナウンサー
かなりちっちゃいですよ。

カンニング竹山 さん
そんなにもたないんじゃない? そんなものすぐ燃えちゃうでしょ、だって。

首藤 アナウンサー
1週間とか、2週間とか、1か月とか?

田中 アナウンサー
実は8か月分。

カンニング竹山 さん
えっ、それで? いま手にのってるやつで?

田中 アナウンサー
これだけで8か月分の電気が賄える。

カンニング竹山 さん
えぇー。

田中 アナウンサー
これが300~400詰まってるのが1本の棒なんですよ。ものすごい大きな力を生むのが原子力。ただ、いいことばっかりではありません。
これ、ずっと使えるわけじゃないんです。寿命が来ます。そうすると、「使用済み核燃料棒」になります。もう役割は終えているんですが、まだまだ高温で、そして、放射線量がものすごく高いんです。なので、各原発の施設で空気に触れないように水を張ったプールに保管するんですが、ものすごく危険です。
6年前、原発事故が起きました。東京電力福島第一原子力発電所。停電によって一時、この使用済み核燃料棒も冷やすことができなくなりました。あの時はなんとか復旧しましたけれども、もしあのままこれが空気に触れ続けて溶け出したら、放射能汚染が東日本のもっともっと広い範囲に広がった可能性もあった。これがいま日本でこれだけ貯まっています。

三田 さん
うわぁ、すごーい。

田中 アナウンサー
日本で原発が動いて51年たちます。51年たまり続けた量です。51年間、処分できなかった。国は原発を動かすと決めた時に、これが出るということは分かってました。でも、じゃあこれどうするの?っていうのは決めませんでした。

三田 さん
えぇー。

カンニング竹山 さん
決めなかったんだ。

田中 アナウンサー
決められませんでした。

三田 さん
ちょうど51年って、私いま51歳なんで。

カンニング竹山 さん
じゃあ、生まれた時ですね。

三田 さん
ねえ、自分が生まれた時に開始して。でも、素朴な質問なんですけど、なんでその時にそんな大事なことを決められなかったんだろう?

田中 アナウンサー
そこですよね。

カンニング竹山 さん
そうですよね。

田中 アナウンサー
そこをちょっと見ていきましょう。世界中の専門家は考えてましたよ。これどうするの? 危ないよね。私たちの暮らしからなるべく遠ざけたところに処分しなきゃだめだなっていうことで、いろんな案が出ました。

まずは、海の底に捨てよう。

カンニング竹山 さん
水の中だ。

田中 アナウンサー
でも、ちょっと心配ですよね。環境的にね。

三田 さん
溶け出したり、浮いてきたりとか。

田中 アナウンサー
ということで、条約で禁止されました。それはだめです。それはやっちゃだめです。ということで、これはなくなりました。じゃあ、これはどうか。

南極の氷に埋める。

三田 さん
えぇー、ちょっと。

カンニング竹山 さん
作業が大変じゃないですか。持っていくの大変だし、氷を掘るのもね。

田中 アナウンサー
ねえ。どうなるんだろうって分からないし、これも環境的に条約でだめになりました。

首藤 アナウンサー
宇宙? 行けるんですか?

三田 さん
1万8000トン、ねえ。

カンニング竹山 さん
いちばん危ないのは、ロケット的なものに載っけて、失敗したら、核ぶわーって、上空でなっちゃうんでしょ。

田中 アナウンサー
それなんですよ。

カンニング竹山 さん
100%じゃないですもんね。

田中 アナウンサー
100%じゃないっていうところが怖くて、そうなったら世界規模です、放射能汚染。これは現実的じゃないですよね、

ということで、いま世界の主流は地中に埋めるという考え方。地層処分といわれるものです。地中に埋めるといっても、じゃあこれどうするの? 日本の計画を見ていきます。
まず、日本はこれを作ります

再処理工場。青森県にいま建設中なんですけれども、ここに使用済みの核燃料棒を一時的に移します。再処理工場ですから、何をするかというと、

まだまだ使える物質があると。それは取り出すと。で、もう1回使う。そうすればゴミの量も減るだろうというふうに、まずリサイクルをするんです。
でも、全く使い道のない液体が残ります。その液体をガラスと固めたものを詰めたのがこれ。それがきょうのテーマ

"核のゴミ"なんですね。ガラスと固めてこういうふうにしているんですが正式には、高レベル放射性廃棄物と言います。単位に表すと、毎時1500シーベルトという。ちょっと分からないですけどね。

カンニング竹山 さん
でも、すごいですよね。1500というのはとてつもない数値ですよね。

田中 アナウンサー
これね、私が仮にこんな近づいたら、20秒ともたず、命を落とします。

カンニング竹山 さん
そのケースに入れててもですか?

