2017年07月15日放送放送内容まるわかり!

なぜ止められないの? 北朝鮮 核・ミサイル開発

今月4日、ICBM=大陸間弾道ミサイルの初めての発射実験に成功したと発表した北朝鮮。核・ミサイル開発の放棄には応じない考えを改めて強調しました。 国際社会からの非難や経済制裁を受けてもなお、北朝鮮が強硬な姿勢を崩さないのはいったいなぜなのか? 今後、世界各国は連携して有効な対抗策を打ち出すことができるのか? 国際社会は北朝鮮とどう向き合ったら良いか、基礎の基礎から模型で解説し、じっくり考えます。

今週の出演者

専門家

古川 勝久さん(国連北朝鮮制裁委員会 専門家パネル元委員)
三村 光弘さん(環日本海経済研究所 主任研究員)
出石 直(NHK 解説委員)

ゲスト

マキタスポーツさん(ミュージシャン・俳優)
虻川 美穂子さん(お笑い芸人)

今週のグラフィックレコーディング

グラフィックレコーダー
山田 夏子さん


首藤 アナウンサー
すでに多くの方から、疑問・質問、お寄せいただいています。

「北朝鮮っていまどうなっているの?」。
「核・ミサイル開発の目的、いったい何なんだろう?」。
「戦争になったりしちゃうのかな?」という不安の声、さまざま届いています。
ゲストのおふたり、何か気になること、ありますか?

虻川 さん
そもそも、なんでこんなにミサイルを発射させてるのか、何のためなんだろうというのが分からないです。

マキタスポーツ さん
僕、基本的には分からないことだらけなんで、きょうはいっぱいこれを乱発したいなと思っています。

首藤 アナウンサー
先週世界に衝撃を与えたのが、

このICBM・大陸間弾道ミサイル。どうしてミサイルを作り続けることができるのか。そのあたりを調べてみると、北朝鮮の意外な一面が分かってきました。田中アナウンサーのプレゼンです。


プレゼンテーション

田中 アナウンサー
私も今回取材してみて、北朝鮮に対する認識というのが相当変わりました。
多くの皆さんが持っていらっしゃる北朝鮮のイメージというのは,

「ミサイル」かもしれませんね。これまでノドンとか、テポドンとか、いろんなミサイルの発射実験を行ってきました。

併せて、核の開発も。2006年からこの11年間で核実験5回、繰り返してきています。

マキタスポーツ さん
5回も。

田中 アナウンサー
この流れを止めようと、国連も、

みんなで一致団結して「制裁」という網をかけました。
例えば、武器の禁輸。さらには石炭・鉄鉱石の輸入禁止。
北朝鮮は、中東とかアフリカとか紛争地域には銃やミサイルといった武器を輸出して、お金を稼いでいました。あとは、北朝鮮は天然資源が豊富です。石炭・鉄鉱石を輸出して、外国からお金を稼ぐ。そのお金が核やミサイルに使われているんじゃないか。
このお金の流れを止めるために、北朝鮮から買っちゃだめ、あとは、核やミサイルに関わってる人たちとは関わってはもうだめ、という制裁をした。ヒト・モノ・カネの流れを徹底的に10年以上止めようとしてきた。
だけど、結局、新しいミサイル作っちゃってますよね。今回発射実験した大陸間弾道ミサイル。これまでと次元が違うミサイルと言われています。

飛距離ですね、射程が5500キロ以上と。これは、アメリカ・アラスカにまで届く距離。だもんで、アメリカをはじめ世界が大きく驚いたニュースになったんですよ。

マキタスポーツ さん
なんでそんなことができたんですか?

虻川 さん
おかしいですね。止めてるのに。

田中 アナウンサー
ねえ、おかしいでしょ。制裁してて、お金の流れ止めようとしてたですよね。でも、北朝鮮のこの金庫は・・・。

マキタスポーツ さん
えっ、めっちゃお金。

田中 アナウンサー
お金いっぱい持ってるんですよ。韓国政府が去年、北朝鮮が1年間にどのくらい核・ミサイル開発にお金をかけたかっていう試算を出したんですよ。

200億円以上って。

虻川 さん
お金持ちの国なんですか?

