2016年07月23日放送放送内容まるわかり!

熱狂?過熱? ゲーム新時代がやってくる

アメリカで爆発的な人気を集めているゲーム「ポケモンGO」が、今月日本で発売予定です。 ゲームはいまや、教育や介護、町おこしの分野でも活用されるなど、娯楽の範囲を超えて、社会に影響を及ぼし始めています。 さらに海外には、数十億円の賞金を稼ぐプロのゲーマーも。 子どもたちの憧れの職業にまでなっているんです。 ゲームなんて...と思っていると乗り遅れるかも!? 新しいゲーム時代、社会はどう変わるのかを考えます。

今週の出演者

専門家

馬場 章さん(東京大学大学院 教授)
中村 彰憲さん(立命館大学 教授)
尾木 直樹さん(教育評論家・法政大学教授)
中谷 日出(NHK 解説委員)

 

ゲスト

武井 壮さん(百獣の王)
香坂 みゆき さん(タレント)


小野 アナウンサー
ポケモンGO、皆さんはもうダウンロードされましたか?

武井 さん
ダウンロードはしているんですけど、登録したばっかりで、まだ全く進んでないんで。
もうちょっと熱が収まってから、ずんずん進もうかなと思ってるところです。

尾木 さん
僕なんか、あんまりやったことないもんですから、配信後すぐ始めて、レベル5までいきましたよ。
今朝もここの楽屋にもポケモンが出てきて、いまやっているところよ。

小野 アナウンサー
大騒ぎになっているポケモンGO、なぜそんなにすごいことなのか。
危ないからなのか、それともそんなにおもしろいのか。そこから聞いてみたいと思います。 ...えっ、徳永アナウンサーもやっているんですか?


プレゼンテーション①

徳永 アナウンサー
皆さんが映っていますけど、あ、いたいた。

ほら、スタッフの前にゼニガメが。

小野 アナウンサー
これを捕まえて遊ぶゲームなんですか?

徳永 アナウンサー
そう。後ろに映っているのは実際のいまのカメラの映像です。これにポケモンの画像が合成されているというのが、極めて新しいんですね。
ポケモンっていうのは、ゲットしたモンスターを自分で育てていったり、友達と交換したり、戦わせたりして冒険するゲームで、これ自体は20年以上前からあるんですけど、現実社会と一緒になったのは画期的なことなんですよね。
どれだけすごいかというのは、ゲーム40年の歴史を振り返ると分かります。
今回われわれ、この切り口で歴史をたどってみました。

テーマは「没入感」。思わずのめり込んじゃうイメージ。この感覚が40年でどんどん進化しているという話です。いつもの模型で整理してみました。

ポケモンというのに、これを作りました。「?」のボックスを開けていくと、40年の歴史の転換点がこの中に凝縮されております。
40年前にさかのぼります。最初の日本の大ゲームブームといえばこれです。

尾木 さん
これこれ。やった、やった。大学時代、こればっかやってた。
どこの喫茶店もほとんどテーブルがこうなってましたから。

徳永 アナウンサー
インベーダーブームが世の中を席けんしたのが、いまから38年前のことです。
喫茶店やゲームセンターにみんなが100円を持って行ったわけです。
この時でもすごかったんですが、ゲームブーム、さらに火がつく瞬間がこのあと来ます。それがこれです。

香坂 さん
あった!うちにありました!

徳永 アナウンサー
6年後にファミリーコンピュータ、いわゆるファミコンが出てきます。
つまり、ゲーム機さえ買えば、家で何時間でもゲームができるようになる。
しかも、カラフル、音もよくなった。より臨場感が増したというわけです。
あまりに革命的だったので、こんなことも当時起きました。

宿題もせず、ずっと熱中する子。私もその1人でした。すみません(笑)。
平日にソフトが新しく出るので、学校をサボって買いに行って怒られちゃう子。私はこれはしなかったですが、これぐらいのめり込んだんです。

つまり、ファミコンブームでこの没入感がものすごく膨らんだのがこの時期でございます。
でも、まだまだこのきのこ、終わりません。まだ冒険は続きます。
さあ、90年代、さらに進化します。

ファミコンブームが終わってきたころ、90年代になると、その次はどのゲーム機が覇権を握るかで、いろんな会社が開発を始めます。コンピューターの性能がぐっと上がった時期なんです。画質も一気によくなります。
これが代表的な人気ゲームで、バイオハザードという、相手をなぎ倒してバンバンと撃っていくゲーム。武井さん、これやりました?