田中 アナウンサー
入れててもです。

カンニング竹山 さん
出てるんだ。

田中 アナウンサー
1500シーベルトというのは、私だけじゃなくて、スタジオにいる皆さん、20秒ともちません。そのぐらい危険なものが、いま日本でこの容器にして2万5千本分あります。

カンニング竹山 さん
ちょっと疑問ですけど、いいですか? そんなに危ないものを地下に埋めても、地下から。

田中 アナウンサー
竹山さん、そこ。

カンニング竹山 さん
うわーっと出てくるんじゃないのっていう。

田中 アナウンサー
あんなものを10メートルそこら掘ったってだめです。

300メートルぐらい掘ります。東京タワーがすぽっと入るぐらい。

カンニング竹山 さん
あんな高さ。

田中 アナウンサー
ここに埋めますが、

これ、まだまだ高い放射線。
日本の地層っていろんなリスクがあります。

活断層、ひび割れたらどうしよう。火山あったらどうしよう。こういう場所は避ける。
でもね、下行っても、地下水は、日本には、豊富にあります。この水が核のゴミに触れて、汚染された水が地上に上がってきて生活用水になったら、私たちの暮らしに影響ありますよね。

三田 さん
大変なことになりますね。

田中 アナウンサー
これはなんとかしなければいけない。ということで、これを直接埋めるのではなく、水に触れないように、

まず核のゴミを厚さ20センチの金属で覆います。これで直接水を触れないようにして、さらに水を通さないように、厚さ70センチの粘土でさらに覆うと。

首藤 アナウンサー
1本1本?

田中 アナウンサー
1本1本やります。ここまでやらないといけないわけです。で、300メートル掘りましたけれども、その土を埋め戻す。こうすることで、放射性物質が地上に影響はないだろうと考えられています。まだ試したことがないので分かりませんが。
いま20秒でも死んじゃうこの危ないものが、電気を生み出す前のウラン鉱石並みの放射線量に戻るのにどのくらい期間かかると思います?

首藤 アナウンサー
何年?

カンニング竹山 さん
1500シーベルトだったら、年のレベルじゃないんじゃないですか? 万年。

田中 アナウンサー
竹山さん、鋭い。

10万年。

カンニング竹山 さん
2桁いっちゃうんだ。

三田 さん
10万年?

田中 アナウンサー
10万年です。

首藤 アナウンサー
ちょっと想像がつかない。

カンニング竹山 さん
10万年前ってどんな世界ですっけ?

田中 アナウンサー
10万年前は、私たちホモサピエンスの祖先がまだアフリカにいて、これから世界にちょっとずつ出てこうかなっていうぐらいの時です。

三田 さん
はるか遠い。

首藤 アナウンサー
言葉も何もかもが違う。

田中 アナウンサー
これから10万年後、私たちはこの形をしてるかどうかも分からないぐらいの壮大な話です。
国は15年前から各市町村、全国の市町村に、これ、どこかやってくれるとこありませんか? 受け入れる、受け入れない、まず工事の前に、最初の調査の段階で手を挙げてくれたら、交付金として20億円出しますがどうですかって言ったんですが、いまのところ1つもまだ調査をしている市町村はありません。

三田 さん
一瞬手を挙げられたね。

田中 アナウンサー
そういうところはありましたけれども。実際始まったとこはゼロです。国も、待っててもしょうがない、だめだということで、先月このマップを公表したと。
先ほどの説明もありましたけれども、火山とか資源がある以外のところ、薄い緑、濃い緑のところは、これから地層処分ができうる可能性のある地域。原発ができて51年たって出てきたこの地図ということなんですよ。
こうしてるうちにも、いま原発日本動いてますからね。電気を使うと、核のゴミは出続けるわけです。