マキタスポーツ さん
食糧不足とか、そういう情報とかも入ってくるじゃないですか。

田中 アナウンサー
実は・・・止めたはずの外からお金が入ってきている。

虻川 さん
えっ?

マキタスポーツ さん
僕、逆効果なんじゃないかなと思って。制裁を加えたりとかすると、そういうのは裏の手を使ってでもなんとかしたいっていうふうに思いがちなんじゃないかなとかって思って。「北風と太陽」じゃないですけどね。

田中 アナウンサー
なんで制裁してるのにお金が?っていう話を見ていきますね。例えば、国境を接している中国やロシア。安全保障理事会に入ってますから、北朝鮮に制裁をしている国です。でも、ずっと北朝鮮にあらゆる形で支援をしてきた。

ロシア見てみると、マンギョンボン号がことしの5月から北朝鮮と定期運航を始めています。

首藤 アナウンサー
マンギョンボン号っていまロシアにいるんですか?

田中 アナウンサー
かつて日本と行き来もしてましたが、観光客や労働者を運んでいるんです。北朝鮮って、

外国で働いている出稼ぎ労働者の方が8万人いるんですよ。

虻川 さん
えーっ。

マキタスポーツ さん
そんなに?

田中 アナウンサー
中国やロシアだけじゃなくて、世界27か国で。例えば北朝鮮が運営するレストランとか、あとは土木建築関係で働いている人たち、合わせると年間1000億円稼いでいる。そのお金がまさに。

虻川 さん
そんな、うわ、すごい、すごい。乱れ飛んでいる。

マキタスポーツ さん
北朝鮮のひよっこたちがお金を稼いで。

虻川 さん
北朝鮮の方は、違う国に行って、また戻ってくるってことなんですか?

田中 アナウンサー
そうですね。そこの国で一時的に働いて稼ぐということなんです。

中国は、あら?あらら?北朝鮮から鉄鉱石を買っています。中国もね、制裁してるはずですよね。ただ、これね、「特例」というのがあって。

マキタスポーツ さん
特例?

田中 アナウンサー
「あくまで軍事目的じゃなければ取引は自由ですよ」。つまり、北朝鮮に払ったお金が核やミサイルに使われていなければ、その鉄鉱石の取引は別に問題ないでしょうという特例があるんですね。

マキタスポーツ さん
これはざる法ですよ、ざる法。

田中 アナウンサー
まさに、網をかけたって言いますけど、網の目が、実はいろんな抜け穴があるのではないか。
国連はことしの2月に、報告書をまとめました。きょうお越しの古川さんもこれに携わってらっしゃったんですが、これ見ると、制裁効いてないんじゃないかっていう実態が結構見えてきました。
例えば、あら?あららら?

これはもう完全にだめなんじゃないの?

虻川 さん
全然守ってないな。

田中 アナウンサー
シリアでは北朝鮮製のミサイルが見つかっています。

マキタスポーツ さん
えっ、シリアで?

田中 アナウンサー
輸出されてるんです。どうしたかっていうと、この形じゃ武器だけど、ばらばらにしたらどうです?ボルト1本とか、パネル1つとかじゃ、それが武器かどうかは分かりませんね。

虻川 さん
でも、確信犯じゃないですか。分解してるっていうことは。ばれないように。

田中 アナウンサー
現地で組み立てて、ミサイルにしちゃう。で、これ、2010年では年間で110億円。

マキタスポーツ さん
そんなこと言っちゃあれですけど、うまいな。

田中 アナウンサー
まだあります。これ、ご存じですか?

マキタスポーツ さん
いやいや、聞いたことない言葉ですよ。

虻川 さん
よく銅像建ってるの、映りますよね。北朝鮮の。

田中 アナウンサー
北朝鮮は大きな銅像ありますね。つまり、腕利きの職人さんたちがいっぱいいるんです。
7年前、アフリカ・セネガルで北朝鮮の人たちが作ったこの銅像。写真だけでは分かりませんが、高さ、50メートルぐらいあります。例えば自由の女神、ニューヨークの。あの像の本体よりも大きいです。その大きさで、なおかつこの精巧な腕がある。これはアフリカ諸国で大変需要があるんです。このセネガルの銅像の総工費20億円。このお金が。

