2017年07月08日放送放送内容まるわかり!

「記録的豪雨」があなたの町に そのときどうする?

今週、九州北部を襲った豪雨は広範囲に被害をもたらしました。福岡県朝倉市に降り注いだのは1時間で129.5ミリという未曽有の集中豪雨。普段水が流れていないような川が氾濫し家や田畑を飲み込みました。専門家は、こうした集中豪雨が、今後全国どこでも降る可能性があると警鐘を鳴らしています。 もし、自分が暮らす町に記録的豪雨が降ったら、どんなことが起こるのか?どのように行動すればよいのか?ふだんの備えは?専門家とともに考えます。

今週の出演者

専門家

牛山 素行さん(静岡大学 防災総合センター 教授)
関谷 直也さん(東京大学大学院 総合防災情報研究センター特任准教授)
南 利幸(気象予報士)
松本 浩司(NHK解説委員)

ゲスト

レッド吉田さん(タレント)
大林 素子さん(タレント)

今週のグラフィックレコーディング

グラフィックレコーダー
山田 夏子さん


首藤 アナウンサー
九州ではきょうも広い範囲で大雨に警戒が必要です。誰もが当事者になるかもしれないんですけれども、おふたりは何か備えされてますか?

大林 さん
私、実家が1階なんですよ。浸水、この間も危ないとかなってたんで、とりあえず荷物は奥に入れようとか、水はけのいいものを置いたりとか、そういうことはしてますけど、でも、東京いるとなかなかちょっとね、あんまり意識が。

レッド吉田 さん
雨に関しては、なんか分かんないですけども、軽視してますね、ちょっと。大丈夫じゃないかなっていうのを思ってしまいます。

首藤 アナウンサー
まさか自分の身にはと、どうしても思いたい、思ってしまうということがあると思うんですけれども、どうやって命を守ったらいいのか、専門家の方と一緒に考えていきたいと思います。
まずは徳永アナウンサーのプレゼンからです。


プレゼンテーション①

徳永 アナウンサー
九州北部も含め、多くの地域がまだ雨の季節続きますので、正しく情報を知って、これ以上の被害を広げないというために、基礎の基礎からいきたいと思います。
まず、これ。今回のニュースだけでも、たくさんのなんとか情報とかなんとか警報というのが出ましたが、われわれが子どものころに比べて増えているって思いません?

大林 さん
種類がいろいろあるよね。

レッド吉田 さん
その順位も分かんないですよね。どれが。危険なのか、そうでないのか。

徳永 アナウンサー
いったん整理しましょう。まず、「大雨」とついているもので、昔からなじみがあるのはこの2つですよね。

大雨警報は、雨によって重大な災害が起きる恐れがある時に出るものですね。ただ、「大雨」とつくもので、最近増えたなと思うものもあると思います。

それが、1つがこれ。「記録的短時間大雨情報」。

それから、「大雨の特別警報」というのが今週もよく出ましたよね。
まず、記録的短時間大雨情報というのは、もう雨が相当降っていますよ、実際降ったよっていうサインです。気象台が雨量計ですとかレーダーを解析するなどして、特定の地域に数年に1度の規模の激しい雨が短い時間に降ったというのが分かった時に、教えてくれる。
それから、特別警報。これは、数十年に1度の雨が降って、災害が起きる危険性が著しく高くなっていますよというもので、最近できた。警報よりもさらに危険度が高いというのを教えてくれるもの。

レッド吉田 さん
なるほど。「危険」って言われると、われわれ結構そこに備えようと思うんですけれども。

徳永 アナウンサー
いろんな言い方とか呼びかけを私たちも考えているんですが、警報よりもさらに危険ですよっていう時に特別警報が出るんです。特別警報ができたからといって、警報の重大性は何も変わってないんですよ。

大林 さん
分かりにくいですね。

徳永 アナウンサー
警報の重みは何も変わってないっていうことを忘れないでいていただきたいんですね。
ほかにもありますよね。住んでいる場所によって気にすべきことがあります。もしかしたら大林さんのご実家はこれかもしれません

