2017年06月17日放送放送内容まるわかり!

休みが増えれば皆ハッピー? 広がるか"週休3日"

いま、日本人の「休み方」の議論が活発になっています。今月、宅配大手・佐川急便がドライバーの人手不足解消をねらい「週休3日制」を導入しました。 国も「休み方改革推進会議」を立ち上げ、休暇を増やすことで長時間労働の是正や消費の拡大を目指す方針です。有給取得率が世界最低レベルと指摘されるニッポン。休みを増やせば明るい未来が待っているの? そんなに休んで社会は大丈夫? 日本人の「休み方」を深読みします。

今週の出演者

専門家

武石 恵美子さん(法政大学 教授)
渥美 由喜さん(東レ経営研究所 主任研究員)
竹田 忠(NHK 解説委員)

ゲスト

髙田 延彦さん(元総合格闘家)
いとうまい子さん(女優)

今週のグラフィックレコーディング

グラフィックレコーダー
山田 夏子さん


首藤 アナウンサー
週休3日。私、仕事と育児もしていまして、羨ましいなと思うんですけれども。企業が週休3日になると何がどう変わるのか。プレゼンはこの方です。


プレゼンテーション

田中 アナウンサー
いやあ、3連休で海、楽しかったぁー。休みサイコー!

首藤 アナウンサー
軽くないですか?

田中 アナウンサー
私、全国各地の企業を回りまして、週休3日のよさを広めるコンサルタント・田中でございます。

みんながハッピー、みんながありがとう、「サンキュー、週3休」!この週3休ね、企業もきらきらと輝かすんでございますよ。

首藤 アナウンサー
ほんとですか?

田中 アナウンサー
ご覧ください、これ。

もう実際に採り入れてる企業。

髙田 さん
こんなに?

田中 アナウンサー
忙しいようなイメージがあるところも採り入れてるでしょ。いま働き方改革って盛んに言われていますね。働き方をよくするということは、休み方をよくすることなんでございます。
きょうのクライアントさんはこちら

深読み株式会社。社長さんからご相談がありました。あんまり看板が輝いてませんね。

首藤 アナウンサー
暗いですね。どよんとしてる。

田中 アナウンサー
社長、悩んでらっしゃる。

人が来ない。いま人手不足というのがかなり深刻です。働き盛りの人口が年間100万人というペースで減っていっています。
さらに社長を悩ましているのが

若者。彼らの傾向なんです。これまで、企業を選ぶ上で重視することといえば・・・。

いとう さん
そりゃそうですね。

田中 アナウンサー
でもね、いまは若者たち、これを上回って、この理由。

これを重視している。

髙田 さん
こっちのほうが優先なんだ。

いとう さん
お金じゃないんですね、もうね。

田中 アナウンサー
いまブラック企業とか過労死っていうのが大きなニュースになってるでしょ。なので、いまの若者たちは働き方、ものすごく敏感になっています。ですから社長、「週休3日」なんでございます。
一口に週休3日と言いましても、いろんなプランがありまして、まず、このプランいかがでしょうか。

「3休プランA」でございます。働く時間はこれまでと変えません。もちろん給料も同じです。休みだけ増やしましょうということで、1日8時間働く。週5日だと週40時間ですね。その40時間を変えずに、1日10時間働けば週4日。

髙田 さん
そういうことか。

田中 アナウンサー
1日休みができるわけでございますね。バリバリ働いてしっかりと休めば、

これまでの疲れた体をリフレッシュ!そして、次へのエネルギーをチャージ!と。

首藤 アナウンサー
でもね、1日10時間ってどうですか? 育児とかしていると、1日ちょこっとずつ欲しいんですよ、時間が。週末まとめてはできない。

田中 アナウンサー
確かに首藤さんがそういうふうに言う理由も分かりまして、この会社もそういう悩みを抱えている社員がいます。

30代の読子さんでいうと、いま子育てがとっても忙しい。50代の読男さん。

親の介護に直面しました。

いとう さん
これは大きな問題。

田中 アナウンサー
こういう働き方になってしまうと、仕事を辞めなきゃいけないかも。社長にとっても、ベテラン社員だとか、働き盛りの社員がいなくなっちゃうと、大きな痛手なんでございます。
でもご心配なく。続いてのプランはそういう方たちのために