首藤 アナウンサー
いまこの瞬間も。

田中 アナウンサー
どうしましょうという話です。

首藤 アナウンサー
先ほど、三田さんの疑問にもありましたけれども、51年前に原発ができた時に、ゴミが出ることは分かっていたわけですよね。それを考えなかったのか。近藤さんは長く原子力の専門家でいらっしゃいまして、核のゴミの、まさにこの地層処分を進める機関のトップでいらっしゃいます。その点、どうでしょうか。

近藤 さん
日本では原子力発電が本格的に始まる1970年ぐらいから、この問題は重要だと考えて研究開発は始めたんです。
原子力発電所から、実は低レベルの廃棄物も出るんですよ。これは冷やす必要もないですから、すぐ処分できるので、これについてはすでに青森県六ヶ所村に処分場ができているんです。毎日皆さん全国から運び込んで処分しているんです。
ですけど、高レベルの廃棄物は、いまお話しのように、ずいぶん長く冷やしておかないと地下に持っていけないんです。だいたい40年、50年かかる。冷やすだけでですね。

首藤 アナウンサー
40年、50年、まず冷やさないといけない。

近藤 さん
だいたい1990年ぐらい、日本も地層処分をしようというふうに決めまして、2000年に私どもの組織を作って、そして、皆さんから電気料金でこの処分のための費用もいただく制度も整備して、それで私ども、2002年ぐらいから、この処分場は、こういうものですよと、安全性はこういうものですよ、こんなリスクがありますけどどうですかと。まず地下の調査をしなきゃなりませんので。地下の調査をさせてくださいというお願いを、日本全国の自治体にお手紙を書いて申し入れたんです。
それで、待ってた。いろいろ説明会もやりました。お話にあったように1か所から手が挙がったという、そういう状況で、さぼってたわけじゃないんですけど。

首藤 アナウンサー
さぼってたわけではない。

近藤 さん
一生懸命やってたんですけど、迫力が足りなかったかもしれないなと反省はしています。

首藤 アナウンサー
伴さんは市民の立場から原子力について考えて提言されていますけど、どう思われますか? この状況。

伴 さん
先ほど、埋め戻して10万年安全なんだっていうんだけど、いずれ漏れてくるんですよ、これは。避けられない。

カンニング竹山 さん
いずれ漏れる。

三田 さん
えぇー。

伴 さん
人間環境にまで来る。そういうものであることについてわりと軽視していて、なんとかなるんじゃないかというふうに安易に考えて、電気を発電して売るというのを優先してやってきたのがあるんじゃないかと思うし、加えて、原子力は国策だというのが強いので、電力会社は国策としてやっているから、ゴミぐらいは政府のほうでなんとかしてくれないかというような、ちょっと安易な気持ちがあり、政府のほうは、いやいや、発生者の責任だよっていうふうなことで、なかなかこれがかみ合わなくて、ずるずると今日まで来てるんじゃないかと私は考えていますね。

首藤 アナウンサー
竹内さんは元東京電力の社員で現在は、環境や経済の視点からエネルギー政策を研究していらっしゃいますけれども、どのようにご覧になっていますか?

竹内 さん
いま伴さんがおっしゃったとおり、目の前の発電が優先されたんではないかというのは、それはそのとおりなんですけれども、ただ、経済優先っていうと、お金が先だったの? というふうに聞こえてしまうんですが、国民の生活を優先させたっていうところはあるかと思うんですね。他国もそういうところはあって。
また、それだけではなくて、日本の場合は、先ほど発電のしかたでね、お湯を作るのに火力発電というものもあると。火力発電というのは、石油か石炭か天然ガスという、地下に埋まっている資源を燃やして蒸気を作るという方法なんですけれども、日本の場合は、石油もなければ、石炭もなければ、天然ガスもなかったんですね。
他国の化石燃料に依存をするということは、ある意味エネルギー、ライフライン、生殺与奪を他国に握られるということにもなるので、原子力発電というものを使わざるを得なかったことを、一方的に否定することも難しいというふうに思います。

カンニング竹山 さん
でも、原子力政策を今後するかしないかって話はちょっと置いといて、実際原子力に頼ったのは事実じゃないですか。それによってゴミがいまあることも事実だから、これをどうするかっていうことを考えないと、これをほったらかすわけにはいかないってことですね。あるものはあるから。

伴 さん
だけど、あるものはあるのは何とかしないといけないのはそうかもしらんけど、今後もずっと原子力続けたらどんどん増えていくわけですよね。

カンニング竹山 さん
それはもちろんそうだと思うんですよ。

伴 さん
量というものを確定してしまうということは、僕は議論の前提として必要じゃないかなって思ってますよね。

三田 さん
いま他国っておっしゃっていましたけど、例えばお手本になる、ゴミの処理の、他国でいい案とかってあるんですかね?