川。よく、大雨警報と一緒に「洪水警報」って出ますよね。これが出た地域は、川の水があふれたり、堤防が壊れたりして、一気に水が広がる恐れがあるから気をつけてねっていう意味だと思ってください。
それとは別に、「なになに川が氾濫危険水位に達しました」、今回もよく出ているんですけども、特定の川については、水位とか流れる水の量をあらかじめ常に測っていて、一定の基準を超えたら教えてくれる。つまり、この2つみたいな言葉がニュースで聞こえてきたら、川の近くの方は特に注意が必要と思ってください。
それから、今回、土砂崩れの被害も深刻でしたが、斜面の近くにお住まいの方はこれもよく覚えておいてください。

それまでに降った雨の量を見て、土砂災害の起きる危険性が高くなってるよっていう地域に、別個に出してくれるんです。これが出ると本当に、より危険ですよって思ってください。

まだありますよね。避難なになにという。避難準備の情報、避難勧告、避難指示というのは、住んでいるところの役所や役場が出してくれるものです。いままで私が紹介した情報などを役所や役場は見ていて、それの情報を基に、直接、住んでるなんとか地区の方、逃げてくださいって言ってると思ってください。
度合いが一瞬だと分かんないっていう方いると思いますけど、ニュースでは、黄色より赤、赤より紫になればなるほど、色が。全体的に危険度は高いですよと一目で分かるように作ってあります。

大林 さん
結構知らなかったかも。

レッド吉田 さん
知らなかったですね。

徳永 アナウンサー
黄色より赤、赤より紫です。それを覚えておいてください。

レッド吉田 さん
ただね、テロップでぽーんと出るじゃないですか。見てる側としては、ああそういうことなんだなと思っても、何となく軽く思っちゃうというか。

首藤 アナウンサー
私たちの工夫も必要なんでしょうかね。でも、どの段階で自分はどうすればいいのかというのは本当に悩むところですよね。

牛山 さん
たくさん情報があってかえって戸惑ってしまうという声はよく聞くんですよね。どの情報に特に注意したらいいかっていうのを聞かれるんですけども、実は特定の情報にだけ注意を向けておくっていう、その考え方自体がすでにまずい。
だから、あえてざくっと言うと、こういったふだんあまり耳慣れない言葉の情報が続々出てきたら、その時こそ、これはまずいぞと。
大雨警報くらいまでは時々聞きますよね。警報は心の中のスイッチを切り替えるタイミングで、ふだんの暮らし方を、予定をちょっと見直す。それ以外の土砂災害警戒情報とか、記録的短時間大雨情報とか、こういうのが出てきたら、これはふだんとかなり違うぞと。そういうふうに、あんまりこんなの聞いたことないなっていう情報が出てきたかどうかっていうことをキャッチするのがいいと思いますね。

大林 さん
わりと警報が出てるから、ちょっとそれに慣れちゃって。だから、ぱっと見て「緊急」ってあると、すごいどきっとする。

関谷 さん
順番もあるんですよ、時間の。まず、雨が降って、次に川の情報が出て、ある程度時間がたってから、本当に危なくなったら避難指示、避難勧告というのが出てきますから、段階を追って出てくるっていうのもあるので、そのつど気をつけてもらうっていうのが大事だと思いますけどね。

牛山 さん
ふだんからずっと情報に神経質になってるというのは難しいですけども、大雨警報が出たらふだんよりもまめに情報収集するとか、そういったタイミングが必要かもしれないですね。

松本 解説委員
「紫」の概念というのが、最近ものすごく激しい雨が降って、大きな災害が起こるようになって、新たに取り入れられたものなんですけれども、基本的に紫になったら、もう遅いかもしれないと。ですから、警報が出て、記録的短時間大雨情報ってちょっと長くて難しい呼び方ですけれども、どこどこで100ミリとか80ミリの雨が降ったという情報なんですが、近くでこういう雨が降ったという情報が出たら、これはもう危険ですね。

牛山 さん
われわれで研究してるんですけども、記録的短時間大雨情報が出た場合、だいたい6割の確率で何らかの被害が出ているんですね。1回出ただけでも6割で、もし2回続けて同じとこで出ると、8割くらいの確率で何か被害が出てしまう。