「3休プランB」。これでございます。働く時間は減らして、給料も減るけれども、休みはちゃんと確保。これでいうと、例えば金曜日、これを全くなくしますと。そうすると、週32時間になりますので、給料は下がりますけれども、休みは増えますと。
休みがあれば、その1日増えた休みで家にいて、子どもと触れ合う機会が増えますし、妻と介護を分担することもできる。例えば親御さんが離れたところにいる場合、首藤さんもいまご両親は。

首藤 アナウンサー
愛媛にいます。

田中 アナウンサー
3連休あればどうですか?

首藤 アナウンサー
そうですね。2泊3日とか、3泊4日とかで帰れたりしますよね。長くいられる。

田中 アナウンサー
仕事を辞めちゃったらお給料ゼロですよね。減ったとはいえ、ちゃんとお給料もらいながら仕事と家事・育児・介護というのを両立することができる。週休3日というのは働き方の選択肢を増やすということ。サンキュー、サンキュー、週3休!

首藤 アナウンサー
でも、街でも、給料減ることに敏感な人は結構いたんですよ。

田中 アナウンサー
やっぱり気になります?鋭いですね。大丈夫でございますよ。この3休プランというのは、ウルトラCがあります。

これでございます。いきますよ。働く時間は減らしますよ。これが大事。給料そのまま。休みはちゃんと増やしますと。

いとう さん
それはどういうことですか?

髙田 さん
どういうからくり?

田中 アナウンサー
気になってきましたね?いいです、いいです。ぐいぐい来てください。
この、まさにウルトラCプランに、来月から試験的に挑もうという企業があるのでございます。それがこちら。

広島にあります、精米器を作る会社。
オフィスはどんな感じかといいますと、

「集中タイム」というのがあります。午後の1時すぎから3時すぎまでの2時間は、かかってくる電話にも出ません。人とお話もしません。トイレ休憩もありません。もちろんたばこのお休みもありませんよ。自分の仕事を2時間、とにかく何も邪魔されずに集中してやると。この時間を設けました。社員さんからは、ものすごく作業効率がよくなったと好評なんだそうです。
あとはこれですね。多くないですか? どの企業さんも。

その資料本当に必要ですか?長くありません?だらだらと。

首藤 アナウンサー
会議、会議。会議ね。

田中 アナウンサー
時間を決めましょう、ちゃんと。

首藤 アナウンサー
深読みの会議もちょっと長めの傾向にあるんですけど。

田中 アナウンサー
本番中に愚痴るのやめてください。

髙田 さん
改善しましょう、改善。

田中 アナウンサー
あとは、ちゃんと休めるような

フォロー体制というのがありまして、例えば事務の仕事をしている方も研修を受けて、繁忙期の営業のところに一緒に回るとか、カバーをする。あとは事務の人でも、精米器のメンテナンスとか故障も直せるようにする。部局を越えてみんなで補い合えば、休みやすくなるでしょということで、働く時間は減らしても売り上げが変わらなければ、給料は下がらず、休みはちゃんと増えるということが可能になるわけです。サンキュー、サンキュー、週3休!
社長、どうですか。週休3日を採り入れれば若者たちも入ってきます。そして、何よりも、

社員のモチベーションにつながります。休んですっきりとした頭からは、新しいアイデアや発想が生まれます。1人1人の生産性がアップしますよ。ということは、

会社全体、業績ぐんぐん、どんどん成長。ようやく社長、笑顔になっていただきました。
休むというのは、サボるとか怠けるってことじゃありません。輝くために休むのでございます。サンキュー、サンキュー、週3休!これが

私が言っている夢の週休3日の世界でございますよ。
どうですか、皆様。いつでも私、相談に乗りますので、ぜひ皆様方の企業でもご検討をいかがでしょう。私、このあと休み取って山行かなきゃいけないんで、じゃあ皆さん、バーイ。サンキュー。

髙田 さん
もうきょうのオンエア終わりじゃないの?いいことずくめで。

竹田 解説委員
大団円を迎えました。

首藤 アナウンサー
ねえ。でも、あの人、本当に信じていいんですか?