虻川 さん
まただ。全部、億単位なんですね。

田中 アナウンサー
銅像って別に核やミサイルと直接関係ないからこれまでは、制裁の対象にはなってませんでした。でも、さすがにこのお金も止めなきゃっていうことで、去年、新たに制裁したんです。実際はいまなおいろんな国で続けているっていう実態が見えてきて、いろんな形で、実は北朝鮮と関わってる国ってこんなにある。

国連加盟国は193です。日本は国交ありませんけど、そういう国のほうが少数派だった。
あと、ちょっともう1つ疑いがあるんですけど、これでも稼いでいるんじゃないの?

パソコンとかシステムに詳しいハッカー集団というのが北朝鮮にいて、外国の銀行のシステムに違法に入ってお金を取っちゃうと。

虻川 さん
本当に?

田中 アナウンサー
疑いです。バングラデシュの中央銀行では、去年90億円以上が抜き取られるという被害があって、ほかにも似たような手口が世界各地から報告されている。これに北朝鮮が関わってるんじゃないのかっていう疑い。このお金も行ってるんじゃないの?
だから、制裁だ、制裁だって日本では結構聞きますけれども、実際にはお金はある。

虻川 さん
意外。

田中 アナウンサー
だからできるんです、新しいミサイルが。
先週、この発射実験に成功したあと、キム・ジョンウン委員長はこう言いました。

「アメリカへ"大小の贈り物"を贈り続ける」。つまり、核やミサイル開発を続けていくよということです。
世界がこのまま何もできないでいると、次から次に核やミサイル開発、新しいものが出てしまうかもしれないという状況です。

マキタスポーツ さん
だから、逆効果ってことなんじゃないですか。制裁を加えれば加えるほど、北朝鮮の持ってる技術とかが、いろんなところで実は必要とされてたりとかするっていうことにも結びついていくわけですよね、これって。

首藤 アナウンサー
制裁の効果って、古川さんはどう見ますか。

古川 さん
いまおっしゃったポイントは非常にいいとこ突いてまして、この20年、テポドン1号が1998年に打ち上がって、それ以降、国際社会としていろんな声が出て、国連として動いたのは2006年以降です。
ですけれども、制裁を強めれば強めるほど、北朝鮮のほうが、制裁を出し抜く、その能力がすごいたけてるんですよ。なかなか追いついていない。取り締まるほうが、北朝鮮の側に。それが実態かと思いますね。

三村 さん
制裁っていうのは国連安保理の決議で決まっているんですけれども、国連っていうのはもともと第2次世界大戦で勝った国の、戦勝国の連合体で、その中で談合というか、やり取りがいろいろあって、自分たちの役に立たないと思ったら言うこと聞かない。アメリカも国連決議に違反するっていうことはたびたびあるわけで。

首藤 アナウンサー
たびたびあるんですか?

三村 さん
どこの大国も、国連決議に違反するというか、無視するというか。 談合って言ったら言い方悪いですけど、今回例えばアメリカが言うことを聞かないからといって、それにばかり非難をすると、今度は自分が何かやりたい時にアメリカがへそを曲げてやってくれなくなると。だから、大きな国どうしではある程度目をつぶるっていうか。

マキタスポーツ さん
そんたくですか? 何ですか? それは。

三村 さん
そんたくというか、強い国が力を持ってるので、自分の国の利益に直接関わる問題であれば、それはスルーする。あるいは片目をつぶるっていうようなことも、大人の事情として許される。

マキタスポーツ さん
大人の事情ですか?われわれ何ですか?子どもですか?

出石 解説委員
よく誤解されがちなんですけど、制裁っていうのは核やミサイル開発をストップするためのものじゃないんですよね。やりづらくする、やりにくくするためのものなんですよ。だから、北朝鮮はわれわれが思ってるほど孤立してるわけでもないし、それほど困ってるわけでもないんですよね。

虻川 さん
強い誰かが、だめだよって言って、もうやめなさい、みんなもう関係持たないでって言うことはできないんですか?