徳永 アナウンサー
ちなみに今回は、19回、九州北部だけで出ています。

牛山 さん
しかも、朝倉市だけで7回なんですよ。数年前に伊豆大島で災害ありましたけど、あの時で3回なんですよね。7回というのはものすごい数ですね。

首藤 アナウンサー
でも、いつ避難するかってすごく判断が難しい。

松本 解説委員
避難準備、避難勧告、避難指示(緊急)とありますけれども、避難勧告が基本ですね。お年寄りは避難準備が1つのトリガーと。紫の時には避難を終えているか、あるいは、少なくとも始めている。勧告がベースというふうに考えていただきたい。

牛山 さん

避難準備も、「高齢者等」ってついてますけど、決してお年寄りだけの情報ではないんですね。お年寄りは時間がかかるからという趣旨でついているんですけども、ここに「等」ってついているのが実は結構重要で、危険性の高いところに住んでる方であれば、お年寄りに限らず、そろそろ早めに行動を始めてくださいと。時間のかかる方や危ないところに住んでる方はそろそろ動き始めてくださいという、そういう情報だと思っていただいていいですね。

関谷 さん
それぞれの市町村から、ハザードマップっていうのが出ていまして、この地域はこういう情報に気をつけたほうがいいですよという情報は提供されてるので、例えば山の近くだったら土砂災害警戒情報に気をつけるとか、川の近くだったら洪水警報、もしくは指定河川の警報というものに気をつけるとか、地域によって、住んでる場所によって、気をつける情報って変わってくるので、あらかじめ知っておいて、その情報を特に気をつけるっていうのも大事だと思うんですけどね。

レッド吉田 さん
ハザードマップも、もらうんですけど、どっかにしまってありますよね。ちゃんと分かるところに置いておいたほうがいいってことですね。

関谷 さん
いまインターネットで検索すれば、大抵の市町村は出てくるので、ちょっと気になった段階でまず確認していただくというのが大事かと思いますね。

首藤 アナウンサー
ツイッターもいろいろ来ているようなんですが、疑問の声ありますか?

徳永 アナウンサー
具体的な疑問がたくさん来ていますね。「深夜に避難指示などが出た場合ってすぐに避難するべきなんでしょうか?」。

牛山 さん
これも一概には言えないですね。それぞれの方のお住まいの場所とか、事態の進展してる状況によっても話は変わるんですね。

決して避難とは避難所に行くことだけではない、っていうことが最近かなり強く言われてるんですね。というのは、避難所に行く途中のほうが危ないっていうことも大いにありうるんですよね。もちろん避難所に行ってはいけないっていうことではないんですけれども、避難所に行くことも含めて、何らかの安全確保を図ると。だから、自分の住んでるところが水に囲まれてしまってるというような場合であれば、少しでも高いところに移動するっていうことも含めて考えなきゃいけないですね。

徳永 アナウンサー
大阪府の方で、「避難場所、知らないです」っていう正直な方もいて、「近くの小学校ですか。中学校ですか。途中危険な場所があるのにな」って書いている。斜面とか、もしかしたら川沿いかもしれません。

牛山 さん
そこらへんはむしろ自分の感覚に素直になっていただいたほうがいい。別にそこの避難所へ必ず行きなさいというふうに命じてるわけではないので、危ない行動はとっちゃいけないです。危ないなと思うようなところを自分で日頃から注意して見ておくっていうことは、重要になってくると思いますね。

関谷 さん
例えば川から離れてて土地が高いところだったら、あえて避難する必要もないわけですし、マンションの高層階にいたら、雨で避難する必要はないわけですよね。だから、行政から避難指示が出たとしても、住んでる場所によって判断するということが大事だと思いますね。

牛山 さん
よく垂直避難といって、建物の2階にいるのも1つの手ですとわれわれも強く言ってるんですけども、2階にいればどこでもいいかというと、そうではないわけですね。土砂災害、特に土石流が直撃するようなところだと、家が完全に壊れてしまうとか、今回の九州でもそうですけど、川のすぐ脇とかですと、流されてしまうっていうことありえますので、自分の場所はどうなのかなっていうことをハザードマップ等であらかじめ確認しておくっていうことが非常に重要でしょうね。