渥美 さん
首藤さんみたいに子育てしながら働いてる、ママ社員4000人にアンケートを採ったことあるんですけど、7割の女性が、時間の使い方がうまくなった。仕事以外にやらざるを得ないことがある、あるいはやりたいことがある人っていうのは、ぎゅっと仕事の密度を高めようとしますから。日本の職場ってむだが多いので、そういうところを圧縮して、仕事のやり方を根本的に見直すきっかけとして、週休3日っていうのは働く人にとっても企業にとってもメリット大きいと僕は思います。

首藤 アナウンサー
うまくいきます?

武石 さん
選択肢が増えるという意味ではいいと思うんですね。ただ、トータルの労働時間が40時間っていう、総量管理がきちんとできてないと夢物語になってしまうので、すばらしいバラ色の世界が広がってるんですが、ここに行くまでのいろんな環境整備っていうのは、すごくハードルが高い企業が多いと思います。

竹田 解説委員
2つあって、1つはいま武石さんがおっしゃられたように、職場のマネージメントがまずきちっといってないと、結局このとおりにはなかなかいかないってことですね。時間管理、それから、仕事量の管理、この2つができてないと、このとおりいかないっていうことがあるわけですよ。
あともう1つは、私ね、仕事によると思うんです。デザインを考えたりとか、何かアイデアを出したり、場所とか時間にとらわれずに仕事ができるっていう人は、当然週休3日にしても、例えば自宅でテレワークやってもいいしということで、かなり実現可能性高くなると思うんですが、そうじゃない人、例えば足で稼ぐ営業の人に週休3日って要求しちゃったら、毎日どれぐらい長く仕事すればいいのかということにならざるを得なくなってきますね。ですから、そこは分けて考える必要があるかなと。

視聴者の声

富山県・20代・女性
「週休3日になることで給料が減るのは本末転倒」。

東京都・40代・女性
「休日は週休2日で十分だと思う。1日休みが増える分、出勤日の仕事量にしわ寄せが来るんじゃないですか」。

首藤 アナウンサー
不安の声いっぱい来てまして、給料って、だいぶ減っちゃう可能性もあるんですか?

武石 さん
それも40時間で働くのが基本の働き方で、その中で生活できるお給料っていうのが前提だと思うんですね。だから、残業込みのお給料じゃないと生活ができないということになると、そこが問題ですよね。

竹田 解説委員
日本は残業が当たり前という中で賃金設計してるので、残業代込みで生活できていけるような賃金体系に、全体としてなってるわけですよね。そこは1日8時間なら8時間で、きちっとその給料で生活できていけるっていうレベルの賃金になってないと、結局、何が起きるかっていうと、3日休むんだったら、ものすごく1日1日の残業を増やさないと。

首藤 アナウンサー
10時間どころじゃなくて。

竹田 解説委員
結局生活ができないっていうことになっちゃって、やっぱり週休3日、無理だよねっていうことになりかねないですよね。

渥美 さん
週休3日の使い方なんですけど、そもそも働かないんじゃなくて、例えばだらだら残業、生活残業していた人たちが、休みが1日、2日だったら遊んで終わりだけど、3日だと、日本の労働者は真面目なんで、仕事に結びつくような、ちょっと勉強してみよう、研さん積もうっていうとスキルが高まるから、密度の濃い働き方ができる。そうすると給料が上がるかもしれないし、あと、いま副業禁止を解禁しようっていう流れがあるので、自分の趣味を生かして週末に起業をしてみる。そこで小遣い稼ぎができるっていう意味では、必ずしも収入減るばかりじゃないと僕は思います。

髙田 さん
これって社員の選択制なんでしょ?