古川 さん
それをアメリカがやってきたんですけども、他方で、アメリカは、ほかにもいっぱいいろんな問題がありまして、おととしまではイラン、核問題というのがありました。それを止めなきゃいけない。イラン、核やめろと。そっちのほうをずっと話し合ってるうちに。

首藤 アナウンサー
アメリカ、そっちが忙しかった。

古川 さん
北朝鮮は、ちょっと俺のほうを向いてくれよという形でずっといろんな挑発行為を続けたんだけども、あんまり国際社会は、中東ほど北朝鮮に向いていないので、いつの間にかちゃんとICBMを作ってしまったという感じかと思いますよね。

マキタスポーツ さん
学校の先生と不良たちのやり取りみたいな、いたちごっこみたいな感じがしますよね。先生たちは先生たちでうまいことやってるし。

首藤 アナウンサー
古川さんって去年まで国連で制裁違反の捜査を行われてたんですよね、実際に。北朝鮮の抜け道、うまさというのを教えていただきたいんですけど。

古川 さん
さっき出稼ぎ労働者のお話がございましたけれども、武器の分野でも出稼ぎ労働やってるわけです。

例えば、これはある国連加盟国が押収したエジプト行きのスカッドミサイルの部品です。

マキタスポーツ さん
これ、ミサイルの部品なんですか?

首藤 アナウンサー
全然分からない。

マキタスポーツ さん
昔のブラウン管のテレビの後ろ側についてるみたいな。

古川 さん
まさにそういう部品なんですよ。スカッドミサイルって1950年代、60年代とか、本当に昔の技術なので、使われてる部品も古いです。
10年、15年ぐらい前はスカッドミサイルそのものをぶった切って輸送して、例えば北朝鮮からシリアに送る。そしたら、途中で摘発されちゃって、これはどう見てもスカッドミサイルですねと没収されちゃった。それが分かってきたので、北朝鮮としては、いまは全部それをばらばらにして、工作機械と、ほかに必要な原材料と、あと、技術陣。まさにこれ出稼ぎ労働ですよ。シリアに送って。

虻川 さん
技術陣も?

古川 さん
ええ。全部一体で送り込んで、現地生産方式に変えたという感じですね。

マキタスポーツ さん
何それ。すごい。

古川 さん
押収された貨物の中に、大量の食品類とかと一緒に、たぶん奥さんがシリアにいる旦那さんに向けて書いたと思われる手紙なんか、入ってるんですね。「あなた、元気ですか」みたいな感じで書いてある。結構な数の方々がおそらく行ってるんだと思いますね。
これがスカッドミサイルの部品だっていう証拠はあんまないんですよ。すごい大変でした。これ見つけるの。アメリカで軍事オタクの富豪がいまして、なぜか軍事車両の展示博物館っていうのがカリフォルニアにあったんで、そこに行って解体したんですけど、大変でしたね。旧ソ連製のミサイル、いろんなとこを解体するの。むちゃくちゃちっちゃいんですね、ねじとか。とにかく大変なんです。解体できないんですよ。

マキタスポーツ さん
規格が違うから。ねじとか、あれがね、合わない。

古川 さん
本当のことを言うと、最後、ちょっと、元に戻せなかったんですけど、気付かれなかった。

マキタスポーツ さん
ハハハ(笑)。

古川 さん
僕はあれをメンテナンスできる人ってすごいなと思いましたね。

視聴者の声

大阪府・50代・男性
「経済的に困窮し崩壊に向かうとよく聞きますが、本当のところ、北朝鮮の生活実態はどうなんでしょうか」。

鳥取県・50代・女性
「お金も資源も苦しいはずなのに、どうして北朝鮮はミサイル発射といった大金がかかることをやり続けられるの?」。

田中 アナウンサー
ツイッターも、北朝鮮のことを知りたいっていう意見が来てます。

視聴者の声

「国民ってどんな状態でしょうか?」

「国民って本当は賛成していないんじゃないでしょうか?」

一般市民は食べるのに苦労しているのに、軍事費ばかりに投資し、困った国なんじゃないでしょうか?