武井 さん
やりましたね。爆発的でしたよ、人気が。

徳永 アナウンサー
どんどんどんどん画質が明らかによくなっていくんですよね。臨場感もある。
だから、この頃からこういう議論も起きるぐらいまでになったんです。

少年少女による凶悪な事件が起きるたびに、もしかしたらゲームが影響しているんじゃないの?いや、関係ないよ、という論争が起こるようになり始めたのがこの時期。それぐらい臨場感があったということです。

まさに90年代は、このきのこが1UPっていうぐらい。

香坂 さん
大きくなった。

徳永 アナウンサー
さらに進みます。2000年を越えると、高画質なまま街に持ち出せるようになります。
ニンテンドーDS、プレイステーションポータブル。同じ2004年にブームになっています。画質も、コンパクトになった上にさらによくなっていって、こちらは人気ゲームの1つ、モンスターハンターの画面。

武井 さん
モンハンですね。

徳永 アナウンサー
もう現実かどうかが一瞬分からなくなるぐらい、高性能になってくるんです。

小野 アナウンサー
いやいやいや、分かりますけど、あんなのいないから。

徳永 アナウンサー
モンスターはいませんよ、背景の絵の話です。

さらに2010年代になると、専用のゲーム機を買わなくても、インターネットの環境が充実してくるので、生活に身近なパソコンやスマートフォンさえあれば、すぐにゲームを始められるようになります。インターネット環境がいいので、世界中のいろんな人とすぐに交流できたり、戦えたりして、バリエーションが無限に広がるようになったのがこのころです。

ですから、あまりのおもしろさに、依存症になっちゃう人が出てきたり、子どもがスマートフォンでどんどん有料ゲームにのめり込んで、気が付いたら保護者にとんでもないお金が請求されるというのも、社会問題に最近はなり始めた。これぐらいのめり込むようになったというわけです。
つまり、より身近に、より臨場感のあるものを求めたのがこの40年。

そして、きのう日本で始まったのが、この「ポケモンGO」です。
背景がどんどんリアルになっているって言いましたでしょ。
これ、いちばん究極です。だって、背景は本物の実写だから。これが革命的におもしろい。
しかも、スマートフォンが発達していて、GPSといって、いま地図上でどこにいるのかが瞬時に分かるので、地図と重ねて、どこにポケモンがいるかを探しながら歩ける。

これ、NHKホール前、きのうの写真です。ホールの前にいました。

ニューヨークにもたくさんの人がいます。

でも、ニュースではこういうことを言いますね。「崖から落ちちゃった」「交通事故を起こしちゃった」「原発の施設内に入っちゃった」っていうネガティブな面が強調されています。
実はよーく見ると、一方でこんな声もすごく多いんです。外国でプレーした人の実際の声。

小野 アナウンサー
歩かないといけないんですか?

徳永 アナウンサー
歩きながら探すし、歩くとポケモンが育っていくんだそうです。

香坂 さん
卵がかえるんですよ。

中村 さん
5km歩かなきゃいけないですね。移動しなきゃいけない。

徳永 アナウンサー
長い距離を歩くので、友達ができたっていう人もいます。
さらにこんな声もあります。

自分は閉じこもりがちだったけど、「ポケモンGO」をやり始めて、外に出るきっかけができた。

香坂 さん
ゲーム=インドアというイメージではないってことですよね?

徳永 アナウンサー
そう。感覚がだいぶ変わりました。見えてきたのは、いい意味でも、悪い意味でも、かつてないほどのとんでもない没入感が。

100UPというくらいのゲームが日本にきのうやってきたというわけです。
さあ、やってみたいか、やっぱり危ないと思うか。皆さん、どう思いますか?

香坂 さん
やってみたいでしょう?もうやりますよね?