武石 さん
そうしないとおかしいですよね。

髙田 さん
個々のライフスタイルに合った形で社員さんが選択すれば、別にそんなに弊害はないんじゃないですか。労働力が落ちるってこともないし。

武石 さん
マネージメントがうまくできてないと残業が増えるっていうことがあるんですけれども、いろんな働き方が職場に増えると、さらにマネージメントって難しくなるんですよね。
いまでも十分できてないのに、またいろんな人が、いろんな働き方で部下にいるってなると、上司はそこもきちんとマネージメントしなくちゃならないので、職場でどう、こういう人たちが活躍できるかっていう、そういう環境整備はすごく重要になると思います。

髙田 さん
そもそも独身と所帯持ちでも全然違うじゃないですか。あるいは所帯持ってて、介護しなければいけない方、お年寄りがいる、いないでも、また変わってくるし。

渥美 さん
事情に応じた働き方を提供するって意味で週休3日っていう選択肢はあっていいし、いろんな事情を抱える部下、同僚がいる中でどうやって成果を上げるかっていう、マネージメント力が問われるやり方だと思います。

いとう さん
早く帰っていいですよって言っても、周りの目を気にして帰れないっていうのが、日本人独特の感性があるので、そこのところは、先ほどもありましたけど、コアタイムみたいな、ここだけは集中しましょうと。そうしたらば、用事がある人はここから先帰っていいですよというのを推し進めていけば、何となく言われれば、やりやすくなる。、環境づくりも大事だと思うんですけど。

渥美 さん
みんな同じように遅くまで働こうっていうところを、変えるきっかけになると思います。

髙田 さん
ちょっと報酬落ちてもいいから、3日間休み取って遊びたいっていう、優先順位が違う人もいるしね。幅広い選択肢が企業に悪影響を与えない中でできればいいね。

武石 さん
いままでの望ましい労働者っていうのは、長く働いて、頑張りが評価される。

いとう さん
根性論でね。

武石 さん
そうなんですよ。それで成功してきた時代背景があったので、そこを否定するものではないと思うんですけれども、時代が相当変わっていて、いろんな人がいろんな事情を抱えながら働いてるっていうことを、理解しないといけないと思うんですね。

首藤 アナウンサー
期待の声も視聴者の方から来ていまして、

視聴者の声

神奈川県・70代・男性
「サラリーマンにとっては週休3日制は魅力的ですね。2日間家族サービスをしても1日はゆっくり休養できる」。

千葉県・30代・女性
「働いていた時に結婚し、週休3日に変更してもらったのですが、仕事と家事をうまく両立できました。休みの日に仕事の疲れを引きずらずに過ごせて、オンとオフをすぱっと切り替えられました」。

田中 アナウンサー
ツイッターからも来ています。

視聴者の声

「週休3日にしても、下がる給料の穴埋めをするために週1~2日アルバイトしなければいけなくなりませんか?」

「効率よくと言いますが、社員全体のスキルを上げないとできない。逆にそれを強く求められちゃうんじゃないですか」。

「サービス業は全然関係ないです。むしろ忙しくなるだけです。サービス業の休みを取れるようにしてほしい」。

「役所と病院は土日も営業してほしい。利用する側としてはなかなか行けずに困ってしまいます」。

竹田 解説委員
いまのツイッターね、大切なのは、例えば病院とかは土日もちゃんと開いといてほしい。そうじゃないと不便。結局そういうことになるんですよ。みんながみんな週休3日ちゃんと休めればいいんだけど、残業が、一部の人にはどんどんしわ寄せが来て、休めない人は休めないということになっちゃうんです。ですから、ある人とかある集団だけが週休3日、例えば可能になったとして、それ以外のところはしょうがないよねって言ってて本当にいいんですかと。そしたら、先ほどのマネージメントの話になりますけど、シフトをきちっと、ローテーションをきちっとできるように管理していかないと、しわ寄せが来るところにはもっとしわ寄せが行っちゃう。