マキタスポーツ さん
僕、いつも、日本のメディアが伝える北朝鮮って本当に北朝鮮なのかなってちょっと思うところがあって。わりとどっか偏ってて、われわれは、見るほうは漠然とした不安とか、あと、ちょっと半笑いみたいなのってないですか?僕、いま話を聞いてて、単刀直入に言うと、北朝鮮すげえなって思ったんですよ。ある意味でですけど。
北朝鮮さんの立場に立ってものを考える視点とかをもらえると、ああなるほどって思えるんですけどね。

首藤 アナウンサー
北朝鮮の視点。三村さんは、40回以上北朝鮮を訪問されていらっしゃるということで、実情にお詳しいかと思うんですけど、実際の北朝鮮のいま、教えてください。

三村 さん

2013年から、北朝鮮は「並進路線」。経済開発と核・ミサイル開発を同時に進めますと。この真意は何かっていうと、通常兵器、すなわち普通の核以外の兵器というのに回すお金を減らして、どちらかというと経済開発、国民の生活を向上させるということに使いますと。だから、核を作らないといけないんだと。
核で自分たちを守って、アメリカにやられないようにする。核とミサイルができれば、アメリカも簡単に手出しすることができないので、自分たちは安全だと。安全になったら、もっと経済のことを考えられるんじゃないかという政策。

首藤 アナウンサー
国民のこと考えてるということでいいんですか?

三村 さん
そうですね。ですので、キム・ジョンウン国務委員長はわりと人気があるみたいで、悪いことは本人じゃなくて、部下が悪いと。官僚たちが悪い。悪代官たちが悪くて、北町奉行所のお奉行様はいい人だと。そういう感じですよね。
あと、最近経済が少しずつなんですけどよくなってきています。

これはことし私がピョンヤンに行って撮ってきたんですけど、えび味のお菓子、日本にも韓国にも同じようなのがあるんですけど、こういうパッケージが最近すごくきれいになってきました。

首藤 アナウンサー
確かに華やかで。

三村 さん
昔はものが不足してたから、別にそっけないパッケージでもものが売れたんです。最近はいろんな工場がいろんなお菓子とかを作るようになって、競争が激しくなってきて、だから、こうやって目を引いて、あと、品質もよくないと、売れないです。
こちらの子どもの写真ですけど、後ろにリュックサックみたいなの背負ってますけど、こういうのも、中国から部材とかを輸入してるんですけど、国内の工場で作って、わりあい安い値段で子どもたちが買えるようにされていると。

首藤 アナウンサー
ただ、それってピョンヤンだけっていうことはないですか? 一部の人たちだけとか。

三村 さん
やっぱりピョンヤンがいちばん先です。でも、こういうふうに暮らしたらよくなるんだよっていう1つのお手本を見せて、それを今度は地方の大きな町、そして、もっと田舎までっていうふうに、段階的によくしていこうという努力をしています。

虻川 さん
テレビとかで、大きいデパートが映って、実は、品物がいっぱい並んでるけど、買えないんですっていうようなのを見たことあったんですよ。見せるだけの商品。そういう状況はどこまで本当なんですか?

三村 さん
昔はそういうの、結構あったと思いますけど、いま、中国から原材料を輸入してきたりすると、そこそこ、安くはない値段ですけど、そういう値段で売られてるものは自由に、5個でも10個でも買えます。
国が安い値段で提供してるやつは、1人何個までとか、配給カードを持ってきた人だけ売りますっていうのもまだ残ってますけども、お金を出せばいろんなものが買えるようになりました。

首藤 アナウンサー
お金を出せば。

古川 さん
ピョンヤン、要は景気いいわけですね。

三村 さん
昔に比べるとずっといいし、年々よくなってます。

出石 解説委員
交通渋滞まで起きてるって聞いたんですけど。

三村 さん
昔は渋滞って、車の数が少なかったのと、信号機じゃなくて人の手でやってたので、わりと信号待ちっていうのは少なかったんですけど、ことし3月の末から4月に行った時には、ちょうど交通量の多い時に交通量の多い交差点だったんですが、1つの交差点を通るのに10分待ちました。