武井 さん
僕はもう必ずやると思います。

香坂 さん
うちは、親は別にあんまり思わないけど、子どもは絶対やりたいから、やる時の姿勢というか、考え方を話さないことには、って感じですよね。

尾木 さん
僕なんかはね、犯罪に子どもたちが巻き込まれるんじゃないかっていうのを、きのうの現象だけ見てても思いますね。だから、使い方とか、利用、活用のしかた、あるいは安全なように規制を緩やかにかけていくとか、あるいは運営会社が日本の状況はこうかと思ったら、それに合わせてくれるとかね。ちょっと工夫がいると思いますよね。

中谷 解説委員

そんな中、国が注意呼びかけをしてるんですよね。
「歩きスマホはダメ」っていうのは、これは前からあるルール。

小野 アナウンサー
でも、歩かないと育たないんじゃ、必ず誰かやってしまいそうな。

中谷 解説委員
機能があって、キャラが近づいてくると、スマホがぶるぶるって震えたりするので、別に歩きながらやる必要はないんですよね。

小野 アナウンサー
なるほど。ぶるぶるっとなったら立ち止まって、こうやって見て、捕まえなさいよという。

中谷 解説委員
これまでになかったのが、「危険な場所には入らない」。危険な場所っていうのは、川とか崖とかもあるけど、それだけじゃない。暗闇とか、治安の悪い場所とかっていうところにも、夢中になって行ってしまう可能性がある。

小野 アナウンサー
本当に?それほどの没入感?

中村 さん
それには仕組みがあるんですよね。

ゲームっていうのは生まれてからずっと、いかに没入させるかというのをデザインとして仕組むようになって。

武井 さん
仕組んであるんだ。

中村 さん
はい。例えばファミリーコンピュータのスーパーマリオブラザーズ。
1985年に出たんですけど、こちらも、最初は本当に小さいステージから入っていくんですけど、地下に行ったりとか、水の中に行ったりとか、徐々に難しくなっているように、ある程度デザインされているという仕組みがあって、それをずっと研究しているということが背景にあるんですよね。

小野 アナウンサー
私、そこまで何かにのめり込むことが、ここ数年1度もないような気がする。

中村 さん
今回すごいのは、デザインと物語が現実に融合したという点なんですね。誰もが憧れているポケモンという世界が、私たちの世界にやってきたということで、子どもたちだけでなく、子どもの時にポケモンを遊んでいた大人たちも一緒になってはまって、大人が多いんですね。

武井 さん
アニメのポケモンの世界で楽しんでいた、われわれ世代のちょっと後ぐらいの大人たちが、アニメでしか見られなかったものの中で、自分が主人公になったように冒険できるっていうのが今回のゲーム。
すごいですね。

尾木 さん
それが現実のもので、映像の中で、目の前に展開されるわけですから。

小野 アナウンサー
おもしろいんですか?

尾木 さん
うん。

中谷 解説委員
作り方がうまくて、最初は自分の分身、アバターになるんですよ。それがポケモンに近づいていくと、自分の目線になって、リアルな世界が現れるという2段階踏んでいるんで、よけい入るんですよね。

小野 アナウンサー
ただ、こんなこと言ったら怒られそうですけど、それだけ没入する集中力があったら...

香坂 さん
勉強しろって言いたい。

小野 アナウンサー
何かほかのことに使ったらどうかなぁ。

馬場 さん
スタートする時に注意は出るんですよ。「周りの風景に気をつけましょう」とかですね。そういう注意書きがいちばん最初に出るんです。どれぐらい守ってるかっていうのは心配ですけれども。

尾木 さん
僕もポケモンGOをやってみて、生まれて初めて、歩きスマホになっちゃったんですよ。
新幹線の中でもやっていたんですけれども、車両の半分以上の方がやっているんですよ。突然ポケモンが出てくるから「あっ」とかいって、声上がるの。それがね、何とも言えない一体感。隣のおじさんが教えてくれたりとかね。

武井 さん
僕はどんどん没入したらいいと思いますけどね。お子さんも、みんなそうですけど。

香坂 さん
没入から離れられることはある?

武井 さん
それは成長と共にたぶんできていくと思うし、今はゲームは、ただ消費するとかただ熱中してゲームしかできないようになるとかっていうもんじゃなくて、結構、文化になってきていて、スポーツと同じような、達成できる文化になってますから。

尾木 さん
武井さんね、そこへいくまでの幼少期からやっちゃったら、やっぱりコミュニケーション能力がないとか、言語力が落ちて。

武井 さん
でもね、それはスポーツも一緒です。ぶっちゃけスポーツだって、全員が成功するわけじゃないし、スポーツに没入して頑張らせたとしても、全然芽が出ない人もいるから、そのどれも同じように見られて、しかも、どれも何にプラスになるのかとか、そういったことを大人が教えてあげられないと。

中谷 解説委員
そもそも人間の脳は、学習したいとか、成長したいっていうものなんですよ。だから、ゲームをやることは、わりといち早く成長できる。昨日よりも今日、今日よりも明日。ゴルフをやるおじさんと一緒なんですけど、お金ももらえないのに一生懸命やるわけですよ。

小野 アナウンサー
それは架空の世界で?