徳永 アナウンサー
もう1ついきましょうか。

「何が数十年に1度なんでしょうか」って、よく出ますね、気象情報で。

南 さん
過去のデータをずっと気象庁がためてまして、そのデータを基にして、数十年に1度とか50年に1度とかっていうことを割り出しているわけですね。いま、数十年に1度とか50年に1度っていうことが昔に比べるとかなり多くなっているので。

首藤 アナウンサー
そういう印象ありますよね。

南 さん
ですね。いつどこで激しい現象が起きるかっていうのもなかなか分かりにくい状況で、自分の住んでるところが、もしかしたらあす起きるかもしれないし、ということが多くなっていますね。

牛山 さん
気温なんかだと、きょうは35度でものすごい暑いって1発で分かるんですけれども、降水量は例えば1時間とか3時間、あるいは1日とか、それぞれの強さの、積算していく量が違うんですよね。
数十年に1度っていうのは大雨特別警報の時によく使われる言葉ですけれども、大雨特別警報の基準は、3時間とか48時間とか、少しまとまった時間にわたって降ってる雨の量がその地域にとっては数十年に1回くらいだという、そういう意味合いなんですね。

レッド吉田 さん
昔といまでは、違うんですか?

南 さん
調べたことがあるんですけども、例えば1980年代と最近の10年間比べると、例えば1時間に50ミリ以上の雨がだいたい1.5~2倍ぐらい多くなってますね。だから、過去に比べると激しい雨っていうのが非常に降りやすくなっている状態に日本はなっているというふうに考えたほうがいいと思います。

レッド吉田 さん
最近都会でアスファルトになってきてるじゃないですか。そういう部分で、水の行き場所がなくなってきてるっていうこともあるんですかね。

牛山 さん
都市化が進むと、水がしみこみにくくなるっていうことがありますよね。そうすると、いままでだと浸透してたものが表面に流れちゃう。だから、同じような雨が降ってきても、早く一気にばっと出てくるとか、そういうことになりやすいっていう傾向はあるかもしれないですね。

関谷 さん
あと、都市部だと、護岸の工事が進んでて、洪水が起こりにくくなってきてるんですよね。なので、ひとたび起こると大規模な災害になりやすい。小規模な災害っていうのが減ってきてるんですよ、いま。統計的には。

牛山 さん
雨の降り方は確かに激しくなってるんですけども、被害っていうのは激減してるんです。ここ50年くらいで見ると、ふた桁減ってるんです。犠牲者の数にしろ、建物の被害にしろ。
だけど、その場所が危険だっていうことは、地形的な特徴は変わらないので、起こる時には突然大きなことが起こっちゃう、そういう怖さは現代ならではの怖さですね。

首藤 アナウンサー
専門家の皆さんに、今回、見えてきた課題をそれぞれ挙げていただきました。ゲストのおふたり、気になることから伺っていきましょうか。

大林 さん
「SNS社会」ってものすごい気になるんですけど。

関谷 さん
いろいろな情報がSNSで上がってくるわけですけれども、今回九州の豪雨でいちばん特徴だったのは、いちばん被害がひどかったところが、携帯電話の基地局が停波してしまったってことですよね。いちばん被害がひどいところこそ、情報が入ってこないんですよ。電話もつながらないし。
確かに救助の情報というのはたくさんSNSに出る。もちろんそれも、1人1人は困ってらっしゃるんで、すごく大事なんですけれども、全体として見ると、いちばんひどいところというのはなかなか情報が入ってこないってところもある。なので、まず、SNSの情報だけではなくて、気象庁からいろんな情報とかも出てますし、それをまず気にして、被害の情報とかに関しては、ある程度時間がたってから、きちんと判断をして考えていくっていうのが大事になっていますね。

大林 さん
いまいろんな人がいろんな情報をくれるから、逆によけい混乱しちゃったり。

徳永 アナウンサー
質問も来てますね。

ツイッターで「#救助」っていうのが自分のところにも来たっていう人がいるみたいで、見たらどうしたらいいんだろうっていう。

関谷 さん
まず、通信の輻輳(ふくそう)っていうんですけれども、携帯電話とか電話がつながりにくくなります。災害の時は。けれども、どちらかというと110番、119番に、緊急通報をつなげるために、規制をしてつながりにくくなってるってところがあるんですね。なので、まずは110番、119番をかけるっていう、当たり前のことなんですけど、それをやってもらうと。