マキタスポーツ さん
それはすごい変わってきてるっていうことですね。

田中 アナウンサー
番組をご覧の皆さんは、そもそもなんでミサイル撃ってるんでしたっけっていうことを、素朴な疑問を気にされてますね。
「北朝鮮の目的、ミサイルじゃなくて、経済発展などのことに目を向けさせることってできないでしょうか?」「北朝鮮の本当の狙い・目標、いったい誰が得するものなんでしょうか?」っていう、ここを聞きたがっていらっしゃいます、皆さん。

首藤 アナウンサー
核・ミサイル開発の狙いから伺いましょうか。

古川 さん
アメリカに対する抑止力を確立する、っていうことをよく言ってます。ちょっと難しい言葉ですけども。要は、アメリカが北朝鮮に対して武力で侵攻したりしないように、俺たちに手を出したら、俺たちはすごい形でお前たちを、反発するぞと。

マキタスポーツ さん
でも、それって大義名分なんじゃないですか? 本当にアメリカって極東の地域とかに本当に、北朝鮮とかに向かって本当にやるつもりあるんですか?

古川 さん
いまのところはないですよね。キム・ジョンウンからしたら、彼の政権を維持する、これがいちばん重要な目標なんだろうと。
そのために、彼の政権を支えるために、物理的に守る。通常兵器ってすごい弱いんですよ。いわゆる戦車とか飛行機とか、ああいうのは北朝鮮、骨とう品みたいな戦力なんですね。
だから、いきなり弾道ミサイルとか、アメリカを威嚇する、あるいは韓国を威嚇する、日本を威嚇する、こういうものを持つことで、攻撃を抑えて、平和条約とか、そういうのを向けて、交渉をやろうと。

出石 解説委員

そもそもなんですけど、朝鮮戦争ってありましたよね。この戦争、まだ終わってないんですよ。停戦、休戦。つまり、撃ち方やめっていうだけで、まだ戦争は終わってない。だから、韓国と一緒に戦った、敵であるアメリカというのはまだ存在してるわけですよね。
だから、北朝鮮にしてみれば、この戦争を完全に終わらせて、もうアメリカは北朝鮮を攻めませんという保証が欲しいわけですよ。ところが、まだそれがないもんだから、もし攻めてきたらアメリカ本土を核攻撃するぞと。そういう能力を備えれば、自分たちの体制は守れるだろうと。それが北朝鮮の論理なんですよね。

虻川 さん
それが逆効果だなっていう考えはないんですか?

古川 さん
現実として、イラクのサダム・フセインは倒れ、リビアのカダフィ大佐も倒れ、北朝鮮の盟友はみんな消えていったんですね。

首藤 アナウンサー
アメリカによって。

出石 解説委員
よくリビアのことを言いますよね、北朝鮮は。リビアは実は核開発をしていたんですよ。カダフィ大佐が。アメリカやイギリスに説得されて、核を放棄したんですね。その代わりに経済協力をもらったんです。リビアは、言葉は悪いけど、アメリカやイギリスにだまされたわけですよ。結局カダフィは政権を追われて、殺されちゃうわけでしょ。その失敗を俺たちは絶対繰り返さないぞと。俺たちはリビアのようにはならないぞ、だから核は放棄しないぞっていうのが北朝鮮の理屈。

マキタスポーツ さん
僕、ますます話聞いてると、北朝鮮すげえなって思ってきちゃってるんですけど。
いつも僕らは、日本側とか、戦勝国側のほうの理屈でもって、北朝鮮ってわけ分かんないことやるねみたいな感じで思ってるんだけど、向こうは向こうで必死で、いまある現状の中でどういうふうにやってサバイブしていくかとか、あるいは得をするのかとか、よく考え尽くしてるような。

出石 解説委員

それはおっしゃるとおりでね、「瀬戸際外交」って聞いたことありません?
北朝鮮は1回、自分たちは核を放棄しますと約束してるんですよ。その約束した見返りにご褒美をもらってるんですね。例えば重油をもらったりとか、食糧をもらったりとか。つまり、危機を演出して、相手を瀬戸際まで追い込んで、そして、ご褒美をもらうという。
だから、核開発というのはあくまでもご褒美をもらうためのものだったんじゃないかなと国際社会は思っていたわけですよ。だから、ご褒美をあげればやめてくれるんじゃないかなと思っていたんですけども、実際には陰で核開発をしていたと。いまやもう自分たちは核保有国だって言ってるわけですよね。だから、もうご褒美なんていらないよと。核は放棄しないんだと。自分たちは核を持ってるんだっていうふうにロジックをすり替えていってるわけ。そこがすごいしたたかなんですね。