中谷 解説委員
そう。

小野 アナウンサー
自分がちょっと成長して、うれしいんですか?

中谷 解説委員
うれしいんですよ。だから、電車の中で、みんな暇つぶしでやっているんじゃなくて、昨日の自分よりも、今日の自分を成長させようとしてやってるわけ。

香坂 さん
向上心なんだ。その向上心を違うほうへ向けてほしいって、親は思っちゃうんだよね。

中村 さん
でも、導入ですよね。導入という意味ではすごい重要で、そこで親も一緒に関わることも今回はできるわけですよね、スマホ上のゲームなので。アメリカにいる私のフェイスブックの友達は、親子で一緒にポケモンGOをやって、「ハッピーハンティング」っていうふうに。

香坂 さん
前向きですね。

小野 アナウンサー
でも、やっぱりこの価値観にまだついていけないんですけど。だって、世界中で没入してるんですよね。その没入力を、もうちょっと何かほかのことに使うとか。

武井 さん
なんでほかのことはよくて、ゲームだけだめなんですか?

小野 アナウンサー
それなんですよ。そこにたぶん違いがあるんですよね?

尾木 さん
教育の、僕らの専門領域からいったら、没入は大事なの。ゲームのところで没入感とか達成感が獲得できるっていうのも分かっているんですけど、それを実生活の中、例えば昔でいえばスタンプラリーとか、いろいろやりましたよね。
あるいは原体験っていいますけども、野原や山の中や川の中で遊んだりとか、そういう体験の中でどんどん成長していく脳の機能だとかいうのも、今はもう実証されていて、そういう土台がきちっとないと、例えばゲームクリエーターなんかも本物は育たないって、ゲームのクリエーターの方がこの間もおっしゃっていて、ゲームの中でゲームクリエーターは育ってこないというふうにおっしゃってましたよ。

武井 さん
これはゲームの中で川にも行けるし、山にも行けるし。実際に行って、僕らはゲームができるんで、こういうゲームに、例えば教育的な要素とかも盛り込んでいったりすることもできるし。

小野 アナウンサー
どこか実生活の対極に、架空の世界としてゲームを見ていると思うんです、私なんかは。

武井 さん
それはちょっと古い感覚だと思います。ゲームはもうマーケットになっていますし、その中で、買い物ができたり、人とコミュニケーションツールにもなっているし。

香坂 さん
でも、子どもたちから「やりすぎ」って言ってゲームを取り上げるでしょ?
「はぁー、何しよっかなー」って、何していいか分からない。そんな子ばっかりだよ。

尾木 さん
実生活が充実していないと、ゲームを取り上げてもだめです。時間規制をかけてもだめ。だから、取り上げればOKではないっていうこと、これ、お母さん方はずいぶん勘違いしていますけども、実生活をいかに作っていくかっていうことが極めて重要で、ゲームだけの責任にはできないと思いますよね。

馬場 さん
おっしゃるとおりだと思うんですね。だから、1日の子どもたちの生活を考える時に、「ゲームを何時間やって、それ以外のものを何時間」ではなくて、「いろいろやらなきゃいけないことの優先順位を決めた上で、残り何時間ゲームができる」っていう考え方をしていく必要がある。

香坂 さん
してるんですけどね。言うこと聞かないんですよね。

中谷 解説委員
日本人のゲームの観念を変えるのが、僕はこれかなと思っているんですね。

「eスポーツ」っていう言葉があって、日本を除く欧米およびアジアでは、ものすごい人気なんですね。ゲームをやっているプロゲーマーを大勢の人が会場で見て応援する。
人がやっている姿を見るんですね。それで、プロをみんな目指すわけですね。

小野 アナウンサー
人がやっているのを見るのもおもしろいんですか?