首藤 アナウンサー
そうですよね。すごい不安の声が、下から沸き起こっている感じがするんですけれど。

田中 アナウンサー
非正規雇用の方から来ています。悲痛な声です。

視聴者の声

「公務員の非常勤です。任期を超えると8時間労働から6時間になり収入が減りまして、これ以上減ると困ります」

「派遣社員なので週休3日なんて関係ありません。逆に休めば収入減で困ります」

「給料一緒で週休3日ならいいが、それは非正規はもともと除外されてる理論じゃないですか? 適用されても減給必至。なんか机上の空論に聞こえます」。

首藤 アナウンサー
なるほど。非正規の方の雇用のあり方っていうのは、すごく大事な問題ですよね。

竹田 解説委員
ここはものすごく重要なポイントで、例えば、つい最近ちょっと気がかりなデータが出てきて、リクルートワークスっていうところが毎年大規模な調査をしてるんですけど、そこのアンケートを見ると、いまこれだけ働き方改革、長時間労働是正と言いながら、2016年のアンケートの結果は、2015年に比べて休日の取得が難しくなった。要するに、それだけ人手不足が強まってるからですね。
こういう中で週休3日、休める人は休もうよ、選択肢増やそうよって言っていくと、結局、正社員の人たちの中にはそういうことができる人たちができますけど、非正規の人たちは、時給で働いてる人が多いので、週休3日ってやると本当に賃下げになるので、非正規の人たちにとって、これは関係ない話でしょっていうことになってしまう。それどころか、正社員の中で週休3日が増えていくということは、そのしわ寄せの残業が非正規の人たちに行っちゃう可能性もあるわけですね。
まだ働き方改革って道半ばで、実際に法案が出るのもこれからですし、長時間労働の是正とか、同一労働同一賃金、つまり、格差の是正ですね。非正規の人たちの賃金アップとか、そういうことをきちっと併せてやるべきことはやりつつ、でも、正社員の人の選択肢も増えたほうがいいねっていうのは、しゅん別して考えていかないとちょっと危ない。

髙田 さん
結局まだまだこういうシステムを浸透させるのは難しい、高いハードルがいっぱいあるってことなんですか?

渥美 さん
本当に難しいと思うんですけど、竹田解説委員がおっしゃるように、非正規の方の処遇は絶対に上げないといけないと僕は思います。
僕、実際に休日数を増やしているような企業の現場を研究してるんですけれども、企業が社員の休みを増やします。現場の稼働は止めたくない。っていうと、非正規の雇用を増やす。正社員がやってた仕事を非正規にやってもらう。最近よく言われる同一価値労働同一賃金。きちんと払わないといけない。また、非正規の方でも、たまたま運悪く非正規になってるけど、スキルが高い人たちいっぱいいますから、この人はぜひ正社員になってもらおう。
人口が減っていく中で、働く人は大切にしなくちゃいけない。非正規の人でもスキルが高い人は活躍してもらいたい。正社員登用して、週休3日を使ってもらうっていう、そういう企業も増えてますから、必ずしも非正規を排除する議論じゃなくて、非正規の方にとっても雇用が増えるチャンスになるかもしれないし、また、自分のスキルをアピールできる場になるかもしれないですよね。

首藤 アナウンサー
そもそも、現状で日本人ってどのくらい休んでるんですか?

竹田 解説委員

そこなんですよね。例えば、年間休日数っていう取り方があります。どれだけ休むことができるかっていう日数です。
例えば日本は137日。これは要するに、週休2日をちゃんと休んで、祝日があって、それから、有給休暇っていうのがありますよね。これは勤続年数によって変わってきますけど、だいたい平均で18日ぐらいあるというデータになってるんですね。
内訳それぞれ見てみると、有給休暇はちゃんと取れてるのかっていうと、実は半分しか平均で取ってない。労働者の基本的な権利なんですけど、それを半分しか行使できていない。

髙田 さん
それはなんでなんですか? 取りづらいの?