首藤 アナウンサー
本当に緊急時には110番、119番。まず。

関谷 さん
そうですね。それでもつながりにくいとか、あと、いろんな場合がありますので、最後の手段としてSNSの救助っていうのももちろん大事かもしれませんけど、まずは消防署とか市役所の人に、自分たちが孤立してるとか、助けてほしいとかキャッチしてもらわなければいけないので、まずは110番、119番をトライするっていうのが最初ですよね。

首藤 アナウンサー
続いていきましょうか。どれにしましょうかね。

レッド吉田 さん
「"昼間の災害"の怖さ」っていうのが。

牛山 さん
夜の災害は怖いってよく言われてますね。それは確かにそのとおりなんですよね。夜は見通し利かないし、あるいは寝込みを襲われるとか。

だけど、昼間の災害は、たぶんね、ちょっと無理してしまうという特徴はあると思うんですよね。例えば、雨降ってるけどもうちが心配だから見に行こうとか、早く帰ろうとか、あるいは仕事に戻らなきゃとか、夜だったらじっとしてようと思うところが、無理な行動をとってしまうということもありうるんですね。

首藤 アナウンサー
動けてしまうが故に。

牛山 さん
われわれの調査だと、亡くなった方の遭難した時間帯を分類すると、夜と昼はだいたい同じくらいなんですよね。やや夜のほうが55対45ぐらいで多いくらいなんで、実は決して夜だけが怖いわけではないんですよね。だから、夜には夜の怖さが、昼には昼の怖さがある。
今回はどちらかというと昼間の災害のタイプですね。去年の岩手のもそういうタイプだったんで、いろんなパターンがあるということを注意したほうがいいかもしれないですね。

首藤 アナウンサー
松本さんは、「オーダーメイドの避難を」。

松本 解説委員
命を守るためにはまず避難が大事ですよね。だけど、避難のしかたはそれぞれ人によって違う。どういう場所にいるか、どういう家族構成かによっても違ってきますね。大事なのは、自分が住んでいる場所や、仕事場ですよね。そこにはどういう危険があるのかということを知っておくということですね。

土砂災害については、警戒区域とか特別警戒区域の指定が進んでいます。川の周辺については、川があふれるとどの辺まで浸水しますよという浸水予測図、それに基づいたハザードマップが大きな川についてはだいぶ作られていて、自分のお住まいのところがここに当たるのかどうか。
それから、タイミングについても、お年寄りとか避難に時間がかかる方がいる場合は、早めの避難を心がけると。夜間の避難という話が出ましたけれども、夜間、本当に雨が強くなって避難できなくなる。その前に、いま行政も早めにそういう情報を出すように努力をしているんですけれども、明るいうちに避難をして、安全なところに身を寄せておくということが大事。1人1人に合わせた、状況に合わせた避難をあらかじめシミュレーションしておくっていうことがとても大事だなと思うんですね。

徳永 アナウンサー
水害を経験した方からの声が増えてきました。福岡の、まさに今回の被災地の方からです。「レッドさんが言うとおりです。警報が出ても、これだけ話をしても、心の中に危機感がないと逃げないんですよね」。
それから、宮崎の方。「うちは、自分は大丈夫だという意識を捨てることが避難につながります」。
神奈川の方。「12年ほど前でしょうか。東京・中野の実家が床上浸水しました。それからは予報や川のライブ映像など必ずチェックしています」。
京都の方です。「大雨・洪水特別警報がかつて発令された時、とてつもない大雨を経験しました」。各地でこんなにいらっしゃるということですね。

首藤 アナウンサー
経験した方は危機感を持つんですけれども、そうじゃない人との温度差も感じますかね。

松本 解説委員
平成17年ですね。東京の西部で大雨があったのは。これはものすごい雨で、受け入れられる水の量、地下の、下水のキャパシティーを超えて、床上浸水、床下浸水被害が出たんですね。京都の大雨の時は、地下鉄が浸水するという被害も出てますね。都市部での雨も怖いですね。