首藤 アナウンサー
いつの間にという感じですよね。私たち、見過ごしていたというか。

虻川 さん
いちかばちか感でできたものだと思ったら、ちゃんとこういうお金があって。

首藤 アナウンサー
そして、積み上げてきてという。

三村 さん
ソ連が1991年に崩壊して、北朝鮮にとっての後ろ盾がなくなったわけですよね。アメリカに対して、昔はソ連が守ってくれてたわけですけど、それがなくなって、自分の力でアメリカの核に対応しないといけないという状況になった。
アメリカは、つい最近、オバマ政権が終わるまでの間、どっかに、北朝鮮はそのうち崩壊するという、期待も込めて、そういうふうに思っていた。なので、北朝鮮が核を開発するっていっても、そのうち崩壊するんだから、崩壊してしまえばなくなるだろうということで、根本的な治療策をしてこなかった。
この根本的な治療策というのは、1つは軍事攻撃をする。もう1つは朝鮮戦争を、法的にもう終わった状態にするとか、アメリカが北朝鮮と国交正常化をする。
一方韓国は、冷戦が終わってソ連が崩壊する前後に、ソ連そして、中国と国交正常化してるんですよね。その時に考えられてたのは、韓国はソ連と中国と国交正常化して、北朝鮮はアメリカと日本と国交正常化すると。そうすると、お互いに交流できて、よくなっていくだろうというふうに考えられてたんですけれども、なかなかそういう事情を許さなくて、アメリカも、もう北朝鮮は崩壊するんだから国交も結ばなくていいだろうと。
昔、1994年に核の合意があったんですけど、それもそのうち崩壊するんだから、ある程度適当にやっとけばいいやというふうに思っていたみたいです。

首藤 アナウンサー
いまツイッターたくさん来ているようです。

田中 アナウンサー
ずっと聞いていくと、これ、増えてきました。

「戦争になったりしちゃうのかな?」というところです。

「トランプ大統領ってどう出てくるんだろう」「抑えようとしているんでしょうか?」「いやいや、そもそもアメリカって攻める気ないよね」っていう意見。 そして、やっぱり気になるのは、これ。

「日本はどうふるまうのか?」。そして、「日本はどうなるのか?」。例えば、「もしミサイルが日本に落ちた場合は大丈夫でしょうか?」「北朝鮮の実験ミサイルが間違って日本の原発を直撃した場合の被害はどのくらいになってしまうんだろうか?」「もしミサイルが日本に落ちた時の対応をもっと具体化してほしい」。

首藤 アナウンサー
出石さん、戦争になっちゃったりしないのかっていう不安の声には、どういうふうな。

出石 解説委員
まず、なってほしくないですよね。

首藤 アナウンサー
そうですね。まずはもちろん。

出石 解説委員
実はアメリカもね、94年にクリントンさんが大統領だった時に、北朝鮮の核施設を攻撃しようと、寸前までいったことがあるんですね。この時に、やった場合にどのぐらいの被害が出るかってシミュレーションをやってるんですよ。そうすると、アメリカ軍兵士だけで5万人、韓国軍で40~50万ぐらいの死傷者が出ると。甚大な被害が出るっていうんでやめたんですよね。
いまは、もう向こうは核兵器を持っちゃってますから、もっと大きな被害が起こりえる。だから、そのことを考えると、アメリカが戦争に踏み切る可能性っていうのは極めて低いとは思いますけれども、ただ、ゼロじゃないですよね。

古川 さん
そうですね。トランプ大統領、一貫して言ってることがありますね。アメリカ・ファーストですよね。つまり、同盟国の国益よりも、アメリカの国益がファーストなわけですね。
あともう1つ、マティス国防長官とか、政権の主要な人たちがずっと一貫して、すべての選択肢はテーブルの上にあるということを言っています。いまは外交を優先すると。
ですから、北朝鮮、この前ICBMをテストしましたけれども、実際に核兵器を弾頭に載っけて、それをアメリカのニューヨークとか、そういうところに届くようにするには、もっと核実験も必要だし、ミサイル実験も必要です。
もしそこまで具体的な実験を北朝鮮がするようになった時に、アメリカのトランプ大統領が北朝鮮の脅威への認識、どう変わるか。一応われわれはそういう可能性を考えておかなきゃいけないと思います。