視聴者の声

富山県・20代・女性
「上司が全然有給を取らないので、自分から有給を取りにくい」。

千葉県・40代・女性
「休みを取るたびにいちいち『お休みをいただきありがとうございました』と礼を言い、休みは労働者の権利じゃないの? と疑問に思うが、口に出せない環境がある」。

髙田 さん
休みが取りにくいっていうのは、欧米だったらそんなことないじゃないですか。堂々と。

竹田 解説委員
ヨーロッパでは100%取得は当たり前ですよ。消化しきります。半分残るなんて信じられない。

渥美 さん
ヨーロッパって仕事に人をつけるんですけど、日本は人に仕事をつけるから、あの人は仕事ができるっていうエース社員にどんどん仕事が降ってくる。また、本人も自負心があるから、俺がいないと職場回らないっていうことで職場にしがみつく。休み取らないのが美徳。仕事で死ねたら本望だみたいな「滅びの美学」があったりすると、休むっていうことは魅力に感じられないってこともあるのかなと思います。

首藤 アナウンサー
「滅びの美学」は怖いですよね。

武石 さん
そうですね。休むことに対する、何となく、ありがとうとか申し訳ないみたいなところっていうのがどうしてもありますよね。
あとは、日本の場合は病気のためにとか、育児をしている人が、子どもの病気がいつあるか分からないので取っておくっていう意識がありますよね。海外は病気休暇って別にあって、有給というのは本当にバカンスのために使うという意識があるあんですけれども。

いとう さん
海外の病気休暇っていうのは、有給ではないってことですか?

竹田 解説委員
別枠としてきちっと日数が確保できてたりするんですよ。どうしても日本の場合は、自分が体調悪くして、その時のために有給使わないといけないので、全部使い切ると怖いなっていうのがあるんですよ。だから、残すっていうことにもなるわけですよね。

髙田 さん
逆に有給使わなかったら減給にすりゃいいんですよ。

いとう さん
それはいいアイデアですね。

渥美 さん
海外だと、企業がそもそも本来払うべき休みっていう権利を社員に与えてるんだから、それは金銭として与えないといけない。あるいは企業の利益からさっ引くみたいなこともありますから。

武石 さん
企業として負債として見なすっていう考え方があるので、むしろ企業が計画的にいつ取りなさいっていうことを、日本の場合は本人が要求するんですけれども、海外の場合は、企業が命令する国もあるんですよね。
バカンスって空っぽっていう意味ですよね。何もすることがないっていう方もいるんですけど、休暇の過ごし方として、それはそれでリフレッシュにつながる人はいると思うので、休みがあったら何しなきゃいけないってことはなくて。そこはまた日本人の真面目さが出ちゃってますよね。休みを有効に使おうみたいな。

いとう さん
うちの主人がことし体調悪くて、1週間ぐらい病気で休んでるんですよ。結局有給を減らしちゃってるんで、有給もう使えないんだよって言ってて。だって、また病気になったらそれを使わなきゃいけないからって言ってて、全く同じ感覚ですね。病気用の休暇はぜひ取っていただきたいですね、日本の中の制度としても。

首藤 アナウンサー
休みへの考え方が違うっていうことで、考え方、どう変えればいいんですか?

渥美 さん
アリとキリギリスで、勤労は美徳。だから、アリ型の、真面目に働こう、こつこつと。こういうイメージで日本人は働いてきたと思うんですけど、キリギリスみたいな怠け者は人生結局悲惨な末路を迎えるよなっていうイメージ、違うと思うんですよ。
キリギリスは趣味でバイオリン。そこで人生楽しむ。あるいは、それでもしかしたらお小遣い稼ぎできるかもしれない。あるいは、それで趣味の仲間たちがいっぱいいるから、もしリストラされても、別の新しい働く道が開けるかもしれない。
だから、人生は別にアリ型だけじゃなくて、キリギリス型でもいいんじゃないかって、そういう多様な選択肢が増えるきっかけになると思います。