首藤 アナウンサー
そして南さん。「全国どこでも豪雨の危険がある」と。

南 さん
そうですね。3年前は広島で豪雨がありました。2年前は鬼怒川の流域で豪雨があって、去年は北海道、それから、岩手に台風がやってきて、豪雨の被害がありました。昔に比べると、気候の状態が変わってるっていうふうに思ったほうがいいと思いますね。最近激しい雨っていうのがすごく降りやすくなって、昔の状態ではない。台風が、いままでやってこなかったところでもやってくる可能性があるし、激しい雨も降りやすくなっているので、自分のところでも起きるっていうふうに思っておいてね。

大林 さん
よくね、台風が来ない地域だからみたいな、東京はそんなにとか、どうしてもあるから、今回、被災された方が、こんな雨信じられないっていうのが、たぶん自分としても考えなきゃいけないのかなって。

レッド吉田 さん
雨は降り始めて時間がたってから、災害につながっていくわけじゃないですか。準備する時間っていうのがあるから、本当にちゃんとしたほうがいいですよね。

牛山 さん
地震みたいにね、突然っていうわけじゃないですから、そこが少し救いがあるところで、場合によりにけりなんですけどね。今回は比較的時間がなかったタイプですけど、台風なんかですと、前の日ぐらいから、その時間を有効に活用するってとこはおっしゃるとおりだと思いますね。

関谷 さん
気象条件もそうなんですけど、災害って、被害を受ける人は誰でもその被害を受けるのはほとんどの人は初めてなので、あらかじめ備えておくってことが重要で、1回経験したから次に備えるっていうんじゃなくて、いつ起こるか分からないっていう備えのほうが、たぶん大事なんだろうと思いますけどね。


プレゼンテーション②

徳永 アナウンサー
実際に被災した方からの声も多いですが、これですね。これ。

「マンション群の中では?」っていう質問と、都市部で、

特に車の避難。「深い水たまりで不安です」と。都市部で大雨が降った場合は、これまでのことに加えてどんなことを注意しておけばいいかっていう質問が増えてきたので、まとめてみました。 まずですね、これです。そんなに大きくない川でも、街なかにはちょっとした沢のような川がありますよね。子どもと遊んだり、バーベキューをしたり。気をつけてください。

急に増えます。そこが降っていなくても、上流で土砂災害が起きるほどの雨が降っていると、一気に来ることがあります。最悪では10分ぐらいで来るという話もあるそうです。上流の天気も注意をしておいてください。 それから、車の話がありましたが、注意すべきはやはりこれですね。

首藤 アナウンサー
アンダーパス。電車の高架下のような感じですかね。

徳永 アナウンサー
道路と交差していたり、電車と交差して、道路が谷の形のようになっているところがあるんですね。ここはすぐ水がたまります。私も経験があるんです。行かなきゃいいじゃんと思うかもしれませんが、大雨の時って視界が極端に悪いので、気が付いたら下り坂だったっていう感じでした。

それから、車乗らない方も、都市部は特に、地下街、地下鉄、注意が必要です。
家の近くまで行ったからなんとかって思わないでください。こういうところも注意が必要です。

というのも、都会は、雨水は下水道を使って処理していきます。キャパを超えてしまえばあふれることもあります。家の周りがちょっと冠水してるぐらいだからって走っていくのは要注意です。ふたが外れていて、穴に落ちてしまう恐れもありますから、油断しないでください。
下水が上昇するということは、家庭の中でも気をつけておいてほしいところがあります。下水道とつながっているところありますよね。

お風呂やトイレ。それが逆流することも最悪はあるでしょう。
もっと言うと、そういう水回りに、例えば温水洗浄便座という、電気を使っているもの多いですよね、最近。最悪は漏電ということも考えておかなきゃいけないので、下水関連も注意が必要。

なぜここまで言っているかというと、実は日本の都市構造って、基本的には、1時間に50ミリの雨までなら適切に処理できるように作ってある。最近これを80ミリぐらいまで耐えられるような街にしていこうという動きもある程度あるんですが、今回の豪雨は100や120ミリまでいってるわけですよ。