マキタスポーツ さん
トランプさん、大統領になる前とかの公約とかで、日本が、お金を出さないと、軍を日本からいなくするぞみたいなこととか言ってたじゃないですか。そういうものとかの影響とかあるんですか?例えば北朝鮮とかの関わりで。

古川 さん
トランプ大統領は、いま足元、火がついてますよね。政権についてはロシアゲートとか。いま外交的に彼が個人的に関心があるのは、イランですよね。中東とか中心にした。
北朝鮮がICBMのテストをより洗練化していくと、ちょっと彼が関心を持ち始めるかもしれないですよね。本当の意味で。そうした時に、真剣にこれはここで止めさせようということで、何らかの軍事オプションというものをとる可能性っていうのは、常にわれわれは考えておかなければいけないと思います。そういうことをさせない。

出石 解説委員
ただ、三村さん、どうですか。北朝鮮が核実験とかミサイルを発射してるっていうのは、アメリカに対するメッセージっていう意味合いもあるんじゃないですか?

三村 さん
やはり北朝鮮にとっては、アメリカとの関係を改善したいと。そのために、核というのは、いまはとりあえず護身用で、あなた方がやってきたらわれわれはそれ使うよと。その能力を、できればニューヨーク、ワシントンまで飛ばすミサイルを作りたいと。

虻川 さん
そこがおかしいんですよね。そこに飛ばしちゃったら。

三村 さん
ただ、北朝鮮からすると、アメリカは何千発も核を持ってるわけで、アメリカはわれわれを核で威嚇しているのに、なんでわれわれが1つや2つ持っちゃいけないのかというのが北朝鮮の論理です。

首藤 アナウンサー
解決の道あるの?っていうメールもいただいてるんです。

視聴者の声

大阪府・50代・男性
「対話に応じる相手ではない。より厳格な経済制裁以外に暴走を止めることはできない」

石川県・60代・男性
「『対話』がベストだと思います。『圧力』の先には紛争や戦争しかない。『圧力』でよくなったケースは歴史にない。日本も大変な経験をした国のはずです」。

マキタスポーツ さん
日本はどうしていったらいいんですか? 日本がもしこれで身を固くして、北朝鮮とかに対する態度とかをすごく強めたり、あるいは世界的にもですけど、例えば軍備とかを日本がすごい増大していくこととかっていう、日本自体がすごいタカ派みたいな感じになっていったりとかするっていうことは、どんなことになるんですか? 最悪なケースとか。

首藤 アナウンサー
拉致の問題もありますし、すごく難しいことだと思うんですけど。

出石 解説委員
よく対話と圧力って言いますよね。片一方だけでは解決しないと思うんですね。圧力を強めることももちろん大事。それによって北朝鮮を本気にさせる、こっちに向かせるっていうことは必要だと思うんですね。
ただ、日本の場合には拉致問題がありますから、圧力だけだと拉致問題っていうのは解決しないから、ある時には対話、例えば制裁の解除をちらつかせて、拉致問題について北朝鮮と協議するとか、そういったことも必要だと思うんですね。それをすることによって、相手の手の内を探るっていうこともできると思います。

古川 さん
いまの状況は、対話は中国に投げている、圧力も実は思ったほど効いていない。対話と圧力という政策があんまり実がないという状況なので、両方ともしっかりさせるというのがポイントかなと思います。

首藤 アナウンサー
両方しっかり。なかなかそのバランスが難しいまま何年も過ぎていってしまっているということもあると思うんですけど。

マキタスポーツ さん
相手の立場に立って考えたいな、でも。

首藤 アナウンサー
そうですね。ちょっときょう、見方が変わったところも。

マキタスポーツ さん
見方は変わりましたね。

虻川 さん
知らなかったなあ。

首藤 アナウンサー
皆さん、どうもありがとうございました。

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