髙田 さん
大きな企業は、働く方がたくさんいるからできるかもしれないけど、中小企業とか零細企業なんて1人2人休まれたら、じゃあこれ誰がやんのってことになるわけじゃないですか。

武石 さん
ただ、いま人手不足という問題がすごく大きな問題になっていて、人手不足なので忙しく働いて、またその人たちが、忙しいから辞めちゃってっていう悪循環になってるんですよね。 むしろ中小企業で本当に困ると、働く人がどう働きたいかというところに企業側が寄り添わないと辞めちゃうので、こういう働き方だったらできるよっていう選択肢を提供するという事例はたくさんあるんですね。いろんな工夫をしてあげれば、むしろ企業としてもメリットがあるということで。

渥美 さん
僕、実際10年前に「中小企業白書」のお手伝いした時に、社員がいちばん仕事と生活両立しやすいって回答してたのは、社員20人未満のいわゆる零細企業で、家族的経営の中で社員のいろんな家族背景も見えて、経営者が1人1人に寄り添うようなマネージメントができてると、すごく社員満足度が高い。逆に、大企業のほうが歯車のように社員使っちゃう。数字上げろ、現場はとにかく休みなんか取るなってなっちゃうと、逆に満足度低いっていう、そういう結果が実際にあります。

竹田 解説委員
ですから、本当に週休3日やろうとすると、1つは会社そのものがビジネスモデルを変えないといけない。薄利多売とか、いいものを安くとか。いいものを安くっていうのはとってもいい概念ですけど、それは、大量に労働力を投入できて初めてできる話なんですね。

いい例が、鶴巻温泉というところのある老舗旅館。ここが、かなり経営が厳しくなって、追いつめられてビジネスモデル転換したんですけど、それが大成功した。以前は年中無休は当たり前だと。ところが、観光客全体が減ってきて、さらに人手不足なので、パート・アルバイトの人が来てもらえない。それで、従業員が、どんどん残業が長くなって、疲弊してる。

髙田 さん
1人にかかる負担が大きくなるからね。

竹田 解説委員
結局、宿泊料金の安さで来てもらうっていうことになっていって、どんどん宿泊料金下がって、1万円を切るサービス料金っていうのがずっと長く続いてっていう、負のスパイラルに入っていった。
そこで、ここは転換するしかないということで、どうしたかっていうと、年中無休が一気に週休3日。週4日しか営業しない。

髙田 さん
閉めちゃうの?3日閉めちゃうの?

竹田 解説委員
そうです。普通はシフトを作ってローテーションでやっていくじゃないですか。そうじゃない。全員休み。4日しか営業しない。そうするとどうなるかっていうと、みんなきちっと休めるので、1人1人がやる気も出てきて、サービスの質も上がって、その結果ものすごく評判もよくなって、お客さんもどんどん来てくれて、単価も1泊一気に4万5000円ですよ。

髙田 さん
こんなに上げられるんですか?

竹田 解説委員
いいものを安くと言いながらだんだんサービスが低下してきたっていう悪い循環を、よりよいものを適正な価格、より高い価格でっていうふうに、薄利多売モデルを完全に転換できた。