大林 さん
いま東京では、1時間に何ミリって言われたら危険って思ったらいいですか。

牛山 さん
あんまり数字で目安にしないほうがいいと思いますね。これは大変な雨が降ってるなということとか、あと、記録的短時間大雨情報とか、そういったのが出ている時には注意しなきゃいけないってことでしょうね。
ひと言で言うと、流れる水は怖いっていうことなんですよね。人も、車も同じなんですよね。簡単に流されてしまうんですね。よく何十センチくらいまでなら歩けるとかいう話があるんですけど、水の流れが速ければ、浅い水でも流されちゃうんですよね。流れてる水には基本近づかないっていうのが大原則だろうと思いますね。

関谷 さん
あと、この中で、命の危険性があるのは、車だと思うんですけれども、まず、水害が発生しそうな時は乗らないっていうのが大前提なんですけど、いま車の中から窓ガラスを割るような機材も出てますし、スパナを置いておくとか。

首藤 アナウンサー
スパナを車に置いておく。

関谷 さん
いま車って、電動で窓の開け閉めするじゃないですか。それが、1回水が入ってしまってショートすると開かなくなるんですね。なので、基本乗らないのが大前提なんですけれども、ああいうふうにアンダーパスに突っ込んでしまう場合とかありますんで、窓を割るツールっていうのは備えとして入れておくっていうのがたぶん大事だと思いますね。

レッド吉田 さん
でも、車の中は安全地帯だみたいな、そういう価値観ちょっとあるんですよね。

牛山 さん
特に最近の車は機密性が高いので、浮きやすいんですよ、むしろね。静かに止まってるところで浮いたらそんなに怖いことはないんですけれども、流れがあったら、浮き始めたら制御不能になっちゃうんですね。
さっき、昼間の災害の怖さの1つには、車で移動中に流されて亡くなると。これ、かなり実はいらっしゃるんですよね。だから、車でも徒歩でも、じゃんじゃん雨降って水流れてるとこっていうのは危ないんだなっていうふうに思ったほうがいいです。

レッド吉田 さん
車を置いていくのも、先月買ったばっかりの新車だとか・・・。

首藤 アナウンサー
でも、命には替えられないです。

レッド吉田 さん
そんなことよりも命のほうがね。

牛山 さん
車両保険をかけるとか、何か別の方法での備えというのも重要かもしれないですね。

松本 解説委員
都市部の怖さ、設計が1時間あたり50ミリになっているということなんですけど、これを超える雨が来ると、一気にリスクが高まる。それを80ミリに高めようということで、いまハード整備、インフラ整備進んでいるんですけど、まだ追いついていない。そこで平成17年のような豪雨が来ると、一気に水がたまってしまう、流れてしまうという危険性がある。
いま地下の浸水対策ってすごく進められているんですけれども、まだ完璧ではないわけなんです。一方で、地下街とビルの地下と、それから、いろんな地下鉄の直通運転なんかで広がっていて、地下空間がものすごく広がって大きくなっているんですね。ですから、いろんな事業者が管理していて、連携をして浸水を防ぐっていう取り組みも、いま非常に大切になっているんです。

牛山 さん
地下は、地下街よりもむしろ地下室ですよね。例えばビルの1階だけが地下室で、そこにお店があるってよくありますよね。地下街だとある程度空間があるので、浸水するのに時間がかかる。ところが、地下室だと、本当にちょっとした雨でもすぐに満水になってしまう。
1999年に東京と福岡でおひとりずつ、地下室で亡くなった方がいらっしゃって、それ以来そのケースはないんですけど、たぶんこれはたまたまであって、地下室っていうのは、大雨の時はよくよく注意しなきゃいけないかなと思いますね。

関谷 さん
地下街も、いままでそういった死亡例がないだけで、全く起こらないわけではないんです。リスクはありますし、例えば渋谷駅とか、地下街でいろんなところでつながってる、ビルの出口とかいろんな出口があって、そこを全部防ぎきるって不可能ですから、1度浸水が始まったら、また、川の水があふれて浸水が始まったら、たぶんものすごくリスクが高い場所なんですね。

レッド吉田 さん
全部つながってますもんね、地下って。

松本 解説委員
例えば、東京駅周辺というのは有数の巨大な地下空間なんですね。地下街と、地下鉄の駅と、ビルの地下とつながっていて、そこで大雨が降ったらどうなるかっていうことを早稲田大学の関根正人教授がシミュレーションしたことがあるんですけれども、平成17年、最近いちばん強かった杉並で降った豪雨と同じものが、東京駅とか大手町とか有楽町とか、その辺で降ったらどうなるか。