カンニング竹山 さん
外国はどうしてるんだろう?

首藤 アナウンサー
外国はどうしてるか。外国どうしてるかの疑問が出たんで、田中さん、お願いします。


プレゼンテーション②

田中 アナウンサー
いま原発が動いているのって、30か国以上の国や地域があるんですが、地層処分、これがいま実際に行われてるところはまだ1つもありません。

三田 さん
ないんですか? まだ。

田中 アナウンサー
まだありません。

ただ、フィンランドとスウェーデンに関しては、正式に場所は決まりました。フィンランド、「オンカロ」って洞窟という意味ですけれども、現在建設中です。スウェーデンも処分場が決まって、いま最終的に調査をしているところです。
じゃあ、ほかの国どうしてるか。

まずフランスですが、実はビュール村というところが、いま1つの候補になっていて、最終調査中というところまできました。ただ、ここまで来るのもいろんな紆余曲折がありました。
当初いろんな候補地があって、最初、1980年代から調査を始めたんですが、実は国が住んでいる人たちの了解なしに勝手に始めてしまっていて、大変反発を受けて、いろいろ計画がうまくいかないってことがあった。 で、フランスは考え方を変えまして、ちゃんと国から独立した、お抱え機関じゃなくて、

国から独立した実施主体を作ろうと。そこが責任を持って行いましょう。それぞれ、この場所に決まりましたとか、こういう調査してますという、いろんなプロセスはちゃんとオープンにしましょう。国民の皆さんにちゃんと伝えますよ。こうやってようやく納得して、去年、ここにいま絞り込みつつあると。ここまで費やした時間が。

カンニング竹山 さん
かかったね、やっぱり。

田中 アナウンサー
30年です。

カンニング竹山 さん
かかりますね。

田中 アナウンサー
フィンランドやスウェーデンにしても、いろんな紆余曲折がありました。じゃあドイツはどうか。
実はドイツも1つの候補、ゴアレーベンというところがあったんですが、こうなりました。白紙撤回。

ドイツだって、ここまで来るのに30年かけて、いろんな調査を始めていて、2000億円使った。でも、白紙撤回。何があったのか。
ゴアレーベンの地質は安全ですと国はずっと言っていた。ですが、そこと同じ地質の違う場所で、

実は地下水漏れが起きていた。

三田 さん
えぇー。

田中 アナウンサー
それを実は政府は国民に言っていなかった。10年以上。

三田 さん
うわぁ、それはもう悪質。

田中 アナウンサー
こうなると、ゴアレーベンの人たちにとっては、話違うじゃないか。安全って言ってるじゃないか。ということで、住民の激しい反発があって白紙撤回ということで。
候補が絞り込まれても、これだけまだ時間や手間がかかるというのが世界の現状です。

カンニング竹山 さん
ドイツなんか原子力政策やめてるんだけど、でも、やめても、やってた時の時代のことでまだもめてるってことですか?

竹内 さん
いまもドイツは原子力を10数%は稼働。

カンニング竹山 さん
動かしてるんですか?

竹内 さん
動かしてるんですね。半分ぐらいの原子力が稼働していますので、増えてもいる。また、すでに生まれてしまった廃棄物の処理でもめている。
時間がかかるのは、先ほど近藤さんもお話ありましたけれども、ちゃんと埋められる状態のゴミになるまで数十年かかるので、時間的猶予があるっていうことが、問題を先送りしてきた根本にはあるかなとは思います。

首藤 アナウンサー
科学的特性マップが出て、水野さん、いま日本はどの段階なんですか?