馬場 さん

そうですね。最近はゲームとのつきあい方、楽しみ方っていうのが非常に多様化してきて、ゲームというと普通、自分たちがプレーするのが中心じゃないですか。実はゲームを作るというのが今大きな文化になっているんですよね。「インディペンデントゲーム」っていう言い方をしますけれども、昔に比べると、非常に簡単にゲームを作る、そういう道具が今できていますので、ちょっと勉強すると、自分の思うようなゲームが作れるわけです。

小野 アナウンサー
作るのもすごいけれど、これは見て楽しむんですね?

馬場 さん
そうなんです。

中谷 解説委員
武井さんはよく分かると思うけど、やっぱり一流のアスリートというのは、ちゃんとルールを持って、トレーニングをして、一流を目指すわけじゃないですか。そういうことがゲームの中には必要なんじゃないですか?

武井 さん
すごい技術が必要なので、最近のゲームは操作も複雑になっていて、その正しい技術っていうのは、本当に僕らがスポーツ選手のスポーツの技術見るのと同じように楽しめます。

香坂 さん
ユーチューブとか見てますよね。

武井 さん
はい。そこに解説が入っているとかね。

小野 アナウンサー
気になるのは賞金総額ですよ。

中谷 解説委員
大きいものだと11億円ぐらいの賞金総額。
いまやプロゴルフの賞金を超えていますよ。

尾木 さん
それで食べていけるね。

香坂 さん
ここを目指したほうがいいじゃん。

小野 アナウンサー
それもありかもしれない、あるかもしれないですけど。

武井 さん
没入するならば、本当に正しく没入して、正しい技術を身につけて進むっていう。だから、これはスポーツも全く同じなので。

馬場 さん
そうなんです。eスポーツの競技人口、少なく見積もっても約1億人と書いてありますけども。例えばサッカーの競技人口というのが2億6500万人なんですね。野球は3500万人しかいない。かなり多くのeスポーツプレーヤーが世界に。

武井 さん
プレーしやすいですもんね。

中谷 解説委員
だから、このポケモンGOもプロを目指す人が出てきたとしたら、ちゃんとルールを守って、トレーニングのしかたを学んでっていう、ある意味、道ができてくるわけです。

尾木 さん
ただし、僕はそこへいくまでの、昨日から始まった危険性という、不安感とか、熊本城の中に、あの危ないところの崖を登ろうとした人がいるとかね、あるいは駅のホームでは「注意してください」ってずっとアナウンスやってるわけでしょ。

視聴者の声

「昨日の夜、残業をしていたら、普通に会社敷地内に入ってきた中学生がいて本当に驚いた。」

「やるのは子どもばかりじゃない。むちゃな横断や、急に立ち止まるのは大人のほう。」

「周りを見ていないプレーヤーを車でひいてしまうんじゃないかと怖い。」

「昨日歩きながらスマホをしている人は、だいたいポケモンGOをやっていた。」

馬場 さん
夕べタクシーに乗っていても、運転手さんが、怖いって言ってましたよね。

尾木 さん
そう。四つ角なんかでも、全然止まらないですもん。

視聴者の声

「もしかして都会に集中してるんですか?」

中谷 解説委員
それはそうですよね。やっている人口が違うから。

視聴者の声

「ご当地限定ポケモンとかいれば、地域活性につながるかな。」

武井 さん
そういう可能性もあるとすごく思うんですよ。例えば、地域の商店などがタイアップして、自分の商店でこういうサービスをするから、そこにモンスターを出してくれとか。そこでタイアップして契約することもできるし、本当にマーケットとして育つ可能性がすごく大きいゲームです。

中谷 解説委員
やっぱり経済効果はありますからね。

中村 さん
すでにいくつか位置情報を利用したゲームが存在していて、それを活用した市町村もあったりするんですよね。岩手県もそうなんですけど。

尾木 さん
ただ、やっぱり家庭では、ゲームの時間が長いから注意すると、子供がキレちゃうって悩んでいる親が圧倒的に多いんですよ。それで、やっぱり家庭でルールを作るべきだと思います。社会的なルールも必要ですけども、家庭のルール。