だいたい大雨が降り始めて15分後から流れ始めて、100分後には二重橋から日比谷ぐらいまで一帯が浸水して、この辺地下4層になっているんですけれども、地下2階で深いところで1メートル、地下4階で深いところで2メートルぐらいになってしまうと。
これはあくまで、この辺りで、地下街の入り口、地下鉄やビルの入り口が146か所ぐらいあって、何も対策をしなかったらという想定で、きちっと対策はとることになっているんですけれども、もしそれが間に合わなかったりしたらという想定なんですね。こういう出入り口がたくさんあるのを、全部止水板をしたり、止めたり、体制をとらなきゃいけない。その連携がすごく大事。

視聴者の声

「幼児が複数いて、マンションの10階のため、避難しないつもりです。この場合、何の備えが必要ですか」。

牛山 さん
そういうところの場合は、しばらくそこで過ごすことができるように備えておくことが重要でしょうね。最近地震なんかでも3日ぐらいの備蓄をしましょうってよく言いますけども、日本の水害は、多くの地域でだいたい1日ぐらいで浸水が引くんですよね。ですから、3日程度の備蓄があれば十分落ち着いてられるかな。
ただ、それも場所によりにけりです。東京なんかでゼロメートル地帯みたいなところがありますけども、そういうところだと、1週間、数週間っていうこともありうるので。

首藤 アナウンサー
なるほど。

大林 さん
地下にいた場合は、とりあえず地上に出ようと思ったほうがいい?

松本 解説委員
浸水すると、エレベーターなんか止まる恐れもありますよね。

関谷 さん
あと、停電のリスクもあるので、地下にいる時はできるだけ早めに出ると。

レッド吉田 さん
ただ、その情報を、地下にいる人に伝えてくれないとだめですよね。

牛山 さん
地下にいると、確かに地上の様子が分かんない。ただ最近だと、スマホのアプリ等で、大雨が来てますよ、雨雲が近づいてますよ、そういうのを知らせてくれるようなプッシュ型の情報もありますから。

徳永 アナウンサー
だんだん九州の方から声が増えてきましたね。「現地では突然の豪雨で停電し、ネットがつながらなくなりました。情報なしの状況でどう対応するかが今後の課題でしょうか」。
それから、「避難指示が出ましたが、避難しなかった」という福岡の方。「車いすの母を避難所の2階以上に上げるのは困難だと思ったから」。
それから、朝倉の方。「停電で情報収集が困難で、停電が解除されてもメイン道路周辺の情報ばかりです」。福岡の方から続々と声が来始めていますね。

関谷 さん
インターネットとかで情報を得られるというのは被害がないところなんですよね。いちばん被害があるところっていうのはそういうのが得られないので、いざ起こった時にどう対応していけばいいのかっていうのは、あらかじめ知っておかないといけないってことですよね。これから備えるという意味では、あらかじめある程度自分の住んでる場所のリスクを知っておくというのは大事だと思いますね。

首藤 アナウンサー
SNSでいうと、拡散するじゃないですか。リツイートで。あれはいいことなんですか?

関谷 さん
できれば、あんまりよくないことだと思います。

首藤 アナウンサー
よくない。拡散するのは。それはどうして?

関谷 さん
ものによると思いますけれども、情報っていうのはどんどんどんどん刻一刻と変わってきますから。よく言われるのが、タイムスタンプで時間をつけるとか、いろんなやり方があると思います。けれども、拡散をしたからといって、いいことが何があるかっていうと、そこをきちんと考えてもらうっていうことですね。
物資を集めるとかそういうものにしても、ある程度決められたルートで送らないと、いくら送っても混乱してしまいますし、救助の情報も、ちゃんと消防の人に見つけてもらわないと意味がないので、やたら拡散するっていうよりは、むしろ自分が救われるため、もしくは家族を守るために何をしたらいいかっていうことを考えて、本当に拡散する必要があるのかっていうのは考えたほうがいいと思いますね。

首藤 アナウンサー
皆さん、きょうはどうもありがとうございました。

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