水野 解説委員
この地図が出て、すぐに場所が決まって建設が始まるかというと、とんでもなくて、先ほどの海外の話もそうなんですが、数十年、それから、事業が終わるまでに100年かかる事業なんですね。

いまどこにいるかといいますと、準備段階ですよ。マップを出してようやくスタートラインに立った段階で、このあと仮に「自分のとこは興味ある」っていうような自治体が出てきた場合に、そこに本当に埋められるのかどうかと。活断層はあるのかないのか、火山はあるのかないのかというのをまず文献で、論文とかを調べて調査をして、そこでいけそうだと。自治体の人もいいよと言っているとなれば、ボーリングしたり、もっと深く掘って、実際に精密に地盤を調べていくと。
それでいけると。自治体もじゃあいいよとなって処分地が決まっても、そこまでに少なくとも20年はかかると。処分地決まって建設するのにも10年以上かかって、実際に埋めて、埋め戻しするまで合わせますと100年かかるという事業なんですね。まだ、スタートラインにようやく立てた段階というのがいま日本の段階です。
ほかの国も全部取材行ってきましたけれども、この問題に対する覚悟というか、それが違っていて、原発を運転したらゴミが出るんだと。その処分なしには原発運転できないというんで、かなり早くから準備を進めてきてるんですね。それで紆余曲折もありながら、ようやく30年たってあそこに来てると。日本は主要国の中ではいちばん遅い国という段階ですね。

近藤 さん
ちょっと遅かったんですけどね。

首藤 アナウンサー
遅かったですか。

近藤 さん
遅かったですけどね、2000年の時には、その当時、おっしゃるように20年ぐらい遅れてましたでしょうかね、世界の国と比べますとね。
ですけれど、基本的には、日本は世界の例を見まして、上から押しつけでは絶対うまくいかないと考えたんです。それで、先ほど申し上げましたように私どもの組織ができて、私どもの組織から全国の自治体にお手紙を差し上げて、文献で調査をする。ただ皆さんの地域の地下のことについて文献で調査する。机の上で勉強するだけのことなんですけど、そういう調査をすることを了解していただけませんでしょうかというお手紙を差し上げて。
結局、最後は自治体が決めるしかないわけですから、自治体が決めるプロセスを、自分たちでお考えいただくようなプロセスを十分時間を取って考えようということで、そういうことから始めたんですけど、なかなか、文献調査していいよということも言っていただけなかった。

カンニング竹山 さん
イメージとしたら、うちの自治体で、調査だったらいいですよ、調査だけで20億円ですよね。それをいいですよってやって、もし、「完璧ですねここの土地」となった時に、住民の反対があってやっぱりやめようってなった時に、押しがだいぶ来るんじゃないかと思うんですよね。やめられないっていうか。

首藤 アナウンサー
一度手を挙げると。

近藤 さん
それは民主主義ですから、自治体の自治の世界ですから、皆さんがどうやってやるか、住民投票やるのかもしれませんし、それは私どもが介入することじゃなくて、皆さんが決めていただく。これはちゃんと日本の憲法に書いてある、地方自治の原則に基づいてやっていただけると私どもは思って。
ですから、私どもはきちんとした情報を提供して、これについてはこういうリスクがある、それから、当然そこでやるとしたら私どももそこへ本社を移して、私どもの家族もみんなそこで生活するわけですから、社会インフラも整備するし、そういうこともやって、ウィン・ウィンの関係になるように努力はしますということを申し上げた上で、お考えいただいて決めていただくと。そういうことは、民主主義の作法だと思います。

首藤 アナウンサー
ただ、視聴者からの不安の声がかなり届いていまして、

視聴者の声

宮城県・40代・女性
「地層処分という言葉を初めて知りました。いま日本は想像もしてこなかった自然災害の被害が大きい中、本当に大丈夫なのでしょうか」。

東京都・60代・男性
「いまのところベターな処分方法だと思います。残念ながら危険性の余地は残りますが。ただ、100%の安全の担保を考えたら何もできない」。

首藤 アナウンサー
いろいろあるんですけれども、田中さん、グラフィックレコーディングにもさまざまな不安の声がありますね。


グラフィックレコーディング

田中 アナウンサー
不安はありますよね。地震大国で大丈夫なのっていうのと、あと、

怒りというのもありますね。政府はあまりに怠慢じゃないか。 1つ、ちょっとずつ増えてきたのが、そうは言っても処分しなきゃいけない、決めなきゃいけないよね。どうするのっていうことで、

「各都道府県の電気使用量に比例して廃棄物を受け入れるべきじゃないか」という意見が来ました。「電気の大消費地に設置するのが論理的にいいでしょう。裕福な自治体に交付金が出ちゃうのはちょっと嫌だけどな」「東京都心に置くのがいちばんいいよ。いちばん電気を必要としているんだから当然ですよね」「やっぱり受益者負担。大量消費者にお願いしたいですね」。
と同時に、「自分のところは嫌やと、やっぱりみんな言うだろうな」「自分の家の近くなら嫌だと言うよね」っていうふうに、分かってるんだけど、自分のとこは嫌だよっていう声がちょっと多いですね。