首藤 アナウンサー
ちょっとここでですね、議論を振り返ってみたいと思います。


グラフィックレコーディング

田中 アナウンサー
これまでの議論を絵や文字で記録するグラフィックレコーディングでございます。

描いているのは、育児と仕事を両立している山田夏子さんです。

みんなハッピーになれるのか、週休3日というところでスタートして、確かにいい話は何となく聞こえてはくるけれども、

圧倒的に不安の声が多い。このほかにも、こんなに休んで日本の国力が下がっちゃうんじゃないか、技術が下がっちゃうんじゃないかというような懸念、

あとは、サービス業は無理とか、家庭とか仕事、人にもよりますよね。非正規ですよ。どうするんですか。
高田さんもいろんな提言をされました、

有給取らなきゃ減給にっていう。

週休3日で空いた時間で副業や資格の勉強とかしたらスキルアップできるんじゃないか、いい休み方ができるんじゃないか。

いろんな、これからの提言を書いてくださる方もいらっしゃいますね。

視聴者の声

「週休3日になっても無趣味なので余暇の過ごし方が分からない」

「休みがないので、夫が週3も休みだといらいらする」

首藤 アナウンサー
休みが幸せじゃない、っていう声も多いんですけれど、どうやったら幸せな休み方ができるんですかね。

髙田 さん
乱暴な言い方ですけど、このスタイルっていうのは日本人に合ってんのかなっていうのが1個。相当時間かけて精査しないと、変えることはできないんじゃないかなっていう気はするんですけど、そんなことないですか?

渥美 さん
そういうのを変えるには、いい事例を増やすってことだと思うんです。

大分県国東半島で実際週休3日で業績どんどん上げてる中小企業があるんです。段ボールの模型を作っていて、働いてる4日間は作業して手を動かしてる。でも、休みの3日間、社員がいろいろ趣味に時間を使う。釣りをしたり、遊んでいながら頭を使って、そこでいろんなアイデアが浮かぶから、また仕事に戻った時にすばらしい商品が作られてる。僕はそれを「無意識のフル活用」って言ってるんですけれども、まとまって、人間、頭いったん空っぽにして、そこで自分がどういうことを仕事で悩んでるのか、ビジネスとして新しさはあるのかって気付く時間というのを職場以外に持たないと、あるいは職場以外の人とつながっていかないと、なかなか付加価値の高い商品・サービス、できないと思うんですよね。

首藤 アナウンサー
渥美さんって、ちなみに休みってどう過ごされてるんですか?

渥美 さん
子どもがまだちっちゃいので、遊んだり。僕、もともと子ども大好きなんで、子どもたち集めて、子どもの友だちとかと一緒に遊んでます。

武石 さん
いままで、働くということの余りがお休みっていう、働くが前面にあって、余ったものが休みでしたよね。ただ、そこは両方とも同じ比重であって、休むために働くとか、そういうことがあっていいはずなんですね。
イギリスなどでは非常にいろんな働き方があるんですけど、それはなんでかっていうと

自分の生活を充実させたいので働き方を組み立てるんですよね。なので、自分がどう生きたいか、どう暮らしたいかっていうことがないと、こういうものってうまくいかないので、主体的に生き方とか暮らし方に向き合うっていうことが重要なんだと思います。

いとう さん
日本人は自主的に何かを考えて、それを提案していくっていうのがすごく下手というか。与えられたものをうまくやりこなすのは得意だけど、自発的なものはなかなか難しい。

武石 さん
若者の話がさっきありましたけど、若者が休日を重視するっていうのは、長い人生の中で、仕事だけじゃない人生を重視してることの表れだと思うんですよね。いままでの世代を否定するんじゃないですけど、これからの新しい時代に合った働き方、休み方があると思います。

髙田 さん
お父さんの育休とかね。

竹田 解説委員
あとね、休みを自分のスキルの向上、つまり、学び直しとか、リカレント教育っていうのが、いまはやり言葉のように出てきてるんです。つまり、社会人になってもう1回専門的な教育を大学に行って学ぶ。そうしないと、特にIT関係なんかものすごいんですよ。技術の進み方が。ちょっと油断するともうついていけなくなる。また、非正規の人も、正社員になるためにもっともっと技術を上げないといけない。その時に専門の教育機関に行って、自分のレベルを上げて、もっと給料も上げてもらう。その時に休みを生かせる。

首藤 アナウンサー
でも休みは休みたかったりもするし、すごく難しい。

武石 さん
いろんな休み方があっていいですよね。そこをこうしましょうっていうのも、ちょっと違うと思う。

首藤 アナウンサー
でも、休み上手にはなりたいですね。

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