僕は6つぐらい挙げてるんですけど、主だったもので。
「何時間やったらやめよう」じゃなくて、時刻で、「9時になったらやめようね」とか「日曜日は何時まで」とかね。そういう決め方とか、あるいは状況に応じて、ルールが合わなくなってきたりしたら、修正もしていくと。
それから、親が決めて押しつけるところが多いんですが、これはほとんど効力ないですから、子どもと一緒に相談して決めて、両者のサインを書いて、みんなに見える冷蔵庫にでも貼っておく。
それから大事なのはね、充電はリビングでするとか決めておくの。そしたら、自然に限定されてきます。昨日も僕やったら、新幹線で移動してるだけで、40%消費しましたから。電池はすごく減りますね。

武井 さん
このルール作りは、僕、昭和的な、ちょっと古い感覚だと思った。もう今の時代だったら、充電に関しては、例えば運動をしてそれで充電しないと、もう充電できないようにしてあげるとか。そしたら、運動しながら、よし、運動をして体力もついて、充電ができた。

香坂 さん
そんなシステムあるの?

武井 さん
できるっていうことです。例えば血糖値を測って、きちんとした食事とかをとって、栄養素をとってないと、もうプレーができないようにロックできるとか。

小野 アナウンサー
でも、それって本当にゲームのために生きているような暮らしですよね。

武井 さん
ゲームをきっかけに、ということです。例えばその中に、この問題を解かないと次のステージに絶対行けないっていう、それが例えば東大の入試の問題だったりすると、どんどんみんな勉強もするようになるし、きっかけ作りにも絶対にできるものだと思う。

尾木 さん
だからね、武井さんがおっしゃったけど、ペナルティーは絶対必要だと思うんです。武井さんの、なかなかいいと思いましたよね。

視聴者の声

「ゲームの悪い点ばかり言われるが、どんな新しい文化が生まれても、人は折り合いのつけ方を見つけていくものだと思う。」

「地域振興やダイエットへの活用とか、いろいろ可能性を秘めているゲームだと思います。いい面ももっと放送してください。」

「学校の授業がそのくらい没入感があるといいのにな。」

中村 さん
そういった研究は欧米のほうで取り組まれていて、「ゲームベースドラーニング」っていう言葉があるんですけど、そういったガイドラインが出てきていて、こういうゲームだったら、例えば地理の勉強に使いやすいよとか、こういう勉強だったらチームワークを醸成する上で重要であるとか、そういうようなものがしっかり出て、オープンになっているんですね。誰でもダウンロードして、それを活用できる。

中谷 解説委員
今の小中学生は、だいたい9割以上の人がゲームをやっているんですよ。だから、もうゲームはなくてはならないものになってしまっているので、ゲームがあることを前提に考えていかないといけないと思うんですよね。

小野 アナウンサー
うーん。まだでもどこかで、これだけ大勢の人間で没入している、そのエネルギーを何かほかのことに使えないかと思っていますけどね。


プレゼンテーション②

徳永 アナウンサー
この溝はそうは埋まりませんね。小野さんはたぶん、武井さんたちのお話を頭では理解しているけど、感覚で何か腹に落とせないと思っているのは、これじゃないですか?

この没入感が世の中の役に全く立ってないと、まず思い込んでいるでしょ。
この没入感をうまく使って、問題解決に取り組む現場がものすごくあるんです。
こんな現場でゲームが使われているって知っていました?

高齢者のリハビリの現場です。実際にゲームを用意しました。やってみましょうか。
立ったり座ったりを促すゲームです。

香坂さんの前に黒いセンサーがあります。これで香坂さんの動きを感知します。

そしてモニターと機械に動きが反映されます。

武井 さん
立つと、木が成長するんですね。なるほど、これが運動のリハビリにつながるっていうことですね。

徳永 アナウンサー
実はリハビリって、結構飽きちゃう人が多いんですって。ゲームにすると楽しめちゃうそうです。
介護現場って忙しくて、1人にずっとつきっきりになれないんですって。

九州大学などが中心になって開発しているこのゲーム、すでに全国の50近い病院や介護施設で実際に使われています。
このひとコマですが、実は周りには、ほかのご年配の方がいっぱいいて、じゃあわしもやる、じゃあ私もやると、競うようにやり始めていて、カードで、個人の運動した回数を通算で記録できるそうで、2万回行くと、「神様」の称号が与えられるそうです。

ちなみに、このゲームを使ったほうが、リハビリの回数が2割アップしてるというデータがある。実際にもう効果が出ている。

馬場 さん
このゲームは、単にお年寄りのリハビリだけじゃなくて、お孫さんと一緒にやることができるんですよ。そうすると、お孫さんと一緒に遊ぶ機会って少ないじゃないですか。だけど、一緒にできる楽しみがある。だから、リハビリってつらいものですけれども、それが楽しくなる。