カンニング竹山 さん
そもそも1か所じゃないとだめなんですか? 考えてるのは1か所なんですか? いま。

近藤 さん
いまは1か所です。例えば極端な話、1本1本地下掘って埋めていく、いろんな場所に埋めていくといいますと、それは大変なコストになってしまいます。まとめたほうがいいわけでしてね。いま私ども計算しましたら、だいたい4万本以上埋められるような場所を選ぶと、1本あたりの処分の費用というのは変わらないんですね。ですから、だいたい4万本ぐらいの処分ができる場所がいいなと思ってます。
それは地下の広さとすると、3キロメートル×3キロメートルぐらいの広さなんですね。そんな大きな場所じゃない。地下ですよ。地下に坑道を掘っていくんですけど、そのぐらいのスペースであればいいと。地上は1×2キロメートルぐらいかな。そこは、粘土で包むとかっていう作業をする場所を作って、そして、地下に入れる。そういうことなので、あんまり大きな設備ではないんですね。

三田 さん
例えば無人島とか、人が住んでないところで、ウィン・ウィンとおっしゃったんで、そのへんが分からないですけど、そういうところを開拓して、買い取ってとかっていう考えはできないんですか?

近藤 さん
ありましょうね。ですけど、それぞれ、しかし、皆さん所有権があり、全国どこでも所有権がありますから、誰かの同意を得なきゃなんないわけです。

水野 解説委員
問題なのが、安全性。さっきヨーロッパで2か所、場所決めてますけども、そこを見に行っても、20億年前から全く変わってない岩盤なんですよ。

カンニング竹山 さん
そういうことか。

水野 解説委員
日本では、地層処分する方法を研究するために岐阜県とかで掘ってるんですが、そこがだいたい7000万年前なんですね。地層の安定度が違うのと、ヨーロッパって、場所にもよりますけども、フィンランドとかスウェーデンは地震もほとんどないんですよ。活断層がどうだとか、そういう心配がないと。

三田 さん
そうですよね。

水野 解説委員
それと比べると日本は地震もよくあって、火山もあると。地下水も、ちょっと掘れば温泉がよく出るっていう感じで、それってどうなのかなと。

1回、私フィンランドも行きまして、岐阜も見てきたんですが、大きな違いは、地下水が小川のように流れてるんですね。これ大丈夫なんですかというふうに担当者に聞いたら、安定していた岩盤を掘ったんで、安定が崩れて水が出てるんです。これはトンネル工事なんかで当たり前ですよって言われて、そんなもんかなと思ったんですが、フィンランド行くと、そんなことないんですね。結構乾いていて、こっちのほうが地下水量は少ないと。それでも本当に大丈夫なのかっていうあたりを、私のような素人にも分かりやすく説明してくれているかなっていうとこは、ちょっと私、まだ疑問なんですよね。

伴 さん
地下深いところの水の流れというのはよく分かっていないんですよ。

カンニング竹山 さん
見えない。

伴 さん
見えない。だから、本当はもっと深いところの調査をずっと続けないといけないんですが、その場所が決まらないというのと、岐阜の瑞浪という場所について言うと、初めからそんな水が出てることが分かっていて掘り出したわけじゃないわけですよね。掘ってみたらこういうことになってしまったというわけだから、決める前にもっと調査をしないといけないというふうに僕は思いますけどね。

近藤 さん
ですから、先ほど申し上げたように、こういう段階的な調査をするんですね。
ただ、水のことを申し上げますとね、地下になぜ埋めるかっていうと、地下は地上の自然災害とか、人間の戦争とか、そういう、影響が及ばないわけですよ。地上の10万年っていうととんでもない歴史が変化しちゃっう、
実際地下水の問題はとても重要。おっしゃるとおり。地下水に溶けて出ていくわけです。ですから、地下の特長は、むしろ地下水のスピードが遅いことが大事だし、実際そうなんですけど、どのぐらい遅いかといいますと、東京のそばですが、三浦半島で私どもは地下水の水質を調べる練習をしているんですね。三浦半島で500メートルぐらいボーリング、掘りまして、そこの水を調べたら、そこの水の年代が100万年よりもっと古いんです。うちの連中は700万年前の水だって言うんですけど。
ですから、大事なことは、その上のほうの、浅いところの水はもっと若いんですよ。大事なことは、500メートルも行きますと、なかなか地上の影響が及んでないわけです。

首藤 アナウンサー
ここはね、ちょっと意見が割れるところ。感覚の問題もある。

近藤 さん
調べてみないと分からないんですけど、しかし、地下にはそういうところ、日本の、ごく身近なところでもそういうところはあるんですよ。そういうところをちゃんと調査をして、場所を決めたいということが私どものアイデアなんです。

首藤 アナウンサー
視聴者の方のメール、紹介させてください。東京60代の男性。「処分場が必要なのは理解できるが、自分の住む地域には絶対反対」という、理屈は分かるけど、自分の近くは絶対嫌っていう方は本当に多いんですけれども、竹内さん、この気持ち。

竹内 さん
そのお気持ちを無視して進める、地域の不安の声や不満の声を無視して進めると、振り出しに戻ってしまうということを、ドイツですとか、イギリス、アメリカ等も経験している。
ただ、先ほど水野さんがおっしゃってくださったように、私も岐阜県の瑞浪、もちろん候補地というわけではなくて、超深地層の、地下深いところがどういうふうに水が動くのかとか、そういうところを研究する施設として地下500メートルまで掘っている場所に行かせていただいたんですけれども、そういう研究をこれまでやってきた。
日本の中でもいろんな地層があるので、日本は地震が多いから無理でしょうと決めつけるのではなくて、いままでの研究をきちんとわれわれも把握する必要があるなと、それを分かりやすく言っていただく必要があるなというふうに思います。
合意のしかたも、まずはプロセスの透明性というのが非常に重要で、ちょうどいま経済産業省の世耕大臣がフィンランドのオンカロ、視察にいらしているところだと思うんですけれども、どうすればいいコミュニケーションがとれるのかというところも含めて、遅れた分、他国にちゃんと学んでいくっていうことが大事ではないかなというふうに思います。

伴 さん

これは、わが家の裏庭はお断り。"Not In my backyard"っていうような言葉なんですが、でも、それを地域エゴだというふうに言って片づけるのは間違いで、郷土愛というんですか、ちょうど東洋町の事件の話が出ましたけども、お金でその地域を売るのかっていう意見は多かったし、みんなそういう意味でいうと、その地域の自然環境を愛しているというんですかね、そういう結果として嫌だというふうに言っているというふうに受け止めて、議論を進めていかないといけないんじゃないかなと僕は思います。

首藤 アナウンサー
水野さん、どう向き合えばいいんですか?

水野 解説委員
今後、仮に地層処分を進めていくというんであれば、信頼というのは非常に大切だと思うんですね。事業者と住民の間、自治体などで信頼がないと進められない。という意味では、私は、近藤さんがちょうどいらっしゃるんで、

本当に覚悟・やる気があるのかっていうのを今回問いたくて。
というのは、ヨーロッパの、フィンランドとか、事業者が非常に専門性が高くて、自分たちでちゃんと地下研究施設を運営して、そこで掘って調べて、住民の人を呼んで、見てくださいと。こういう感じですと。顔が見えるんですね、組織の。そうすると、信頼関係が生まれていく。この人たち技術力あるなという感じで、それでうまくいったという点もあるんですね。
それに比べて日本の組織はどうかというと、原子力発電環境整備機構って知ってました?

カンニング竹山 さん
はいはい。一般の人はあんまりそんなにね、あんまり分からない組織かもしれないですけどね。

水野 解説委員
職員のうちの半分ぐらいの方は出向なんです。私、取材に行くと、広報担当者がころころころころ変わるんです。2年ぐらいで。それで本当に住民の信頼というのをね、顔見える組織になるの?と。そこらへんは電力会社から出向で来てるんじゃなくて、転籍にするとかね。そこらへんのことをちゃんと近藤さんがやってくださいと。その覚悟はあるのかっていうことですね。

首藤 アナウンサー
近藤さん、覚悟という言葉が突きつけられましたけど、どうですか?

近藤 さん
私も福島の事故のあと、この職を引き受けたんですけど、福島事故の結果として原子力関係者の信頼は失墜しましたよ。ですから、私は職員に言ってるんですけど、裸一貫ですと。

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