徳永 アナウンサー
もう1つの事例をご紹介。ゲームを勉強に生かしている現場があります。
実際の写真を用意しました。

東京の多摩市にある学校の保健体育の授業です。
テーマは地域の治安をどうよくしていくか、安全に暮らすためにはどうしたらいいかを考える授業。ただ座講をすると5分で寝ちゃう子もいたそうです、正直言って。
でも、先生はアイデアを出しました。ゲーム使ってみよう。

そのゲームとは、「マインクラフト」という人気のゲーム。ブロックを組み立てる感覚で、建物や線路などを何もないところから作って、街を作れるんです。すごい人は、自分の住んでいる町を完全に再現する人もいます。さらには、映画みたいなまちやお城を作っちゃう。インターネットでつながれますから、お互い作品を披露し合ったりして、楽しむことができるソフトです。
これを使って、先生がわざと危険の多い町を作ります。

で、子どもたちに見せて「君だったら、安全な町にするために、どこをどう変える?」と聞くんです。そうすると、自分たちで考えるようになる。
公園の植木が高くて人目につきづらいから切ったほうがいい、と植木を切る子や、街灯の本数を増やして、夜道を明るくした子がいたそうです。こうすることで、先生が上から言うよりも、現実の中でもっと生かして、安全に生活をしようと意識を高める子どもが増えたと、実際に先生はおっしゃってるそうです。
こういう言葉がもう出てきています。ゲームの没入感をうまく社会に生かす取り組み、考え方のことをこう言います。

これぐらいまで来ているのですよ。

尾木 さん
文科省がね、「アクティブ・ラーニング(能動的に学ぶ学習法)」っていうのがいま大流行しているんですが、その1つの手段として、こういうのを生かせますよね。子どもたちが体験しながらというのはね。

馬場 さん
普通の先生の授業だと、生徒さんが席に着くのに時間かかるじゃないですか。「マインクラフト」の授業なんて、あっという間に席に着く。

小野 アナウンサー
楽しみになって。

香坂 さん
これはすごくいいことだと。これとこれと、違う感じがしてしょうがないんだよな(笑)。

中谷 解説委員
これまでのゲームはエンターテインメント。
これはシリアスゲームというジャンルなんですけど、いわゆる社会の課題を解決する、ゲームの手法を使った解決方法なんですよ。欧米などでは、例えば消防士になる時とか、このシリアスゲームで消防士の体験ができる。

馬場 さん
お医者さんの外科の手術でもあります。

武井 さん
ゲームをする時間をただ単に時間の損失だとか思わずに、必要なことをしなきゃいけない時間をゲームに充てているって思わずに、本当は何もしなかった時間をプラスの方向に使えるツールだと思ったらいいんじゃないかな。だから、そのバランス取りを大人がきちんとしてあげると、子どもにはプラスしかないものになっていくと思うんです。

尾木 さん
ただ、今があまりにもそれが整ってないというか、整理されていない状況で、うわっと始まってしまったという。ここは急いで整理するのが大人の責任だと思いますよ。

小野 アナウンサー
ただ、子どもばっかり問題があるわけでもないみたいです。

視聴者の声

福岡県 40代 女性
「子どもの相手を後回しにして、パソコンゲームのほうを向いている夫を見ると、イライラする時があります。」

神奈川県 40代 女性
「夫はうちにいる時は常にスマホでゲームをします。先日はずっとトイレでゲームをしており、私が出るよう催促すると、『トイレ出る必要があるの?』と言いました。あきれました。結局、私は風呂場で用を足しました。」

香坂 さん
えーっ!? でも、やっぱり依存性ってあるんですよね。

視聴者の声

大阪府 50代 女性
「夫がパソコンゲームに没頭していて、帰宅してからずっとパソコンから離れません。話しかけても返事もしません。いまでは家族みんなが「夫はいるけどいない人」と思って、普通に生活しています。」

尾木 さん
この間も海外でありましたけど、刺されているのに気が付かずにまだゲームやってたっていうの。痛みだとか恐怖だとかが感じにくくなるという副作用も指摘されてるんですよ。だから、危ないです。これは。

中村 さん
韓国ではリハビリをするということもあるぐらい、ゲームにはまるというのはあるんですよね。

尾木 さん
韓国は整ってますもん、リハビリの設備が。

視聴者の声

栃木県 50代 男性
「会社の友人がネットゲームに月3万円ぐらい使っています。ネットゲームに課金するなんて、バカだなと思います。」

岐阜県 50代 女性
「コンビニで働いています。ゲームのための高額なマネーカードをためらいなく買っていく人がとても多くて、心配になります。」

中谷 解説委員
今、日本のスマホゲーム市場はだいたい1兆円に迫ろうとしてます。その多くが30代なんですよ。だから、大人がやってるんですよ。

小野 アナウンサー
だけど、この没入感をコントロールしてセーブしたら、ゲームってつまらなくなっちゃうんですか?

中村 さん
そうですね。つまらなくなってしまいますよね。仕組みとして、没入のしかたもさまざまだというのを理解していて、ライトユーザーという非常にカジュアルにプレーする人のデザインのしかたもありますし、深くゲームに入り込むやり方もありますし、あらゆる方法でデザインがされてるので、そこはなかなか大変なんですけど、ゲームに限らず、ほかのメディアについても、同じような形の状況ってありますよね。テレビばっかり見てしまう状況もあれば。

小野 アナウンサー
そうですね。私も子どものころ、「テレビばっかり見てて」と叱られてましたけど。

中村 さん
昔、私も「漫画を読むな」って母親に怒られたのを覚えてますし。だから、これはどうつきあうか。もうゲームは日常の中の一部だっていうことですね。

香坂 さん
確かに一部ですよね。子どものほうがよく知っていますからね。

尾木 さん
だから、やっぱりルールはいるんですよ。

中谷 解説委員
この「ポケモンGO」は全く新しい観念のゲームとしてとらえて、例えば「リアルフィールドデジタルアスリート」。そういう新しいジャンルとして、ルール決めておかないと、やっぱりいけないと思うんですよね。

中村 さん
運がいいことに、今の子どもたちの親っていうのは、親もポケモンの世界を理解しているはずなんですよね。ですので、親が一緒に子どもと寄り添っていくというところですよね。

視聴者の声

「ゲームがよくないんじゃなくて、現実と仮想現実の切り分けができるかどうかってことだと思う。たかがゲーム、されどゲーム。明るい未来になるかどうか、使い方しだいですよね。」

馬場 さん
現実と仮想の切り分けっていうのが非常に大事だと思うんですよね。今回の「ポケモンGO」だけではなくて、バーチャルリアリティーのゲームがこれから出てきますから、そうすると、何が現実で、何が架空なのか仮想なのかっていうのを判断する能力を身につけなければいけないと思いますね。

武井 さん
もう切り分けができずに、それを美しく融合させる技術と、われわれの知識が必要なんだなって。ただ害悪って思っちゃうのは、いちばんゲームの文化によくないものだと思ってて。

香坂 さん
3Dについていけないのに、無理(笑)。

尾木 さん
バーチャルリアリティーは3Dの原理みたいなもんでしょ。ゴーグルみたいのをしちゃうわけですから。あれ、僕すごい心配なんですけど、目の発達は年齢高くまで成長し続けてるでしょ。その時に、10代とか1桁の年の子がこれをやっちゃったら、目がものすごく障害を受けるんじゃないかなとか、いろんなことが心配。

中谷 解説委員
やりすぎはどの世界も全部危ないと思いますけど、医学的にはいろいろ検証しているみたいですね。

馬場 さん
そうですね。例えば「ポケモンGO」は、一応年齢制限があるんですね。3歳以上。
なぜ3歳かというと、これは医学的な研究があるんですけども、だいたい3歳でリアルとバーチャルの区別がつくという研究結果があるようですね。

尾木 さん
いやぁ、現場にいるとそうは思えないですけどね。

馬場 さん
実際には、3歳の子どもがスマホ持って歩いている。これは危険だと思うんですけどね。

小野 アナウンサー
「子どもより大人のほうが、まずゲームとのつきあい方を学ぶべきだ」という声が来ています。そして、「みんなも壮大な「人生」っていうゲームを楽しんでね」という声も。
ありがとうございました。

寄せられたご意見・ご感想はこちら

■番組では随時ご意見を受け付けています。現在募集中のテーマはこちらから。

ページの先頭へ戻る